炎上させないのは意外と簡単!? 虚構新聞に学ぶ、炎上とフェイクニュースが蔓延る時代に必要なネットリテラシー

変わり種マネジメント その7

2018/05/15
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円周率、割り切れた」など、Twitterで流れてきたニュースの見出しに驚いて記事を読んでみると、そのネタ元が「虚構新聞」だった。そんな経験はないでしょうか? 微妙にありえそうで、でもやっぱりありえない。そんな虚構のニュース記事を10年以上にわたって書き続けている「虚構新聞」。その主催者UKさんに、フェイクニュースが蔓延る時代の真実の見抜き方や炎上を防ぐ方法など、現代のネットリテラシーについて伺いました。

ネットリテラシーは、個人や法人を問わず、情報を発信する側にとって必須のもの。発信する情報の、ある意味マネジメントともいえます。4月に入り、SNSやメディアを使って情報発信する現場へ配属される方もきっと多いはず。そんな方の役に立つお話です。

嘘を書き続ける「虚構新聞」その成り立ちとポリシーとは?

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――運営者ご本人として「虚構新聞」とは、どのようなサイトだと位置付けていますか?

タイトルの通り、新聞の文体や体裁を使いながら虚構の記事を発信していくサイトです。大きくいえばパロディーサイトであり、一般的にはジョークサイト的な扱いをされていると思います。ネット史の文脈的にいえば、いまでも生き残っている数少ない「テキストサイト」なんじゃないでしょうか。

――「虚構新聞」は2004年に開設され、もうすぐ15年の月日が経ちます。始めたきっかけは何でしたか?

もともと趣味で個人ニュースサイトをやっていたんです。いまでいうキュレーション的な感じでニュースをチョイスして管理人のコメントと一緒に紹介するものですね。当時そこに載せるエイプリルフール用の嘘記事を書いてみたのですが、思ったより筆が乗って楽しかったので定期的なものとして出していこうと、嘘記事が溜まった時点で「虚構新聞」として独立させました。最初からコンセプトがあったわけじゃないんです。

――そんな「虚構新聞」を続けられてもうすぐ15年。変わらず運営を続けているそのモチベーションはどこに?

自己満足ですね。多くの人が知ってくれている人気記事もありますが、自分自身では面白かったけど受けなかった記事もたくさんあります。もちろん反響があるのは嬉しいんですけど、どっちかというと自分で書き終えて自分で笑って、その段階で満足しているんです。もう生理現象みたいに書くことが当たり前になっているので、「承認欲求」みたいなのはあまりないですね。

――「虚構のニュース」には単純に笑えるエンターテインメントという側面と、それと同時に風刺という側面もあると思います。そのバランスはどのように心がけていますか?

基本的な目標としては「笑ってもらう」ところにあり、そこに達するための手段として風刺を使っているだけですね。単純にパロディーでもいいし、雑コラでもいいし、風刺でもいい。「いくつかある表現手段のひとつが風刺」という感じです。でも日本のネットコンテンツとして風刺は比較的珍しいこともあり、そこが評価された部分もあると思います。

――その他にも「虚構新聞」は独自の基準をもって記事を作られているように感じます。たとえば「こういうことはやらない」といったルールはありますか?

公人と私人の区別はつけるようにしています。海外にある同種のジョークニュースサイトを参考に、当初はみなし公人もOKとしていたのですが、最近はフェイクニュースという言葉が出てきたり、SNSで拡散されやすくなったりしたこともあり、厳密に公人、つまり政治家までに範囲を定めています。企業の場合は株価を操縦する「風説の流布」になってしまうといけないので、特定の企業をネタにするようなことはしないように気をつけています。森永製菓やシャープなど、SNSを活用していて「理解してくれるであろう企業」の場合はネタにしたりすることもありますが、相手も記事内容もしっかりと見極めてやっています。あと下ネタも嫌いなので書きません。

――森永DARSの一件は記事広告かと思って見ていたのですが、実はそうではないとか?

あれには前段階がありまして、当時シー・シェパードと絡めて「『おっとっと』からイルカがいなくなる」という記事を書いたところ、森永のTwitterの中の人(当時)から「ダースもネタにしてほしいのダース」と反応されて。

先ほども申し上げた通り、基本的に企業を使わないようにはしていたんですけど「企業がそう言ってくれるんだったら」と思って“森永チョコ、144個入り「グロス」発売へ ”という記事を書いたんです。その記事自体は森永の中の人が喜んだだけで別にバズったりしなかったんですけど、その3日後くらいに「本当に作りました」ということになって、そこで初めて盛り上がったんですよ。

――逆に向こうが乗っかってきたという感じだったんですね。

はい。森永の一件以来、最初からそこまでを想定した「出来レース」みたいな記事の依頼は来るんですけど、それは断っています。

――それはなぜ?

いまは変わってきた部分もありますが、自分は基本的に「ネットは集合知」だと思っているんです。たくさんの人たちの知恵が集まるところなので、そういうステマをしていたら広告代理店関係者などからリークがあってバレてしまう。だから姑息な手段は通用しないと思うし、それをやるのは読者をバカにしたことではないかと。だから広告をやるんだったら広告としてちゃんと表記します。

それにネットの面白さって、リアルタイムで何かが起こっているのを周りから見る楽しさに似たところがあって、最初からゴールが決まっていてそこに向かって進んでいく「作業」みたいなのは楽しくないと思うんです。au未来研究所の「INFOJAR」のときも事前に「作ります」というメールは頂いたんですけど「読者と一緒に見届けたいので今後は進捗を連絡しないでください」と伝えましたし。

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