2017/06/05 公開

部下の目標設定を行う際に、マネージャーが気を付けるべき5つのこと

「脱社畜ブログ」流マネジメントハック その9

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マネージャーの大切な仕事のひとつに、部下の目標設定があります。半期や四半期に一度、マネージャーと部下が面談を行い、その期の目標を話し合って一緒に設定するという会社は少なくありません。

言うまでもなく、ここで行う目標設定は部下にとって非常に重要な意味を持ちます。立てた目標の良し悪しが日々の仕事のパフォーマンスに影響を与えるのはもちろんのこと、ここで立てた目標の達成・未達成がそのまま部下の人事評価に使用され、給与の額や今後の昇進などにも関係していきます。いい加減な目標を立てて、部下の将来を台無しにすることは許されません。数多くあるマネージャーの仕事の中でも、特に神経を使うべき仕事だと言えます。

今回は、そんな部下の目標設定を行う際に、どのような点に気を付けるべきかを少し考えてみたいと思います。
 

なぜ目標を設定しなければならないのか

そもそも、なぜ僕たちは仕事をするにあたって、目標設定をしなければならないのでしょうか。

まず、目標を設定することで、はじめていま自分がやっている仕事が重要なものなのか、そうでないのかが判断できるようになります。たとえば、仕事の量が多すぎて手がまわらないというのであれば、目標に照らして重要度が低い仕事を思い切って切り捨てるということも可能です。業務量の多い職場などでは目の前の仕事をこなすことに精一杯で、ゆっくり目標を立てている時間がないという人もいるかもしれませんが、実際には忙しい人ほどしっかりと仕事の目標設定をすべきです。

また、目標があれば仕事に達成感が生まれます。仕事をした結果目標に近づけば嬉しいですし、自分がコミットした目標を達成できれば誇らしい気持ちにもなれます。仮に、目標を全く設定していなかったとしたら、このような日々の達成感を味わうこともできません。つまり、目標設定は仕事のモチベーションにも大きく関係してきます。

このように、仕事の目標を設定することは、日々の仕事に取り組む姿勢を変え、部下のモチベーションを高めるという意味で非常に重要です。

目標は「SMART」に立てる

目標設定を行う際には、以下の5つのポイントに注意すると良いとよく言われます。これらのポイントは、各々の頭文字を取って「SMART」などと言うキーワードで呼ばれることもあります。なお、「SMART」にはいくつかバリエーションが存在し、以下で紹介するのはあくまで一例です。

1.目標は具体的に(Specific)立てる

まず目標は具体的でなければなりません。「顧客満足度を上げる」といったような抽象的なものは目標としては不適切です。たまに、会社の経営理念のような目標を設定する人がいますが、それでは達成できたかどうかもわかりませんし、日々の仕事に落とすことも難しくなります。

2.目標は測定できるように(Measurable)立てる

次に、目標は測定可能なものである必要があります。たとえば、「次の四半期のシステム障害発生件数を3件以内に抑える」といった目標であれば、実際に障害発生件数を数えることで計測が可能なので、測定可能な目標だと言えます。測定可能な目標を立てることで、いま自分がゴールの近くにいるのか、遠くにいるのかがわかるようになります。

3.目標は達成可能(Achievable)なものを立てる

また、あたりまえですが、目標は現実的に達成できるものでなければいけません。どんなにすばらしい目標でも、絶対に達成できないとわかっているものでは意味がありません。簡単ではないが、頑張れば達成できなくもない、ぐらいが難易度としては適切です。

4.組織の目標に関係した(Related)目標を立てる

普通、組織には目標があります。個人の目標を設定する際には、それを達成することで結果的に組織の目標達成が促されるように立てることが必要です。どんなに本人にとっては意味があっても、組織にとっては意味がないのであればそれは仕事の目標としては不適切です。この点はなかなか本人だけだと把握が難しいので、マネージャーがうまくサポートしてあげるのが望ましいでしょう。

5.期限のある(Time-bound)目標を立てる

最後に、忘れてはいけないのは目標に期限を設けることです。どんなにすばらしい目標を立てても、期限がなければ人間はそれを頑張って達成しようとはしないものです。目標設定面談/評価面談のサイクルが制度として設計されている会社であれば、期限は自ずと次の面談までということになるでしょう。そのようなサイクルがない場合は、必ず期限を切るようにします。なお、あまり長すぎるとダレが発生するので、長くても四半期(三ヶ月)ぐらいが期限設定としては適切です。

あくまで目標は部下自身が立てるものであることを忘れずに

上で述べた「SMART」に加えて、部下の目標設定をマネージャーとしてサポートする場合には、忘れてはいけないことがひとつあります。それは「あくまで目標は部下自身が立てるものである」ということです。

仮に、マネージャーが一方的に「今期のお前の目標はこれだ」と言って目標を渡したとしたら、部下はどう思うでしょうか。どんなにその目標がSMARTに沿っていて良い目標だったとしても、一方的に押し付けられたのだとしたら頑張ってそれを達成しようという気持ちは湧かないのが普通です。実際、このようなケースは少なくありません。僕も会社員時代に、目標設定面談で何度か一方的に目標を設定されて「結局、面談なんて茶番じゃないか」と憤慨した記憶があります。

部下の目標設定を一緒に行う際は、あくまでマネージャーは部下の目標設定をサポートする役割に徹するべきでしょう。もちろん、これは部下が立てた目標をそのまま承認しろという意味ではありません。多くの場合、部下が自分で立てた目標はSMARTの観点でどこかに不足があるのが普通です。目標をSMARTにするために「こうしてみたら?」という提案は積極的に行うべきでしょう。ただし、押し付けになってはいけません。

マネージャーとの対話の中で良い目標が設定できれば、部下も納得感を持って目標達成に向けて日々の仕事に取り組むことができます。部下のパフォーマンスを最大限に引き出すにはどのような目標を立てればいいか、ぜひ部下と一緒に考えてみてください。

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日野 瑛太郎
ブロガー、ソフトウェアエンジニア。経営者と従業員の両方を経験したことで日本の労働の矛盾に気づき、「脱社畜ブログ」を開設。現在も日本人の働き方に関する意見を発信し続けている。著書に『脱社畜の働き方』(技術評論社)、『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』(東洋経済新報社)などがある。
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