2017/09/28 公開

【前編】「コントとDJは僕のお米。その出荷先がフェスだった」・やついいちろう(エレキコミック)

失敗ヒーロー!

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きっかけはサニーデイ・サービスの曽我部恵一氏

――お笑い芸人、DJ、NHKの朝ドラ『ひよっこ』で初挑戦された役者とマルチにご活躍されていますが、まずは活動の原点、お笑いの道を志した理由から聞かせてください。

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1974年生まれ。三重県出身。1997年エレキコミック結成。やついいちろう氏が音楽好き、相方の今立進氏が漫画好きだったことがコンビ名の由来。音楽好きで友人も多く、お笑い界一音楽業界に顔の広い(?)芸人とも言われている。友人でもある曽我部恵一氏の勧めでDJを始め、2005年「COUNT DOWN JAPAN」DJブースにて、フェスデビュー。以後、夏の「ROCK IN JAPAN」、冬の「COUNT DOWN JAPAN」にはゲストDJとして欠かさず出演。SNSやコミュニティ等でも「DJやついを見るために毎年フェスに行ってます!」「ベストアクト」との声も多い。エレキコミックとしての活動と並行し、音楽イベントのDJとしても全国を駆け回っている。

やついいちろう(以下、やつい): 昔からお笑いも音楽も大好きだったんですが、後者については楽器が弾けなかったので、「お笑いをやろう」という感じでしたね。お笑いなら楽器も何もいらない、裸一貫でできますから。そこで大学の落語研究会に入り、落研の後輩だった今立とコンビを組んだのがエレキコミックの始まりです。現実的なお話をすると、在学中に出場したお笑いコンテストで優勝。そのまま事務所に所属してしまったので、お笑いばかりをずるずると。

――ずるずるなんて、そんな(笑)。しかし、それが今ではDJとしても精力的に活動され、ご自身のお名前を冠した「やついフェス」を主催されるほどです。音楽活動を始められた、そもそものきっかけは?

やつい: サニーデイ・サービスの曽我部恵一さんとの出会いですね。もう20年くらい前ですが、エレキコミックを結成する直前に、曽我部さんと二度も渋谷で遭遇しているんです。もともとサニーデイの音楽が大好きだったので迷わず声を掛けさせていただきましたが、なんと二度目には連絡先まで教えてくれて。

――曽我部さんは今年の「やついフェス」にも、ソロ名義でご出演されていますね。プライベートでの出会いだったとは驚きです。

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やつい: プライベートも何も、コンビ結成前のことですからね。当時の曽我部さんからしたら、見ず知らずの人間も同然。そんな曽我部さんに対して、僕も大胆だったんですが、エレキコミック結成後、教えてもらった連絡先にファックスを送ったんです。「お笑いライブをするので、題字を書いてください」って。しかもライブのタイトルが「うんこち○こライブ」(笑)。

――曽我部さんも仰天したんじゃないですか(笑)。

やつい: それが返事をいただけず、「何て失礼なことをしてしまったのか!」と、後から気付くわけです。そのエピソードを「ザッピィ」という音楽雑誌で話したところ、編集の方が「雑誌の企画を通して会ってみませんか?」と計らってくれたのが、再会のきっかけですね。題字の件も「単に忘れていただけ」ということが判明しまして。

そこから本格的な交流が始まりましたが、DJとしてステージに立つ気になったのも、誘いを受けたイベントが、曽我部さんが出演されるイベントだったから。曽我部さんも「やってみなよ」と後押ししてくれましたし、僕のステージを見て、すごく誉めてくれたんです。「続けたらいいんじゃない?」って。

プレイヤーになって「情報量信仰」から解放された

――その初ステージ以前に、DJのご経験は?

やつい: ほぼゼロですね。遊び程度に、ちょこっとくらい。世代論としてまとめるのもおかしいですけど、僕が10代だった1990年代初頭って、音楽は情報量勝負というか、引き出しの多い奴がいばれる時代だったんですね。今のようにApple Musicなんてものもないから、持っているCDの数が、そのまま情報量。僕もそういう時代のただ中にいて、「膨大な知識がなければ、プレイヤーになる権利はない」という自己暗示に掛かっていたんでしょう。一種のノイローゼのような。

ただ、あらためて考えてみると、まともにDJブースに立った経験もないって、最大のエクスキューズですよね。今、出演させてもらっている朝ドラに関しても一緒です。僕はドラマに出演した経験がなく、ずぶの素人。これがお笑いのステージとなれば別だけど、素人の分野なら下手で当然だし、失敗しても恥ずかしくない。「ならば」と、出演を決めたんです。

――そこから、DJとしての活動が始まるわけですね。

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DJとしてご出演されたSWEET LOVE SHOWER2017にて。
やついいちろう公式インスタグラムより

やつい: 初めて音楽というフィールドでプレイヤーになってみて感じたのが、ヒット曲の偉大さです。音楽を知らないような子でも、ヒット曲はすっかり体に入り込んでいるんですね。そこから情報量信仰なんて、幻想だったと気付きました。以前はコアな音楽ばかり熱心に聞いていたけれど、「そうか。音楽を好きだという気持ちさえあればいいのか」と、ヒット曲にも興味が向くようになりましたね。

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