2017/01/10 公開

起業家と投資家の“二刀流”でフォーブス6位。柴田泰成のスタートアップ創業術

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IPOもいいけど、もっとM&Aが増えてほしい

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――投資を行なう上で、基準となる指標はありますか?

柴田 基本的に自分で立ち上げたり、共同で創業したりする形をとっているので、自分の得意な領域が基準になってくると思います。「googleのアルゴリズムがこうだから」「Facebookがこうなっているから」とか、自分がプレイヤーだからこそわかる具体的なレベルで解決策を見出し、ビジネスモデルを組み立てていくイメージです。 

――ということはある意味、ご自身の分身を作っていくようなものなのですね。柴田さんの得意領域を基準に投資・起業されていくというのは。

柴田 そうですね。自分がやっていて理解できる領域じゃないと、怖くて投資できないんですよ。私自身も事業を作っているという感覚が強いので。
 
――なるほど。イグジットを目指すにあたって、IPO(株式公開)とM&A(合併買収)という選択肢があると思いますが、どちらを重視されておられますか?

柴田 個人的には、もっとM&Aを増やさないとスタートアップ界隈が活性化しないかなと思います。

――それは、IPOがある種目的化した企業が多いという部分もあるのでしょうか?

柴田 そういうことではないんですけどね。投資家として、どちらかを確実に狙うのは必要最低限です。M&Aにこだわっているわけではもちろんないですよ。ただ、M&Aをもっと増やさないと、大企業とスタートアップの文化が遠いままだなと。現在、アメリカではイグジットの9割がM&A、日本では逆にM&Aが1割だと言われています。
 
――米日で割合がきれいに逆転しているんですね。

柴田 日本でのM&Aの割合が増えれば、起業する人も増えるだろうし、大企業との接点も近くなってスタートアップ界隈が活性化します。その媒介になりたい、という思いは強いです。 

――両者の橋渡しをしたいと。

柴田 どういう大企業がどういうスタートアップと一緒になったらうまくいくのか、その方程式は作っていきたいですね。サムライトを朝日新聞社に売却し、一緒にやっていく中でいろいろな部分が見えてきています。そこで得た経験を還元していくのは、非常に重要だと思います。

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なぜコンテンツマーケティングの会社を立ち上げたのか

――これまでのお話を敷衍すると、コンテンツマーケティングの会社であるサムライト社をなぜ立ち上げられたのかも理解できた気がします。

柴田 やはり、その時点で自分が一番詳しく知っている分野だったので。リクルート時代にSEO的な部分を、楽天時代にアドネットワーク的な部分とを新規事業立ち上げとして経験しました。その両方が交差する未来が見えたので、起業したイメージですね。オウンドメディアの運営支援だけでなく、作ったコンテンツをアドネットワークに載せて拡散していくスタイルが定着すると信じて始めました。

――当初の見通しに対し、現状はいかがですか?

柴田 オウンドメディアは想定通り伸びましたが、アドネットワークは競合も多く想定ほどには成果が出ていない部分があります。ただ、大枠の世界観に関しては当たっているかなと。「広告を情報に変える」というミッションの元に起業したのも、今までの広告の在り方が良くないと思っていたからです。

――広告の良くない部分とは、やはり無駄なタップを誘うようなバナー広告などでしょうか?

柴田 そうです。効率性を重視するあまり、ユーザーのためになっていない広告が多すぎます。新しい手法を開発しないと、WEB広告は今後も刈り取りの場としてしか機能しないと思っていました。 

「コンテンツマーケティングで勝負しよう」と思ったのは、SEO的な要素もあるしブランディング的な要素もあり、いろいろなことを解決できる可能性を感じたからです。ただ、このジャンルはまだ答えが出ていない分野だと思います。未完成であり、未成熟であり、それゆえ面白い。そんな領域だと思います。コンテンツは記事だけでなく動画、LIVE中継、VR、いろいろな方向に可能性がありますし、そういう見通しでそれぞれの分野の会社も立ち上げています。

――ある意味、柴田さんについていけばWEB業界の近未来が見えるわけですね。

柴田 いやいや。ただ、先を見据えて動いていくことが大事だと思います。狙いを定めて先手を打ち、外れたらすぐ軌道修正する。その繰り返しだと思います。

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マネたま編集部
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