経営者は搾取している!? フリーランスと経営者、それぞれの生き方

マネたま新幹線

2019/06/19
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自由なフリーランスと搾取する経営者

編集部 : アシシさんと柳橋さんは、ほんと対照的ですね。経営者とフリーランスって違いももちろんありますが。
村上アシシ(以下、アシシ) : 経営者になりたいって発想がすごいなって思うんだよね。コンサルを20年もやってると、経営者ってみんな洗脳と搾取をする人ってイメージがついてくる。
柳橋仁機(以下、柳橋) : お前、社会主義者か(笑)!?
アシシ : だって経営者ってさ、当然リスクを負ってはいるけど、儲けた時はその利益を総取りするポジションにいるわけじゃん。ある程度、社員を感化しないとやっていけないよね。一方で、そういう色んな企業の仕組みを裏から見てると、会社員は安定と引き換えに失ってるものが多すぎると正直思う。俺は個人の幸せを考えて、フリーランスをやってるところもある。自分で稼いだ分をそのまま、会社に搾取されずに報酬としてもらえるわけだから。

村上アシシ(むらかみ・あしし)
1977年札幌生まれ。2000年に新卒でアクセンチュアに入社。2006年に退社し、ビジネスコンサルタントとして独立して以降、「半年仕事・半年旅人」という独自のライフスタイルを継続中。サッカー日本代表を追いかけて世界中を旅し、応援するだけではなく、現地からの情報発信も積極的に行うサポーター。南アフリカW杯では、出場32カ国を歴訪する「世界一蹴の旅」を完遂し、同名の書籍を出版。2017年にはビジネス書『半年だけ働く。』を上梓。Jリーグでは北海道コンサドーレ札幌のサポーター兼個人スポンサー。2016年以降、サポーターに対するサポート活動で生計を立てているため、「プロサポーター」を名乗っている。

柳橋 : でも、お前みたいな能力と人脈を持つ人はそれでいいかもしれないけど、一般的な人はそんな能力を持っていないじゃん。
アシシ : 最近は、人脈のない人のためにプロジェクトを紹介してくれるエージェントがたくさん出てきてる。ここ数年、フリーランスが生きやすい社会のインフラがものすごい勢いで整備されてきてるんだ。とはいえ、誰もが独立できるかっていうとそうではなくて、それなりにサラリーマン時代にスキルを身に付けた人じゃないと厳しいかな。
柳橋 : そういう意味でいうとアシシは夢のある存在だと思うよ。組織とかブランドとかにも属さなくても食っていけるっていうのはそれだけですごく自由だからね。アシシの人気の秘訣はそこなんじゃないの?
アシシ : いや、どう考えても上場企業の社長の方が夢のある存在でしょ(笑)。

コンサドーレは“北海道”を代表している

編集部 : お二人は愛郷心はあるんですか?
柳橋 : 俺はそんなに愛郷心を感じていないかな。東京が楽しいって気持ちが今は強いよ。
アシシ : 俺はあるんだよなぁ。いつか北海道に戻りたいもん。
柳橋 : でもアシシの言う北海道って札幌のことでしょ? 俺は釧路だもん。札幌と釧路だと全然違うんだよね。部活でバスケをやってたんだけど、全道選手権とかになると、札幌の高校と当たるの。そうすると対戦相手に「魚くせえんだよ、こっちくんな!」とかひどいこと言われるの。もう、屈辱(笑)。

柳橋仁機(やなぎはし・ひろき)
株式会社カオナビ代表取締役社長。1975年生まれ。2000年3月、東京理科大学大学院基礎工学研究科電子応用工学専攻修了。大学院修了後、アクセンチュアに入社し、業務基盤の整備や大規模データベースシステムの開発業務に従事。2002年アイスタイルに入社。事業企画を担当したのち、人事部門責任者として人材開発や制度構築、管理体制の整備などに従事する。2008年に株式会社カオナビを創業し、2012年に顔写真を切り口とした人材マネジメントツール『カオナビ』をクラウドサービスとして提供を開始。2019年3月に株式会社カオナビはマザーズ上場。

アシシ : たしかに札幌とその他の地域には、ちょっとした軋轢があるかもね。だから、コンサドーレって3年前にクラブ名を「コンサドーレ札幌」から、「北海道コンサドーレ札幌」に変えたんだよね。Jリーグができた時はルール上、チーム名は市町村名で作らなきゃいけなかった。そのルールが緩和されたから、コンサドーレは北海道を頭につけたんだ。「コンサドーレ札幌」のままだと、釧路とか帯広の企業がどうせ札幌のチームでしょ、うちらは関係ないからって、スポンサーしてくれなかったの。でも、コンサドーレのホームタウンは北海道全域です! と宣言することで、その流れを変えようと今しているところ。コンサドーレが北海道全体を盛り上げていければいいんだけど。

炎上するなら問題提起型を狙え

編集部 : アシシさんは「村上アシシ」というブランドを作ることに成功しました。だけど、一方で炎上とは切り離せないところがあると思います。炎上をうまくコントロールするにはどうしたら良いのでしょうか。
アシシ : 最初に断っておくと俺、もう炎上芸人は卒業したんですよ。数年前までは炎上上等で時には激しい論調でコラム書いたりしてたけど、もう40過ぎていい大人になったんで、最近はおとなしくしてるよ。ここ2~3年、全然炎上してないし。
編集部 : とはいえ、インフルエンサーになりたい人には、炎上を通じて知名度を上げたいって欲望もあるじゃないですか。
アシシ : 炎上にも2パターンあって、本人が法律やモラルに反する問題発言をして自ら炎上するタイプと、何かしらの問題を提起して、賛否両論の議論を巻き起こすタイプがある。前者はデメリットしかない。後者は答えがないものをみんなで議論しようって先陣切って物申すわけで、ポジティブな面もあるから俺はアリだと思う。それと、俺が最近学んだのはサッカーファンの大半が共感してくれるような時事ネタなら、燃え盛るような激しい論調でコラムを書いたとしても、問題ないってこと。たとえ1%のアンチが反論してきても、その他99%の人たちが賛同してくれたら、それは炎上とは言わないのよ。例えば去年、ハリルホジッチ監督がワールドカップ直前に解任されたじゃん。あの時、日本サッカー協会の対応が理不尽すぎると糾弾するコラムを書いたら、サッカーファンの99%が賛同してくれて、ちょっとしたお祭り騒ぎになった。炎上というよりもバズらせ方のテクニックなんだけど、ショッキングな時事ネタに対して、多数派が味方についてくれるような論調で、その問題が起きた数時間後に論破不能のロジカルなコラムをあげると、確実にバズる。
編集部 : 速度も大事なんですね。
アシシ : そうだね。バズる観点でいうと、速報性も重要。あの時、自分はハリルホジッチの会見でサポーターとして質問させてもらったんだ。一部から「会見の時間を無駄にするな」という批判もあったけど、多くのサポーターから「感動した」とか「ハリルに感謝の意を伝えてくれてありがとう」とか、ポジティブな反応をもらったんだよね。あの会見で勇気を持って質問して、本当に良かったなと思ってる。

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