【前編】「第一志望は叶わなかった」・サッシャ

失敗ヒーロー! 第一回(前編)

2017/01/26
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願書提出の前日に舞い込んだ、VJの合格通知

――その応募が、キャリアスタートのきっかけに?

サッシャ 応募に必要だったのが、いわゆる履歴書的な書類と、自分自身を映したビデオ。当時、ビデオカメラを持っていなかったので、いとこに借りて撮影しましたね。当日、偶然にも大雪が降っていたので、「インパクトだけは絶大だろう」と、雪をバックに撮影して(笑)。 ありがたいことに2次審査に進み、カメラテストやら面接も受けましたが、以降、まったく音沙汰がない。こちらから問い合わせても「担当者が不在なので」と。この時点で応募から8か月ほど経っていて、すでに大学4年の夏。本格的にドイツの大学進学にシフトし、「明日には願書を出さねば」と思っていたときです。知らない番号からの電話をとると、「応募いただいたVJの件ですが、合格です。明日、事務所に来られますか?」と。

――願書提出の前日に合格通知の連絡とは、なんと運命的な! 当時、サッシャさんのどのようなキャラクターや経歴が評価されての抜擢だったと思いますか?

サッシャ 募集から合格通知までのあいだにMTVがなくなり、Vibeとして生まれ変わることが決定したという、会社的な事情もあったようです。会社の転換期にあってVJを育てることが難しく、しかしニュース担当だけは、新たに募集する必要があったと。そこで僕に白羽の矢を立てていただいたのですが、面接のときに「どんな番組がやりたいですか?」と質問され、「1つのアーティストを掘り下げ、ルーツを探るような番組がやりたい」と答えていたんです。ニュースを担当するには、取材や原稿執筆をすることも必要です。そこで僕の回答がフィットしたのではないでしょうか。MTVのVJというと、バイリンガルであることが前提。ほかの応募者の中にはインターナショナルスクールに通い、モデルもこなし、ノリもいいといった方たちが大勢いたかと思いますが、僕はただの大学生でした。もし、新たに人員が必要な枠がカウントダウン番組だったら、僕は採用されていなかったかもしれない(笑)。

VJデビューから2年で訪れた突然の“クビ宣告”

――そうした背景があるなか、声色やテンションなど、どのようなセルフイメージで挑まれたのでしょうか?

サッシャ いやいや! 当時はセルフイメージを考える余裕なんて、まったく! 合格通知から実際に画面に登場するまで、約3か月の研修期間がありましたが、その間は裏方として英文を訳したり、取材をしたり、原稿を書いたり。さらに画面に登場するにあたって100回以上の練習をしましたが、「それじゃダメ!」の連続です(苦笑)。 現場で挑戦する何もかもが新しく、何が分からないのかさえ、見えていない状況でしたね。

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――しかしVibeに初登場した3年後には、当初の憧れだったラジオDJとしての夢を叶えられています。

サッシャ そこに至るまでにも紆余曲折があり、Vibeというチャンネルが開局2年で終了。僕が担当していたニュース番組も自ずと終わることを告げられ、いわば“クビ宣告”ですよね。「いよいよ、ドイツの大学へ行くときか」と思ったのですが、取材現場でご一緒したラジオ制作の方にVibe終了のいきさつを話したところ、「もったいない!」と。その方の人脈からJ-WAVEの系列である、FM802のオーディションをご紹介いただいたんです。

セカンドチョイスが「今、一番の仕事」になる

――そこでついに、ラジオDJとしての夢が叶うと!

サッシャ それが悲しいことに不合格。2年間、番組を担当していたとはいえ、いまと比べれば下手の一言でしたから。再び、「やはりドイツの大学か」と思いましたが、同じラジオ制作の方の紹介でWOWOWのラジオ番組に出演させていただき、そこで食いつないでいる最中に「J-WAVEの番組で代演のDJが必要だから、やってみないか?」というお話が舞い込んできたんです。

――—いかに人脈が大切か、思い知らされるエピソードですね。

サッシャ まさに周囲の人たちに助けられ、いまの自分があると痛感します。同時に僕の経歴を振り返ってみると、あらためてファーストチョイスは叶っていないんだなと(笑) 。
ドイツの大学進学からラジオDJへとシフトし、しかしDJではなくVJとしてデビュー。ついに訪れた、ラジオDJのオーディションには不合格……。大きな転換点において、いつも第一志望が叶っていないという意味では、もしかすると僕の人生、失敗だらけなのかもしれない。けれど、ファーストチョイスを求めたときよりも肩の力を抜いて挑めた結果、チャンスをモノにできました。それが自然と一番やりたい仕事として、いま目の前にあるというのが、僕のキャリアの常という気がします。


後編では・・・

失敗ヒーロー!」第1弾の後編は、ラジオ番組を引っ張る存在としてサッシャさんが考えるマネジメントの極意を紐解きます!


【前編】「第一志望は叶わなかった」・サッシャ
【後編】「自分自身のキャラクターを見極め、最大限に生かす」・サッシャ


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