【前編】「失敗も含め、作品の系譜そのものが芸術になる」・渡辺俊美(TOKYO No.1 SOUL SET) | マネたま

【前編】「失敗も含め、作品の系譜そのものが芸術になる」・渡辺俊美(TOKYO No.1 SOUL SET)

失敗ヒーロー!

2017/11/28
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昼間が僕でライブが川辺くん、そして宴会はBIKKE

――渡辺さんにとって、音楽活動の原点とも言うべきTOKYO No.1 SOUL SET。すでに25年以上ものキャリアを誇るユニットですが、明確にリーダーを定めていないユニットでもありますよね。

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福島県川内村出身。幼少の頃より剣道に勤しみ、高校時代は福島県代表として国体に出場。大学進学に伴い東京に上京。原宿のラフォーレでアパレル関係の店舗を経営。後に自身のファッションブランド「DOARAT」を設立。90 年代初頭「TOKYO No.1 SOUL SET」のボーカル&ギタリストとして活動。その後、福島県人バンド「猪苗代湖ズ」でも活動し、2011 年にNHK 紅白歌合戦に出場。2014 年にエッセイ本「461 個の弁当は、親父と息子の男の約束。」を発表。2016 年、大根仁監督、福山雅治主演映画「SCOOP!」の主題歌を担当。震災復興への想いを込めたANA「東北FLOWER JET オリジナルソング」の作詞・作曲を手掛け、2017年11月開催のコヤブソニックにTOKYO No.1 SOUL SETとして出演。12月29日には年末恒例TOKYO No.1 SOUL SET presents「IN THE ROOM」を開催。

渡辺俊美(以下 渡辺): いや、昼間のリーダーが僕で、現場のリーダーが川辺くん、打ち上げのリーダーがBIKKEですね。場面によって、リーダーが変わるんです。お酒が絡んでくる場所だと、BIKKEが主導権を握りますから(笑)。

――なるほど(笑)。
 
渡辺: そう、BIKKEが宴会隊長ね(笑)。ただ冗談のようでいて、意外とそこが本質なのかもしれない。昼間というか、日中の連絡係を担うのが僕で、ライブになると川辺くん。そしてライブが終われば、社交的なBIKKEが、という感じですね。

こうした役割は音楽にも表れていて、音楽の地となるトラックをつくるのは、やっぱり川辺くん。彼は、世界レベルの人間だと思います。BIKKEは詞を担当しているけれど、彼は過去の話ではなく、今の時代を言葉として切り取れる人です。だからこそ、詞に関してはBIKKEに一任しています。そのなかで僕の役割としては、二人がつくった音楽を壊すこと。壊すことによって化学反応を引き起こし、もっと面白くするという。

役割分担が明確で、役割を全うできる組織は伸びる

――その役割分担は、自然とできていったものでしょうか?

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渡辺: 極々、自然とです。そもそも僕らがユニットを結成した90年代初頭って、バンドブームの真っ直中。「バンドやろうぜ!」と息巻いて、汗かいて。ただ僕には、その頑張っている感じが、かっこ悪く見えた。同じように考えている人間が集まったのが、TOKYO No.1 SOUL SETです。

だから「お前がリーダーやれよ!」なんていう、熱い語らいとは無縁。「こうやろうぜ、ああやろうぜ」という話し合いすらせず、面白いか、面白くないか。かっこいいか、かっこ悪いか。そういう感覚だけで、このメンバーが寄り添ったんだと思いますね。それぞれの役割についても感覚です。感覚だけど、はっきりしていた。役割分担が明確で、それぞれの役割を全うできる会社は、伸びます。もう一度、言いましょう、伸びます(笑)。

自分の役割を知っていれば、自分を補う誰かが現れる

――ありがとうございます(笑)。各々がベストなポジションに着き、才能を発揮していく。会社に置き換えると人事、まさにマネジメントのお話ですが、その適材適所こそ、難しいところです。

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渡辺: いや、役割分担なんてものは、本当は、中学生くらいまでに終わっているんですよ。義務教育の過程で、日直とか掃除当番とか、何々委員とか、いろいろやらされるじゃないですか。その経験から自分は何が適役なのか、自ずと見えてくる。僕の場合、中学卒業の段階で、それが見えていたんですね。「俺、掃除は苦手だから」って(笑)。くだらない反抗のようでいて、実は適正の問題だったりするから。

「経験になるからやりなさい。向いているかもしれないから、やりなさい」。そうした導きは優しさでもあるけど、当時の僕からしたら「もう、いいじゃん」と。与えられた役目に素直に従うのが、真っ当な人間なのかもしれない。だけど自分の向き不向きを理解して、それを伝えることができれば、僕が苦手なところを補ってくれる人間が、自ずと現れる。「そうか、お前はそれが苦手なのか。俺は得意だから、俺がその役割を担うよ」って。

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