高木新平/NEWPEACE代表 僕らが仕掛ける”多様性爆発”の時代【後編】

逆境ヒーロー!

2019/04/17
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成功の裏には、逆境が隠されている。そんな逆境をはねのけ活躍する“インディペンデントな人たち”の成功の秘訣に迫る『逆境ヒーロー!』。自分がやりたいこと・やるべきことを見つけていく秘訣をお話しいただいた前編に続き、後編では高木さんが考えるNEWPEACEらしさ、そして社会をアップデートするために私たちがするべきことについて伺っていきます。

「マーケット」より「社会」をどう変えていきたいか

――前編では「考えるよりも行動から得た情報が大切だ」というお話がとても印象的でした。常にアクションを起こし続ける高木さんにとっても、「起業」という挑戦にはやはり苦労はあったのでしょうか?

高木新平(たかぎ・しんぺい)
Vision Architect / NEWPEACE CEO 大学卒業後、(株)博報堂に入社。SNSなどを活用した統合クリエイティブに携わった後、独立。「よるヒルズ」「リバ邸」などコンセプト型シェアハウスを全国各地に立ち上げ、シェアハウスブームを牽引する。また、ネット選挙運動解禁を実現した「ONE VOICE CAMPAIGN」を主導、2014年の東京都知事選でネットをフル活用した選挙戦をプロデュースする。 2015年4月 VISIONING COMPANY「NEWPEACE」を創業。社会文脈を起点としたビジョン作りを武器として、2025年までに50個のビジョンを打ち出すことを掲げる。自動運転、シェアリングエコノミー、クラウドホーム、フィンテック、D2C、卓球日本代表など、新たな潮流を仕掛け続けている。ベンチャーキャピタル「NOW」、イノベーション政策共同体「Public Meets Innovation」理事も務める。

高木新平(以下、高木):シェアハウスもそうだけど、僕は仲間運に恵まれていて、いいメンバーを集めるのは得意なんですよ。でもこれまでは、シェアハウスや選挙のような短期プロジェクトしか動かしたことがなかった。プロジェクトには明確な目的があって、基本的に期間限定でゴールに到達できれば終了。そのプロジェクトの内容が面白くて、インパクトがあれば人は集まってきます。でも、会社はそのテンションだけではきっと上手くいかないですよね。

これまでは「短距離」しか走ってこなかったけど、今度は「マラソン」を走る必要があった。マラソンをどう走るべきかまだ答えは出ていないですが、自分がやりたいのは、日本に新しいビジョンを作り、社会のあり方をアップデートすることだと、だんだんとクリアになってきましたね。そこでマーケティング用語である「ブランディング」に対抗して、「VISIONING(ビジョニング)」という概念を作り出しました。つまり、新しいVISIONを描いて、それをアクションにして世の中に変化を働きかけていく(ING)ということです。

「このマーケットはイケそうだから」といった理由よりは、「こういう社会を実現していきたいよね」という視点から物事を考えていきます。それが僕らNEWPEACEらしさだと思うし、僕らの仕事のスタート地点はいつもそこにあります。

会社外でのインプットがないやつは面白くない

――高木さんといえば、自身のブログで「土日は仕事をしない」と宣言したことが印象的です。経営者の方はとてもお忙しいイメージがありますが、ご家族と関わる時間をしっかりと担保していくというのは、現代のビジネスパーソンとして理想的な働き方ですよね。

高木:今、4歳と1歳の子どもがいて、さらにこの夏に3人目が生まれます。平日の帰宅は遅いですが、朝7時には起きて、絵本を5冊ほど子どもたちに読んで、着替えさせて、ごはん食べさせて、上の子を幼稚園に送ってから会社に来ています。幼稚園は理念で選んだので、家や会社からめっちゃ遠いんですよ。だから朝から1時間も自転車をこいでます。僕はパソコンを持ち帰らないようにしているので、土日はフルで家族と過ごしてます。トイレでスマホいじってますけどね(笑)。僕のiPhone、嫁と子どもに「うんフォン(うんこ臭いiPhoneの略)」って呼ばれてるんですよ。トイレで本当にバレない短時間でやる。だからフリック入力が死ぬほど速いです(笑)。

――バレない短時間でやるのがコツなのですね(笑)。男性の家庭参画を会社でも推奨されているのですか?

高木:「早く帰ったほうがいいよ」とは言ってますね。外でのインプットがないやつって面白くないじゃないですか。だから、早く帰ったほうがいい。遅くなってしまうのは、無駄な仕事をたくさん抱えているってことです。うちはミーティングもすごい短いですし、クライアントでも決裁者の出ないミーティングには参加しません。決裁者がいないと結局決まらないから、時間の無駄なんです。クライアントの決定を待っている時間って意外と何もできなくて、一番無駄じゃないですか。短い時間で集中して働いて、帰って家族と過ごしたり、趣味に時間を使ったりしたほうが全然いいと思います。各メンバーの会社外でのインプットが多くて初めて、会社に多様性は生まれますから。

――無駄な仕事を減らすことで、外でインプットできる時間を捻出しているのですね。

高木:そうですね。子どもができた影響はやっぱり大きいかもしれないです。基本はずっと仕事をしていたい人間なんですよ。でも子どもができて、人間らしい生活にシフトしていったのかなと。最初、女性社員は1人だけだったんですが、気がついたら今は20人中半分が女性なので、少しずつ働きやすい環境は整ってきているのかもしれません。

――高木さんはご自身をどんなタイプの経営者だと思いますか?

高木:僕はみんなをまとめるということが苦手なタイプです。どんどん先頭を走ってしまって、立ち止まりたい人の気持ちがわからないというのが課題でした。でもシェアハウスを一緒にやっていた時の仲間が1年前から経営に入ってくれたおかげで、マネジメントや評価など組織をまとめる側を全部担当してくれてるんです。「NEWPEACEの母」って呼ばれてますね。僕は自社事業を0から0.5ぐらいまでしか作らないんです。1にも満たない。最初にビジョンとチームを作って、プロトタイプを作る。本でいうと「はじめに」だけを書いている感じです(笑)。その後は他の人に任せて、僕は次の新しいことに手を出していくんです。

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