【前編】「自分のしたいことを思い描ける人ほど、失敗から学ぶ」為末大(Deportare Partners代表)

失敗ヒーロー!

2018/07/10
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華々しい成功の裏には、失敗や挫折がある。その失敗エピソードから成功の秘訣をヒモ解く『失敗ヒーロー!』。今回ご登場いただくのは、元陸上競技選手で400メートルハードル日本記録保持者の為末大さん。現在はSports ×Technologyに関するプロジェクトを行うDeportare Partnersの代表を務める経営者でもあります。またツイッターやブログでの発信も注目され、「走る哲学者」との異名もお持ちです。そんな為末さんの“失敗”遍歴や、勝負への哲学をたっぷり伺いました。

ハードルへの転向は片道切符。ニッチな選択だとしても、「一番」になりたかった

――まずはどうして陸上競技に、そしてハードルという種目に行き着いたのかを伺いたいです。

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為末大(ためすえ・だい)
1978年広島県生まれ。スプリント種目の世界大会で日本人として初めてメダルを獲得。3度のオリンピックに出場。男子400メートルハードルの日本記録保持者(2018年5月現在)。現在はSports ×Technologyに関するプロジェクトを行うDeportare Partnersの代表を務める。新豊洲Brilliaランニングスタジアム館長。主な著書に、『走る哲学』(扶桑社、2012年)、『諦める力』(プレジデント社、2013年)などがある。

為末大(以下為末):スポーツの世界では、競技の選択はとても早いんです。陸上なら6、7歳、卓球にいたっては3歳と言われます。だから自分で選んだのではなく、どの選手も最初は親がやらせているんです。僕はたまたま幼稚園の頃から足が速くて、近所に陸上クラブがあったのが大きいですね。その後、伸び悩んで海外に行き、すごい選手を見たときに、100メートルではとても勝てない、ちゃんと勝負できる場所を選択しようと思ってハードルに転向しました。とにかく「一番」になりたかったというのが大きいですね。

――転向の際に葛藤はありませんでしたか?

為末:100メートルからハードルへは、片道切符なんですよ。どんな業界でも、真ん中とそうではない場所ってありますよね。100メートルはいわゆる「真ん中」。真ん中から外れるという選択に、恐さを感じたのは確かです。

――それでも、真ん中ではない場所への意気込みはきっとありましたよね。

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為末:好きなこと、または主流だけど勝率の低い勝負と、ニッチだけど世界で活躍できるかもしれない勝負があったとして、自分が選ぶなら後者じゃないかと思いました。誰も見向きもしない領域を、こう取り上げるとおもしろいよねと提案するほうが燃えるし、自分も生きやすいと思えたんです。この選択は自分の人生に大きく影響を与えていると思いますね。

――もし100メートルを続けていたら……というのは考えないですか?

為末:日本代表にはなっていなかったと思います。様々な競技の中でも、陸上の100メートルが一番厳しいと思っているところですし。ただ、可能性はなくはなかったかもしれないですし、常に「もしあのままやっていたら」という考えは、僕のように変えグセのある人間にとっては悩みのタネではあります。がんばって続けて成功した選手にも会いますので(笑)。

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