田中泰延 他人には構わない。自分の不機嫌をどんどん削って生きていく【後編】

失敗ヒーロー!

2020/03/18
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華々しい成功の裏には、失敗や挫折がある。その失敗エピソードから成功の秘訣をヒモ解く『失敗ヒーロー!』。前編に引き続き、自身初の著書『読みたいことを、書けばいい。 人生が変わるシンプルな文章術』が16万部を超えるヒットとなった、田中泰延さんが登場。ライターゼミの講師も務める田中さんですが、そもそも彼にとって、書くとはどのような行為なのか。改めて“読みたいことを書く”ことの意味をヒモ解くと、不機嫌を嫌う田中さんこその人生論が明らかに!

失敗とは、「こんなはずじゃなかった」と思い続けること

――前編では、他人の都合に呑み込まれる怖さについて、お話しいただきました。後編ではまず、「成功」と「失敗」の定義について聞かせてください。田中さんはご自身の著書に、言葉を定義することの重要性を書かれています。

田中泰延(たなか・ひろのぶ)
1969年大阪生まれ。早稲田大学第二文学部卒。1993年に株式会社 電通入社、コピーライター/CMプランナーとして勤務。2016年の退職後からは“青年失業家”を自称し、ライターとして活動を始める。2019年6月、初の著書『読みたいことを、書けばいい。』を上梓。ツイッターアカウント:@hironobutnk

田中泰延(以下、田中):僕の成功の定義は、はっきりしています。機嫌良く生きることですよ。反対に失敗の定義は、思ったように生きられないことだと思いますね。「こんなはずじゃなかった」という気持ちを抱えたままでは、どうしても不機嫌になるじゃないですか。ただね、100億円の投資をして、200億円の赤字を出すのは、失敗じゃないんです。莫大な借金を背負うリスクも勘案して、それでも将来のために資金を投じるのが投資ですから。そこで借金を背負ったとしても、失敗じゃないんです。

ところが不機嫌の要因を解き明かそうともせず、「こんなはずじゃなかった」と薄ぼんやり思いながら生きるのはしんどい。不機嫌の要因がわからない以上、排除することもできません。ずっと不機嫌のままですよ。

――すると不機嫌を避けながら生きてきた田中さんには、失敗の経験はない?

田中:僕は松坂桃李的なサムシングであるはずなのに、どうして痩せないのか。自分の写真を見るたびに「こんなはずじゃなかった」と思いますよ(笑)。まぁ、それは原因がはっきりわかるからいいんです。食い過ぎですわ。いや、でも、改めて失敗を語るって、難しいですね。僕は毎日楽しく生きているから、よくわからないんですよ。身体を壊して入院した時は、「こんなはずじゃなかった」と思いましたよ。それでも今は、あの時の経験が生きているから。入院のエピソードなんて、嬉々として話せますからね。常に今が良ければ失敗じゃない。そういう意味ではやっぱり、「こんなはずじゃなかった」と思いながら生きることが、失敗なんだと思いますね。

自己価値の低さを認めて、気楽に生きればいい

――そうした思いを抱えながら生きている人は、少なくないように思います。夢や希望を抱いて入った会社で、やり甲斐を見つけられない。「こんなはずじゃなかった」というように。

田中:それはね、自分はそこそこの価値がある人間だと、そう思っているからですよ。でも、そんなことはない。そもそも会社員というのは、組織で働きますよね。会社員とは数の論理に支えられた、交換可能な人間なんです。毎月、かならず給料をもらえて、本来であれば休みも確保されていて、気楽じゃないですか。会社の面接を受けて入社している以上、交換可能な人間であることを了承して、気楽な道を選択しているんですよ。

僕が電通に入社したのも同じこと。社会人としての生き方を考える段階で、僕は気楽な道を選んだんです。何もないところから何かを生み出せるほどの価値は、自分にはない。会社員を選んだ時点で、自分の価値の低さを認めたのも同然じゃないですか。もしも今、何かを生み出せる自信があるなら、その道に進めばいい。それが難しいと感じるなら、自分に価値があるなんて考えは捨てましょうよ。そのほうが、絶対にしんどくない。

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