2016/09/26 公開

有給休暇を取ってほしいのか、取らせたくないのか。「有給 怒られた」のツイート検索結果に現れる企業の実態

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Twitterでは日々、多くの人が日常の出来事を投稿しています。匿名・顕名に関わらず様々な人がときに本音に近いつぶやきを行なうため、検索結果は場合によっては参考になるデータベースになりえます。

そしてTwitterで度々トレンドになる話題の1つといえば、社畜ネタです。「社畜あるある」や「社畜の叫び」といったハッシュタグでは、それぞれの社畜自慢がずらりと並びます。

このように自らネタにする人はまだしも、会社に対する不平不満が爆発しているツイートも多々見られます。特に会社員の嘆きが強く反映されているのが、有給休暇(以下、有給)をめぐるツイートです。

人事の皆さんは、社員が有給を申請してきた場合どのような対応をされているでしょうか? 労働者の権利として認められている有給ですが、消化を強く推奨する企業もあれば、まだまだ“好ましくないもの”として扱っている企業もあるようです。実際、「有給」、「怒られた」でツイート検索すると、企業側の対応が二分されていることが分かります。

20日ほど有給休暇が貯まっているらしく「早く使え」と怒られた…予定を詰め込む悪癖があるのかもしれない。
引用:Twitter

有給残っているから使えと怒られたので、残っている親知らずの抜歯(の検査)でおやすみを取ることに。ホントいい会社だよなぁ。しみじみ…
引用:Twitter

こちらの投稿者は、有給を「取得していなかった」ことについて注意を受けています。すっかり有給の存在を忘れていた投稿者に対し、わざわざ企業側から取得を呼びかけるケースがあるようです。

一方で、有給を「取ろうとした」ことを怒られたケースも。「取ろうとするなんてどういうことだ」と、企業側は有給の取得を考えた投稿者を非難しています。

日本の常識とか仕事感とか大っ嫌いだ。会社が法律違反してるのに、なんでこっちが悪者になるの。相談したら、「有給なんかとってるひと見たことないよ!」と怒られた、悲しい。
引用:Twitter

ほんまそれな…前働いてたとこは旅行行きたくて公休で2連休申請したら嫌いな先輩から嫌いな上司にチクられて「なんですぐ二連休取るの??」って怒られたから、有給なんてもっての他ってクソみたいな会社だった( ?ω? )
引用:Twitter

再度書きますが、有給取得は労働者に認められた権利です。企業・労働者双方にとって理想的なのは、「繁忙期などの企業側の事情はありながらも、社員それぞれが休みたい時に休みたいと言えるような、社員が罪悪感を持たずに有給が取得できる環境」でしょう。そうすることで、労働者は精神的、時間的な余裕を持って仕事に取り組め、企業にはリフレッシュした労働者による生産性の向上がもたらされます。

そこで今回は、有給取得を考える社員に対する人事のあるべき行動を、Twitterから拾った声をもとに考えていきたいと思います。

「休暇を取るのは後ろめたい」?そんな気遣いがますます取得を妨げる。

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世界の国々と比べ、日本の有給取得率はかなり低いことが知られています。厚生労働省の平成26年度「年次有給休暇取得率」によれば、取得率は前年度よりわずかに上昇してはいるものの、48.8%と半数を下回っています。

有給を自分のために使う諸外国と比べ、日本では冠婚葬祭や自身の病気やケガなど、やむを得ない状況で使う認識が強いともいわれています。「自分が休むことで周りに負担がかかるのではないか」、「代わりがいないから、自分が休んだら仕事がまわらなくなる」なんて気遣いが、「休みたいときに休む」ことを諦めさせているのです。

多くの日本の会社では、休暇を取ることは基本的には後ろめたいものとされている。(本当にバカげていると思うのだけど)有給を申請するときには 「申し訳ありませんが」と枕詞をつけるし、休みをとって旅行に行ったのであれば職場にお土産を買っていくのは常識とされている。
引用:Twitter

同期の子、月末+会社が休みの日の前後という最高に忙しい時に有給とって家族旅行に行ってきたみたいなんだけど、「2日間、忙しい中お休みありがとうございました」とか一言もないの。あと旅行で会社休んだんだからせめて適当なお土産でも買ってきなよって思った。
引用:Twitter

