「下積みの苦しさを放棄しては、何者にもなれない」・宇多丸(ライムスター)

弟子入り!マネたまくん

2018/01/25
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「半端者」のススメ

――成長の途上にある若者にとって、とても励みになるお言葉です。

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宇多丸 下積みとは、何者かになるための修行期間ですよね。だけど、ひたすら耐えるだけでは倒れてしまう。だからこそ、視点を変えることに意味があります。勝てないなら、勝てる土壌を探してみる。見つかったら、その場所を耕してみる。それはいわば、根回しなんです。

人間は組織の歯車です。悲しいけれど、これは事実です。だからこそ、せめて歯車を動かす側の人間を目指したい。そのためには、がむしゃらに走り続ける熱意だけでは足りません。説得力が必要です。そのためにも理解され、評価されるための土壌を耕す必要があります。

そして志半ばで倒れないためにも、常に「半身(はんみ)」でいること。つまり「半端者」であることを受け入れることです。これは会社というものに帰属したことのない、僕特有の理論かもしれない。けれど、ここまでテクノロジーが進化した時代になると、誰がいつ交換可能な人間と見なされるかなんて分かりません。そういう意味では会社に属する人間にも、そうじゃない人間にもこのことは言えることかなと。

――日本語ラップという一つのシーンを築いた宇多丸さんから「半身」や「半端者」という言葉が出るとは、とても意外です。

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宇多丸 言い換えれば、その場からいつでも逃げ出せるよう、複数のチャンネルを持っておく感じ。ビジネス的に言えば、リスクヘッジです。それに僕は、複数のチャンネルを持つがゆえに何者なのか分からなかったり、肩書きが不明瞭であることが、かえって「何者か」を物語っている人間が大好きだから。タモリさんしかり巨泉さんしかり、いとうせいこうさんしかり。何者なのか分からないところが最高にイカす。

幸せな人生は「自己分析」から始まる

 
――ラッパーでありラジオパーソナリティであり、批評もすればコラムも書く。肩書きの不明瞭さは、宇多丸さんにも通じますね。

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宇多丸 そういう人間が好きだし、僕自身、そういう状態にあるほうが心地いい。倒れずに生きる秘訣って、自分にとって何が快適で何が不快なのか、それを理解することから始まる気がします。己の向き不向きを理解することも一緒。自分に不向きなことをしていると、不快さがつきまとうから。

自分にとっての「快不快」を理解するために必要なのが、やっぱり分析です。「なぜか不快」「なぜか評価されない」。この「なぜ」を明らかにしないまま、やり過ごしてしまうから苦しいし、苦しいから続かない。明らかにするには自分の行動基準を見つめ、反対に自分にとって心地いい状況とは何なのか、自分が評価される状況とは何なのかを言語化してみることです。

そこから導き出された言葉は、ポジティブなものに違いない。その前向きな言葉の一つ一つを生活に組み込んでいけば、きっと苦しみの少ない毎日に、幸せな人生につながっていくはずです。

まとめ

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誰よりも頑張っている自覚も、正しいことをしている自信もあるのに、なぜか周りからの評価がついてこない。働く人の多くが経験する壁ですが、この壁にぶち当たったとき、宇多丸さんを大きく支えたのが「誰にも代用が利かない『何者か』になる」という強い意思でした。

その意思を現実(リアル)に導いたのが、物事を俯瞰からアプローチする方法、つまり「メタ視点の分析」です。闇雲に走り続けて挫折する前に、自分本来の力が発揮しやすい土壌を見つけ、より評価されやすい土壌に作り替えていくこと。今回、宇多丸さんが教えてくれた“根回し”の重要性は、楽しみながら働くことはもちろん、マネジメントに関わる全ての人に幸せなコミュニケーションを送るための裏技でもあるのです。


インフォメーション

【RHYMESTER HP】 
rhymester.jp
【ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル】
TBSラジオ FM90.5 + AM954 土曜日 22:00 – 24:00
https://www.tbsradio.jp/utamaru/

 

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