「ワーママって言葉がなくなるのが、目標です」パワーママプロジェクト・椿奈緒子

『働く女性』の未来像

2017/04/19
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これからのワーママは「自分らしく、しなやかに」

――今後のワーママは、どんなイメージになっていくとお考えですか? 

椿 バリバリ、ガツガツ働くイメージではなく、「自分らしく、しなやかに」。これが、これからのスタンダードになっていくと思います。パワーママプロジェクトのミッションは、「仕事も育児もHAPPYなママを増やし、日本経済に貢献する」です。社会やパパの協力がもちろん必要ですが、ママ自身が無理をせず自分らしく働くことが大切。男性社会に無理をして合わせて、競争していくのがワーママという時代ではありません。自分らしさを失わず、しなやかに働く。そんなワーママが、これからもっと増えてくると思います。

――椿さんご自身のお話を聞かせてください。第一子出産からパワーママプロジェクト立ち上げ、その間、ワーママとしてのご苦労などは? 

椿 実は、一人目の子どもの時は3カ月で職場復帰したんです。周囲からは「早いね」「そんなにすぐ復帰して大丈夫?」と心配されました。みんな悪気なく心配してくれているのはわかるんですけど、あんまり早い早いと言われるので「早く戻りすぎたかなぁ?」「暗に『子どもを大切にしてない』って言われてる?」なんて思ったこともありました。

――職場復帰のタイミングについてもまだまだ社会の共通理解は進んでいないですね。 

椿 一人目の時は、正直不安もありました。「産休・育休の間に自分の価値が下がるんじゃないか?」「子どもが生まれたあと、生まれる前と同じように働けるのか?」って。でも、あるとき180度考えが変わるような言葉をいただいたんです。

――どんな言葉だったんですか? 

椿 2012年ごろ、当時の世界銀行の駐日特別代表の方から、「育休期間は、MBA取得のための留学をしている時間と同じくらい価値がある」と伺ったんです。それまでめちゃくちゃ不安だったけど、「休むことは機会損失ではなく、新しい経験をするチャンスなんだ」と。180度考え方がスイッチしましたね。

2人目の子どもの時は待機児童も経験したんですけど、これもすごく良い経験になりました。区議会の委員会に話を聞きに行ったり、『保育園一揆』を起こした人に話を聞いたり、国の「女性活躍応援」を身近で感じることができたり……。今までよりさらに社会問題に目を向けるようになりました。それも仕事やキャリア、人生にとって有意義な時間だったと思います。

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▲内閣府主催平成28年度男女共同参画社会作りに向けての全国会議にパワーママプロジェクトとして参加した様子

国の女性活躍応援も、もっと身近になれば。

椿 国(内閣府、外務省、経済産業省)の女性活躍応援の動きを見ていると、「結構本気で取り組んでいるんだな」という姿勢が伝わります。ただ省庁のせっかくの動きや働きかけも、私たちのような一般的な層にはなかなか伝わりにくいな、というのも同時に実感しました。私たちのようなプロジェクトが少しでもお手伝いができればと思います。

――一方で、ワーママの活躍には、協力的なパパの存在や外部サポートも必要ですよね。 

椿 それと、パパのサポートですね。パワーママプロジェクトのインタビューを見ていると、概ね協力的なパパが多いです。それでも、家事分担はそれぞれの家庭によってかなり違います。仕事と同じで適材適所、あまり無理をしない、お願いできるなら家事代行を利用する……そういうことも今後はもっと必要になってくると思います。

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優秀な女性が退職することに、危機感を抱く企業は多い。

――世間からの、ワーママへの目線が変わってきているという実感はありますか? 

椿 パワーママのインタビューに答えてくれている人を見ても、ママの働き方は変わってきていると思います。今年の『ワーママオブザイヤー』では受賞者の6人中4人がフリーランスで働くママという結果になり、フリーランスが注目を集めました。新しい働き方が広まってきている表れだと思います。

また、前述の衆議院議員・山尾志桜里さんからお祝いのビデオメッセージも受け取っています。

「2016年は『保育園落ちた死ね』ブログから、働くママが声をあげれば、女性達が声をあげれば、社会は動き政治は動く・・という希望を分かち合えた年でした。今の日本は当たり前が当たり前じゃない。一歩ずつでも変えていこう。どんな働き方であれママが社会と繋がることは 日本の子供たちの未来を創ることです。ママ同士繋がってハッピーに明るく、私も一緒に頑張っていきたいと思います」(出典:Power mama

――素晴らしいですね。 

椿 ソーシャルメディアの反応を見ていても、フリーランスとして働いているママに対して「かっこいい」という声が挙がっています。ワーママの多様化は進んでいますし、ママの意識、周りの意識もだいぶ変わっていると思います。

――今後のパワーママプロジェクトは、どのように発展していくのでしょう? 

椿 パワーママプロジェクトは今年で5年目に入ります、引き続き等身大ワーママのロールモデルシェアは続けていきますが、初の出版も2017年4月に控え、「次どうしよう?」という段階に来ていると思っています。

パワーママプロジェクトを始める以前と今では、「ワーママ」という言葉自体はスタンダードになってきた感じがあります。そういう面では少し寄与できたかなとは思いますが、本当はワーママという言葉がなくなるくらい、女性が出産をして子育てをしながら働くことが当たり前の世の中になって欲しいと思っています。

パワーママプロジェクトの主役は、等身大のワーママたち。パワーママプロジェクトに登場してくれるワーママたちがもっと当たり前の存在になって、「そんな普通のことだよ」という時代がもうすぐやってくると思うんです。みなさんに少しでもパワーや勇気、元気を与えられたらなと思っています。

<了>

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