まるで有給を取得した社員が悪いかのように扱う企業が存在することで、社員は「周りに迷惑かける」、「休むのが申し訳ない、後ろめたい」と、ますます有給を取得しにくくなっていくのです。

「取得理由を言わなければ」、「有給を取ると評価が下がる」風潮が蔓延する現代社会。

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有給取得の理由もまた、社員の前に立ちはだかる壁となっています。

職場で勤務の調整の仕事とかもしてるんだけど、有給届けで「風邪をひいたため」ってまだ来ていない日の理由欄に書いてあって、お前は風邪を引く予定なのか~い!ってなったんだけど…、私用でいいんですよ私用で…、
引用:Twitter

理由がなきゃ有給も取れない日本の社会はおかしいよ。皆が働いてるから自分もやらなきゃっていう概念に囚われてる

皆が働いてるから、本当に休みたいときにも休めないし休むべき時にも休めない。そりゃ自殺大国にもなりますわな
引用:Twitter

有給取得に「理由」の欄を設け、そのいかんによっては取得を認めない企業もあるようです。ちなみに労働基準法では、「企業は社員から有給休暇取得の申し出があった場合、原則として理由に関わらず承諾しなければいけない」「社員は有給休暇取得の理由を伝える義務はない」としています。

繁忙期である場合は「時期をずらしてほしい」と企業側から伝えることはできますが、有給取得そのものを拒否することはできません。それにも関わらず、一部の企業は「そんな理由で休まれても困る」と申請をつっぱね、社員は断られない理由を必死に考えた結果、取得そのものを諦めてしまうこともあるようです。

7月と10月の有給の理由をなんとしたらいいのか今から頭が痛い!もう…ほんと…悲しいけど6月は諦めるしかないヾ(・ω・`;)
引用:Twitter

それだけでなく、「評価が下がるのではないか」というイメージがあることも、有給を取りにくい原因の一つといえます。

会社って有給とっただけで評価下がるの?
引用:Twitter

労働基準法では「有給休暇取得による従業員への不利益処分」を禁じています。本当ならば、有給を使うことが「給与が下がる・出世が見込めない」なんてマイナス要素になることは法的にも決して許されないことなのです。

有給取得が義務化に?ただし時期は未定。

2015年3月、日本の有給取得率が著しく低い現状を改善すべく、厚生労働省が労働基準法改正案を国会に提出する方向で調整をすすめている、という発表がされました。その内容とは、「年5日間の有給休暇取得を義務付ける」というもの。日本の有給取得率を更に引き上げることを目標とし、2016年4月より施行されるはずでしたが、成立そのものは見送られています。

法改正はこれまで有給取得が難しかった労働者にとって、喜ばしいことです。一方で、「表向きは有給でも、出勤の打刻をさせずにサービス出勤を強いる企業もあるのではないか」という懸念も生まれています。義務化したから改善されるわけではありません。企業の対応が変わらなければ、社会全体は変わらないのです。

休みたい時に休む。それができる雰囲気を作っていけるよう意識することが大切。

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「有給を取るたびに君は人として信用を失ってるのを忘れるな。」とか、そもそも有給を使わせにくい雰囲気を職場で作るとか、そんなんブラック企業通り越して漆黒企業ですやん。調べてみると世間の多くの会社ではそれが普通らしい。こちとら休み取るのに理由が必要なほど優秀な人間じゃねえぜっ!
引用:Twitter

社員が有給を取得するのは、企業にとって決してマイナスなことではありません。有給により私生活が充実できた社員はモチベーションが上がります。また、有給が取れることで企業のイメージそのものが向上し、入社希望者の増加にも繋がります。

逆に有給が取得できない企業の社員はストレスが蓄積するばかりか、精神的な余裕が無くなってしまった結果、体を壊して退職せざるを得ないケースも珍しくありません。そんなことを防ぐため、厚生労働省も有給取得の取得を促そうとしています。

「でも、休んだら次の日にたくさん仕事があるだろうし……」、「周りに迷惑かけてしまうし……」と有給を取得しない社員もいます。そんな理由を無くすためにも、チーム内でカバーし合うなど、有給を取っても罪悪感を抱かせない雰囲気を作っていくことこそが求められています。

有給を取得するのは決して後ろめたいものではありません。社員の生活をより豊かにした結果、会社も豊かになっていくのならばむしろ、取得してもらうために人事は社員に有給を取得させていくべきなのです。

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