2017/04/05 公開

チームの生産性を向上するために、マネージャーがしなければならないこと

「脱社畜ブログ」流マネジメントハック その7

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働き方改革の文脈で今、「生産性」という言葉が脚光を浴びています。この言葉の裏には、日本企業の多くで常態化している長時間労働への反省があるわけですが、「仕事の成果は現状維持で労働時間だけ短くしろ」と言われても簡単にできるものではありません。このような「生産性向上」というミッションを与えられたマネージャーの中には、困惑している人も少なくないと思います。

それでも僕は、マネージャーの皆さんにはぜひ自分のチームの生産性向上を成し遂げていただくことを期待しています。なぜなら、マネージャーはチームの生産性を大きく変えることができるポジションにいるからです。もちろん、チームメンバー個人単位でもできることはありますが、マネージャーだからこそできることはその何倍も多くあります。つまり、生産性向上はマネージャーが中心になって取り組むべき課題だと言えます。

チームの生産性を向上させることができれば、それは単に時間にゆとりが生まれるというだけでなく、チームの能力自体を底上げすることにもつながります。将来に渡って価値を生み出し続けるチームを作るためにも、今回は、この生産性向上というテーマについて考えてみたいと思います。

生産性向上のために見直すべき3つのこと

「生産性」というキーワードが注目を浴びるということは、逆に言えばそれだけ世の中には非生産的なやり方で仕事をしているチームが多くあることを意味します。たとえば、あなたのチームには大して重要ではない仕事に時間をかけて取り組んでいる人はいないでしょうか? あるいは、特に何も決まらないのにダラダラと時間ばかりかかる会議が行われてはいないでしょうか? チームの生産性を向上するためには、こういう無駄を一掃しなければなりません。

具体的には、大きく3つの観点でチームのあり方を見直すことが効果的です。順に見ていきましょう。

(1)業務の優先順位を見直す

一つ目は、業務の優先順位の見直しです。あたりまえですが、生産性を高めるためには重要な仕事に集中的にリソースを投下することが必要になります。仕事の優先順位の管理はチームメンバー個々人のレベルでも行うべきですが、まずは仕事を割り振る元であるマネージャーがしっかりと「仕分け」をしておかなければなりません。

ただし、これは「緊急度の高い仕事だけを優先的に取り組むべき」という意味ではないので注意しましょう。時には、短期的な生産性を犠牲にして、長期的な生産性が上がる仕事に取り組んだほうがいい場合もあります。具体的には、定型業務の自動化などの仕事がこれにあたります。

たとえば、クライアントへの報告のため、毎週2時間かけて人力で集計作業を行うという業務があったとします。この作業を、マクロを組んで自動化する仕事は、緊急度は高くありませんが優先して取り組むべきです。このような「後々になって生産性に効いてくる」仕事を見抜き、優先的に割り当てることでチームの生産性は少しずつ向上していきます。このような「投資」は積極的に行いましょう。

(2)会議の最適化を図る

二つ目に考えるべきことは、会議の最適化です。会議はチームの生産性を損ねる大きな原因になりえます。たとえ1時間の会議でも、チームメンバー5人が参加すればチーム内の時間が5時間削られることになります。その貴重な5時間を使って、結局ダラダラと話しただけで何も決まらなかったなどということがあっては問題です。

このような無駄を避けるためにも、会議の目的は事前にはっきりさせましょう。何かの意思決定を行うためなのか、ブレストにより新しいアイディアを得たいのか、情報共有が目的なのかで、そもそもその会議をすべきかどうかも変わってきます。また、参加者は可能な限り絞るべきです。関係のない人を会議に巻き込むことは、その人の時間を盗んでいることと変わりません。

たまに、会議に参加することこそが自分の仕事だと勘違いして、自ら無駄な会議を作りまくるマネージャーがいますが、これは論外です。マネージャーの仕事は会議を作ることではなく、むしろ減らすことだと心得ましょう。

(3)帰りやすい空気をつくる

最後に重要なのは、職場の空気自体を変えることです。自分の仕事が終わったら他人の目を気にせずに帰宅できることをあたりまえにしていきましょう。

残業が常態化しているチームでは、「早く帰ることが気まずい」という空気が発生していることがよくあります。このようなチームでは、そもそも仕事を早く終わらせるインセンティブがありません。どんなに早く仕事を終わらせても周囲に付き合って残業をしなければならないのであれば、多くの人はダラダラと仕事をするほうを選びます。これではチームの生産性は上がりません。

チーム内で帰りやすい空気を作るために効果的なのは、マネージャー自らが早く家に帰ることです。実際、「定時後に上司が残業をしているから帰りづらい」と思っている部下はたくさんいます。上司が保育園のお迎えのために毎日早く帰ることになったら同時に部下の残業時間まで減った、という話を以前聞いたことがありますが、そのぐらい日本の会社員は上司の動向を気にしています。

間違っても、マネージャー自らが業務時間外に会議を入れたり、部下にメールをしたりしてはいけません。マネージャーが業務時間を大切にする姿勢を示すことで、部下も業務時間を意識するようになり、その結果生産性が上がるという良いサイクルを回すことができます。

生産性の低いチームは淘汰される

最近よくAIの話題を目にすることからわかるように、生産性向上は社会全体の要請でもあります。そんな時代の流れの中で、生産性の低いやり方でしか仕事がこなせないチームはそもそも存在価値自体が揺らぎます。

昔であれば、多少非効率でも頑張ってこなせばそれだけで評価されましたが、今ではそのようなやり方で仕事をしてもただの無駄としか思われません。新しい時代でも継続的に価値を生み出し続けるチームを作るためにも、ぜひ生産性の向上という課題に本腰を入れて取り組んでいただきたいと思います。

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日野 瑛太郎
ブロガー、ソフトウェアエンジニア。経営者と従業員の両方を経験したことで日本の労働の矛盾に気づき、「脱社畜ブログ」を開設。現在も日本人の働き方に関する意見を発信し続けている。著書に『脱社畜の働き方』(技術評論社)、『あ、「やりがい」とかいらないんで、とりあえず残業代ください。』(東洋経済新報社)などがある。
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