脅威の1,980万いいね! Tokyo Otaku Modeを加速させる「オタクサポート」制度とは?

気になる会社の気になる人事 その6

2017/05/29
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「オタク=好きなことに誇りをもつ人」

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――そんな社員の皆さんの活動を支援する上で、貴社には「オタクサポート制度」というものがあるそうですね。 

秋山 今年2月から導入された制度で、金額の上限を設けて好きなものを買っていいという制度です。3ヶ月に1回行なっていまして、ちょうど今月はオタクサポート制度月間です。狙いはいろいろあるんですが、一つは「Tokyo Otaku Modeならではの福利厚生ってなんだろう」と思った時、オタクの人が多いので、好きなものに対してより知識を深めることができる制度がいいだろうと。

もう一つは、「弊社におけるオタクの定義をしよう」という意図がありました。今はいろいろなジャンルのオタクが世の中にいて、感じ方やイメージは人それぞれです。ただ、Tokyo Otaku Modeの商材がどんどん広がりを見せる中で、オタクの定義を巡って社内論争が起こることがあったんですね。「これはオタク向けだ、ウチで扱うべきだ」「いやオタク向けじゃない、扱うべきじゃない」というような。

――オタク愛が強いからこそ起こる論争なのですね。 

秋山 そこで弊社では、「オタク=好きなことに誇りをもつ人」と定義しました。好きという感情を大切にし、「好き」で人が結びつくことで、新しい創造的な何かを生むと考えています。

――その「好き」を大事にするための社内制度として「オタクサポート制度」があるんですね。 

秋山 そうです。弊社は「クレド」を7つ掲げているのですが、その中の一つに「自ら何かのオタクであれ」というものを作っています。オタクというのは特定の領域に深く傾倒し、知識を貪欲に求めていく専門家であり、他のオタクに対しても敬意を持ちつつも誰にも負けない強みを持ちましょうと。オタクサポート制度は、そのクレドの精神から定められた制度です。「好き」を目に見える形で支援していくようにしています。

ただ、何かを買って個人で楽しむだけでは面白くないので、期限を設けて買ったものをみんなに共有するルールを作っています。それはモノだけでなく体験でもよくて、フェイスブックグループを作ってそこに共有することで「あの人、こんなものが好きだったんだ!」という新たな側面を知ることができます。

――なるほど、社内コミュニケーションの契機になっているのですね。 

秋山 そうですね、例えば「こんな映画やっているからみんな一緒に行こうよ」とか。社内交流が活性化しましたね。90人にもなると、なかなか普段の仕事で接しない人も出てきますし、渋谷以外にも舞浜やアメリカ・オレゴン州ポートランドにオフィスがあったりしますので、なんとかそのあたりの壁を無くしたいなと思っていて。この他にも、1人1人の予算を持ち寄って一緒に何かを買ったりということもあります。金額はそんなに大きくないのですが、みんなにとってハッピーな制度になったかなと思っています。

オタクサポート制度活用で、買い物がブーストした

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堀木洋志
エンジニア
Tokyo Otaku Mode Inc. のWebサービス開発を担当
大阪府立大学工業高等専門学校卒業後、ソニーデジタルネットワークアプリケーションズ株式会社に入社。DLNA等のネットワーク関連の業務に携わる傍ら、プライベートでiPhoneアプリやNode.js を用いてWebサービスを構築する。2012年退職後、Tokyo Otaku Mode.Incに入社。プライベートで行なっていたNode.jsを用いたWebサービス開発を仕事にして日々開発を進めている。

――実際にオタクサポート制度を活用しているエンジニアの堀木さんにも同席いただきました。制度導入後、どのような変化がありましたか? 

堀木 洋志 (以下、堀木) 一言でいえば「モノを買うことにブーストがかかる」ということですね(笑)。

私自身が、最終的にオタクサポート制度の対象で購入したのはフィギュアです。ただ、他にもいろいろなものを買いました。例えば2月の導入時には『昭和元禄落語心中』というマンガ・アニメが社内で流行ったので、新宿末広亭にみんなで落語を観に行ったり、社内で筋トレ部があるので「タンパク質を取りに行こうよ」ということで六本木の筋肉食堂に行ったり。どちらも領収書を取るのを忘れていたので、サポート制度は使えなかったんですけど(笑)。

他にも「けものフレンズ」のブルーレイ1巻が出たので買ったり、社内DJの集まりがあるので曲をいろいろ買ったり、「ソードアートオンライン」の映画に弊社のクレジットが特別協力として入るのでみんなで観に行ったり……。

――「制度月間だから」ということで、明らかにアクティブになっているんですね(笑)。 

堀木 やっぱり使わないと勿体無いですから、みな何に使うか真剣に考えています。「何に使った?」なんて会話から、「じゃあ一緒に使おう」となったり、社内が活性化しましたね。

――見事な制度ですね、社内コミュニケーションを向上し、スキルアップにもつなげ、仕事へのモチベーションも高まる。1粒で3つ美味しい制度になっているんですね。
 
秋山 (遊びなりの)スケジュールが立つと、仕事へのモチベーションも変わりますからね。オタクな人って、クセは確かに強いんですが「好きなこと」に対する熱量もとても強い人たちなので、「好き」でつながると自ずと仲間意識が生まれ、助け合いができたりするんですよね。ドライな人間関係が増えている中で、オタクな人は一見ドライに見えてある接点からものすごくウェットになるんです。

「こうじゃなきゃいけない」を手放してほしい

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――伺っていると、いわゆるオタクの方々の長所をうまく引き出す制度になっていると思います。
 
秋山 それぞれオタクの定義はあって然るべきなのですが、それを否定するのは止めましょうということですね。肩の荷が下りるというか、面白そうなら飛び込もうという風になっていると思います。
 
堀木 「お前、それ好きだったんだ!」みたいなやり取りが生まれますね。

――この制度を推し進めていくと、いずれ世界が平和になりそうな気がします(笑)。今後、どのような人材に入社してほしいですか?
 
堀木 やっぱり周囲にポジティブな影響をもたらせる人でしょうか。周囲と重なる部分もありつつ、違う部分もあるといった。同じような人ばかりだと考えが偏るので、多様性を持った人に入ってきてほしいですね。もちろん、エンジニアとしてのスキルが高いことは前提ですが(笑)。

――最後に、若いマネジメント層の方に向けてメッセージを頂戴できますでしょうか。
 
秋山 ここ「こうじゃなきゃいけない」という思い込みを手放してほしい、ということでしょうか。弊社も手探りをしながら「きっとこれがいいんじゃないか」というのを探り探りして、何とかうまくいき始めた経緯があります。

30代でマネジメントをする、チームを率いるといってもその人にとっては初めての経験だと思います。急に能力が芽生えるわけではない。だから、失敗経験を学びとして成長していければいいと思います。全然当たり前の話だとは思うんですが、最初から「これが正しいマネジメントのやり方だ!」ということに振り回されないのが大事だと思います。

というのも、いま時代の変化はものすごく早いじゃないですか。新しいツールもたくさん出てきていますし、コミュニケーション方法もここ数年ですごく変化しています。いまの40代と30代、20代でも全然育ってきた環境、触れてきたものは違うはず。その中で、自分の経験はこうだからとやっても通用しないかなと。「わからない」という前提で、相手の反応や結果を見ながら良いものを取り入れていくスタンスのほうがうまく行きやすいのかなと思います。

――本日は貴重なお話を、ありがとうございました!

<了>

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