2017/05/10 公開

部下のモチベーションが低いとき、マネージャーには何ができるのか?

「脱社畜ブログ」流マネジメントハック その8

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やる気は、仕事のパフォーマンスを大きく左右します。「やる気があろうとなかろうと、仕事である以上はどんな時でも責任を持ってしっかり取り組むべきだ」という意見もありますが、現実問題として、モチベーションが下がった状態ではあまりよい仕事はできません。ビジネスパーソンにとって、モチベーションを高く保つことはよい仕事をし続けるためにとても重要なことです。

もしあなたの部下が仕事を真剣にやっていなかったり、いつもつまらなさそうに仕事をしているとしたら、それはモチベーションに問題を抱えているのかもしれません。このように部下のモチベーションが低い時、マネージャーは何をすべきなのでしょうか? 今回はこの問題について少し考えてみたいと思います。

部下のモチベーションを上げるのはマネージャーの仕事なのか?

そもそも、部下のモチベーションを管理することはマネージャーの仕事なのでしょうか? 

この点、一部のコンサルティングファームなどでは「モチベーションで仕事をすること自体が間違っている」という考え方をするようです。給料をもらっている以上はモチベーションが高かろうが低かろうが自分が任された仕事はしっかりとやり遂げるべきで、それができなければプロとは言えない、というプロフェッショナリズムによって彼らは仕事を遂行します。この考え方に沿うなら、マネージャーは部下のモチベーションが高かろうと低かろうと気にしなくてよいということになります。

もっとも、僕自身はこういう考え方はいかがなものかと思います。仕事を依頼するクライアントの立場になって考えるとこういうプロフェッショナリズムは心強く感じますが、実際に仕事をする側からすれば堪ったものではありません。モチベーションが低い状態で歯を食いしばって必死に仕事をし、ぶれないパフォーマンスが発揮できる人間は現実には少数です。普通はモチベーションが下がれば仕事のパフォーマンスも下がり、時にはその仕事自体を辞めてしまうことだってあります。「モチベーションで仕事をすること自体が間違っている」という考え方は、人間というものを理解していません。

マネージャーにとって部下のモチベーションを上げることは、チームのパフォーマンスを上げることにも直結します。そういう意味ではやはり部下のモチベーション管理もマネージャーの仕事のひとつだと考えるべきでしょう。モチベーションが低下した部下をそのまま放置しつづけると、それが他のメンバーにも伝染し、チーム全体の士気低下につながることだってありえます。そうならないように、日頃から部下のモチベーションには配慮が必要です。

部下の「やりたいこと」と「やらなければならないこと」を面談で接続する

それでは、実際にモチベーションが低下した部下がいる場合、マネージャーは何をしなければならないのでしょうか。まずしなければならないことは「面談」です。基本的に、一対一で部下と向き合ってしっかりと話を聞かない限り、状況が好転することはありません。部下の側から面談を設定することはハードルが高い場合が多いので、モチベーション低下が疑われるようであれば、マネージャーの側から「ちょっと話をしないか」と働きかけて面談を設定するとよいでしょう。

面談で主に確認するべきことは、部下の「やりたいこと」(Will)と「やらなければならないこと」(Must)に齟齬が生じていないかです。モチベーション低下の大半は、この齟齬により引き起こされます。

仕事である以上、部下の「やりたいこと」と「やらなければならないこと」が完全に一致することは稀です。それでも、「やりたいこと」と「やらなければならないこと」が真逆であったり、明らかにその人にとっては意義が感じられない仕事ばかりやらされているというのであれば、モチベーションが低下するのは当然です。齟齬があるならその齟齬をどうにかできないか、部下との間で腹を割ってしっかりと話さなければなりません。

仕事の捉え方を変えることでモチベーションが上がることもある

「やりたいこと」と「やらなければならないこと」に齟齬がある場合、一番簡単に思いつく解決策は担当の仕事を変えるなど「やらなければならないこと」を変更するという方法ですが、現実には不可能な場合も少なくありません。その場合は、部下の仕事の捉え方を変えることで、モチベーションが上げられないか考えてみるのが有効です。

たとえば、部下の本当にやりたいことが「BtoCのサービス運営をしたい」というもので、実際の今の仕事は「BtoBのソリューション開発」だったとします。本当にやりたいのはBtoCなのに、今はBtoBの仕事をしているという点で、現在の状態は「やりたいこと」と「やらなければならないこと」に齟齬が生じていると言えます。しかし、現在BtoBのソリューション開発業務の中で行っている仕事が、将来BtoCのサービス開発を行う時に役に立つと考えることができれば、今の仕事にも真剣に取り組む理由が見えてきます。このように、現在の「やらなければならないこと」を「やりたいこと」の枠組みで捉え直す(これを「リフレーミング」と言います)ことで、仕事のモチベーションを復活させることができるのです。

部下に今の仕事のリフレーミングを促す際は、マネージャーが答えを言うのではなく、面談の中で部下本人が自分で気づくように誘導するのが理想的です。先程の例なら、部下の本当にやりたい「BtoCのサービス運営」をするためにどのような能力や経験が必要かを部下に質問し、今の仕事との共通点に自分で気づくように促せるとよいでしょう。

どうせならメンバー全員で気持ちよく働こう

どうせ仕事をするのなら、モチベーションが低い状態で仕事をするよりも、高い状態で仕事をしたほうが精神衛生的にも絶対によいに決まっています。モチベーションが低い状態はチームの他のメンバーにも伝染すると書きましたが、これはモチベーションが高い状態についても同じことが言えます。チームの中にモチベーションが高い人が多くなれば、チームはどんどん前向きになり、空気もよくなっていきます。

そのような強くて雰囲気のよいチームをつくるためにも、ぜひ部下のモチベーション低下に気を配っていただければと思います。

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日野 瑛太郎
ブロガー、ソフトウェアエンジニア。経営者と従業員の両方を経験したことで日本の労働の矛盾に気づき、「脱社畜ブログ」を開設。現在も日本人の働き方に関する意見を発信し続けている。著書に『脱社畜の働き方』(技術評論社)、『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』(東洋経済新報社)などがある。
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