2018/03/13 公開

障がい者と健常者が「働く」ときに必要なもの

「働く」を考える。

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障がいについてどんなふうに考えていますか? たとえば、障がい者を感動的に演出する日本テレビの『24時間テレビ 愛は地球を救う』を感動ポルノだという批判がある一方で、NHK Eテレの障がい者バラエティ番組『バリバラ』が、障がいを笑いに変えています。そしてそれは不謹慎ではないのかという意見も。このように障がいに対する意見も考え方も、一昔前と比べればとても多様化しています。

2020年東京オリンピック・パラリンピックを控え、2018年4月1日から、民間企業の障がい者雇用率が2.0%から2.2%へ引き上げになります。そんななか、私たちはどう障がい者と向きあっていけばいいのでしょうか。

そこで今回は、障がいを持つ女子のためのファッション情報誌「Co-Co Life☆女子部」編集長の元山文菜さんに話を聞きました。聞き手は、視覚障がい者によるテープ起こし事業「ブラインドライターズ」を運営するライター・和久井香菜子が担当します。

○インタビュアー・ライター
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和久井香菜子(わくい・かなこ)
フリーランスの編集・ライター。「Co-Co Life☆女子部」の編集に誘われたことから、障がい女子と関わるようになる。自分の取材音源をテキストに起こしてもらったことをきっかけに視覚障がい者によるテープ起こし事業「ブラインドライターズ」を立ち上げる。ライター1名から始まったが、2年足らずで総勢11名にまで発展。今年中の法人成りを予定している。

○インタビュイー
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元山 文菜(もとやま・あやな)
24歳のときに、股関節の疾患により中途障がい者となる。同じような当事者の女性を元気づけたいという思いから、「Co-Co Life☆女子部」編集長を務める。本業では、大学卒業後(株)サクラクレパス入社。2008年に富士通(株)に転職。2017年に退職し独立、起業。業務コンサルタントとして、効率化や生産性向上に向けたITソリューションの導入支援などを実施。プライベートでは5歳の娘を持つワーキングマザー。

Co-Co Life☆女子部

株式会社リビカル

24時間テレビもバリバラも、どっちもあっていい。どっちがダメという考え方はもう古い

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『24時間テレビ』や『バリバラ』など、障がい者を扱うテレビ番組に対し、配慮が足りないという意見をよく耳にしますが、こういった番組で障がい者を取り上げることについてどのように感じていますか?

motoyama

『24時間テレビ』も『バリバラ』も、どちらもあっていいと思います。私の知り合いにも24時間テレビに出演している人がいますし『バリバラ』にも多くの『Co-Co Life☆女子部』のモデルが出演しています。確かに、わざわざ障がい者をポルノに仕立てるのもおかしいし、笑いにするのもおかしい。私たちはただ存在しているだけなんです。一方で障がい者ポルノがおかしいと言われることで、活躍の場を失って消えてしまう人も実際にいるんです。当人が選んで、自主性を持ってやっている人も多いので、どっちがダメと言うような意見はちょっと古いかなという感覚はあります。

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まず『24時間テレビ』があり、そして『バリバラ』ができました。次は、なんの説明や前触れもなく、自然に障がい者が社会に溶け込んでいるドラマや番組ができることがステップだと思っています。「意識をしない」ことが本当のバリアフリーだと思うので。そうした「盛り上がり」に注目すると、障がい者スポーツが注目されていますね。私が取材を始めた3年前と比べても、はるかに注目度が上がったと感じます。
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そうですね。最近、プライベートでブラインドサッカーを見に行きましたが、選手同士が激しくぶつかり合ったり、めちゃくちゃ興奮しました。
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パラスポーツは、見るのとやるのではまったく違うので、機会があったら試してみるのもいいかもしれないですね。実際に車いすテニスをやってみたら、私が知っているテニスとは基本からしてあまりに違うので衝撃でした。今はパラリンピアンバブルと言われていて、そういう流れのなかで「障がい者の人たちは『自分もスポーツがしたかった』と憧れるんじゃないか」という意見を聞いたことがありますが、実際はどうですか?
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私は股関節の角度が小さくて、激しい運動や走ったり重い荷物を持ったりということができません。だけど私の場合は、スポーツは日常生活に関わることではないので、同じ障がい者で、スポーツをしている人を見て羨ましいとは思わないですね。

でも健常者の人に対して「走れていいな」とは思います。逆に同じ環境にある人同士ではマウンティングが起こるんですよ。同じ障がいを持つ人で集まると、障害の重さ自慢になったり(笑)。

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車いすの子同士で食事に行くと、障がいの軽い子が自分より重い障がいのある子に「やってあげようか」なんて言って手を出したがるというのも聞きますね。
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一方で「誰かに支えてもらうのが当たり前」と思っている人もいる気がします。仕事の話ですが「早く帰りたかったのに、遅くまで仕事をさせられた」「体調が悪いのに、働かされた」と言っている子がいます。もちろん、会社側も気をつけなければいけないことですが、まずは自分自身が自分の能力や体力を可視化して、きちんと伝えることが大切だと思っています。
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周囲の人は「(当事者が)どんなことができて、何ができないのか」まったくわからないですものね。何を聞いたらいいのかもわからないから、腫れ物を扱うようになる、という意見も聞いたことがあります。私は「Co-Co Life☆女子部」に関わり始めた当初、「車いすでは何センチくらいまでなら段差を乗り越えられるの?」とか本当に小さなこともたくさん聞きました。みんな丁寧に教えてくれましたよ。
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自分のことを知ろうとしてくれると思ったら、それは嬉しいですから、いくら聞かれても構わないと思います。でもひとくちに障がい者といってもさまざまです。たとえば事故に遭った直後の人は、あれこれ聞かれるのは辛いでしょう。逆に障がいをウリにしている人もいます。身体的特徴と同じですよ。薄毛や身長の低さをウリにしている人もいますが、コンプレックスになって隠しておきたい人もいますよね。
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