2017/05/29 公開

脅威の1,980万いいね! Tokyo Otaku Modeを加速させる「オタクサポート」制度とは?

気になる会社の気になる人事 その6

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「こうじゃなきゃいけない」という思い込みを手放してほしい

100万人より、5億人をターゲットにした

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秋山 卓哉
Tokyo Otaku Mode Inc. 共同創業者 執行役員 人事総務/広報担当
大学卒業後、ソニー株式会社に就職。広報としてトップメッセージや全社プロジェクトの社内広報、デジカメ等の商品広報、コーポレート広報業務に就く。シンガポールのアジア・パシフィック地域本社に駐在し、アジアを中心とした海外事業の広報も担当した。ソニー在職中、複数のベンチャー企業でボランティアとして活動。その中で代表の亀井智英と知り合い、2012年4月にTokyo Otaku Modeの創業に参加。現在はこれまで培ってきた広報業務に加え、人事総務などの責任者を務めている。

――FBページのいいね数1,980万、凄まじいの一言ですね! 改めて、貴社の立ち上げの経緯から伺えますでしょうか。 

秋山 卓哉 (以下、秋山) 最初は、2010年頃に仲間内で始めたサークル活動だったんです。当時はTwitterが隆盛し、日経ビジネスさんや週刊ダイヤモンドさんがtwitter特集を組んでいた頃です。そして翌2011年はFacebookが日本でも流行ると言われ、マーク・ザッカーバーグをモデルにした「ソーシャル・ネットワーク」という映画も公開されました。
 
そうした時代背景において、代表の亀井を中心に「Facebookを使って面白いことが出来ないか」と思って始めたのが発端です。当時すでに、Facebookユーザーは全世界で5億人。一方、日本人はせいぜい100万人程度でした。「100万人の日本人より、世界の5億人にターゲットを置くほうが面白いんじゃないか」と思いまして英語での情報発信を決めたんです。
 
そこで「日本人であるわれわれが、海外の人に興味を持ってもらえるものはなんだろう」と考え、相撲や日本食や伝統芸能などアイデアを絞った中から「秋葉原のオタクカルチャー」をテーマに決めました。

――なるほど、発足時点から海外を意識されていたのですね。なぜ秋葉原のオタクカルチャーに的を絞ったのでしょう? 

秋山 2つありまして、1つは継続的に情報発信する上では「簡単に情報が手に入るものじゃないと続けられない」ということ。もう一つは、情報をどんどん更新しないとユーザーが離れてしまうので、「新しいニュースがどんどん出てくるジャンルが望ましい」ということ。その2つの観点から、オタクカルチャーに絞りました。
 
アニメや漫画やゲームでいうと、漫画は毎週のように雑誌の新刊が出ますし、アニメも各クール20本から30本出ます。情報を取りやすく、新しいものが出やすく、海外の若い人にも人気があるジャンルだと思ったんです。それで、Tokyo Otaku ModeのFacebookページを立ち上げました。

――立ち上げてから、順調でしたか? 

秋山 それが、最初は全然伸びなかったんです。メディアが認知されていないので、毎日情報を投稿しても「いいね!」が全然つかなくて。「6カ月で10万いいね!取れなかったらやめよう」という話もしていました。実際、最初の1ヶ月は1,000いいね! も集まらなかったんです。
 
どこでブレークしたかは正直、ハッキリわかっていないんですよ。いろいろなことを並行して、手当たり次第にやっていたので(笑)。数撃ちゃ当たるではないですが、これもやろうあれもやろうでやっていて。
 
ただ、一つ効果があったと思うのは、FBのファンページにTokyo Otaku Modeのアカウントで書き込みを行ったことですね。作品のファンが交流するページがたくさんあったので、そこにTokyo Otaku Modeのアカウントで関連情報を書き込みまくったんです。
 
ときにはページ管理者の方から「宣伝行為を慎むように」という警告を受けたりもしたんですが(汗)、そんな形で認知を高めようと努力をし、1日1個は新しいニュースを出していきました。結果、アーカイブされたニュース含め認知が徐々に高まっていったと思います。

あと、今では当たり前ですが、当時は写真を掲載するととても喜ばれまして。東京の街のあらゆるところにアニメキャラが使われていますから、それを日本の風景として写真を撮って掲載していました。それから、コスプレイヤーの方々の写真をイベントで撮影し、まとめてアップするといいね!がすごく集まりました。試行錯誤を積み重ねるうちにコツをつかんで、加速度的にいいね! 数が増えました。

最初からマーケットしか見なかったことが功を奏した

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――現在の社員規模は、どれぐらいでしょう? 

秋山 アルバイトも含めると90人ぐらいです。外国籍はそのうち20%程度、社内の公用語は日本語と英語で、外部への情報発信は英語が主です。

――そうなると、社員の方に求められるスペックは高そうですね。英語ができ、オタク情報に深い知見があり、というと。 

秋山 そうですね、弊社に集まる人は大きく分けて3つの特徴があって、1つはオタク気質、2つ目がベンチャー気質、3つ目は海外志向です。オタクで海外志向、ベンチャー気質で海外志向、もしくは全部を持っているという人が多いですね。最近は特に名前のインパクトもあり、自分の好きな分野を持つ海外の人たちが集まってきています。
 
弊社はスタートアップなので、色々と厳しい部分があります。仕事環境にしても、仕事量が多かったりなんでもやらなきゃいけなかったり。待遇がすごく良いわけでもなく(苦笑)、踏ん張れる何かがないと乗り越えるのはきついと思うんです。
 
例えば「自分が好きなものを扱っている」とか「こういう環境をあえて望んだ」という部分がないと、すぐ辞めてしまうと思うんですね。上記3つの気質にマッチしたほうが、長く一緒に働けると思います。

――現在、社内ではどういう方が活躍されていらっしゃいますか? 

秋山 環境を楽しめる人ですね。アニメ好きなメンバーは何人もいますが、彼らにとっては好きな作品・ジャンルを扱っているメーカーさん、版元さんと仕事ができるのはある意味夢のような環境です。仕事自体は泥臭くてきついけど、そういう環境を楽しめる人が活躍していると思います。

あとは、使命感のある人でしょうか。外国人の社員は海外で日本のアニメに触れ、好きが高じて、東京で働いているという人が何人もいます。彼らから聞くのは「日本のアニメは本当に素晴らしいのに、周囲で知っている人がほとんどいない」「だから自分たちが広めるんだ」というスタンスです。ニュース1本を翻訳するにしても、どう翻訳すれば海外の人に興味を持ってもらえるのか。常に工夫しながら仕事をしてくれています。

あと実は、創業メンバーにはオタク気質な人間がいなかったんですよ。

――えっ、そうなんですね! 

秋山 だから、海外の人に何がウケるのかわからなくて。今にして思えば、だからこそ良かったのかなと思います。海外の人の反応だけを見ながら、微修正していけました。ニュースはたくさん出ていたので、いいね!やコメントの数が明らかに多いものを見て、投稿を選んでいったり。最初からマーケットインでやらざるを得なかったことが、結果として良かったと思います。

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