2017/01/26 公開

【前編】「第一志望は叶わなかった」・サッシャ

失敗ヒーロー! 第一回(前編)

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大きな転換点において、いつも第一志望が叶っていないという意味では、もしかすると僕の人生、失敗だらけなのかもしれない

エンタメに溢れた「米軍放送」に夢中だった

――ラジオDJとして、さらにナレーターやイベントの司会、実況に声優、と幅広くご活躍されているサッシャさんですが、どのような少年時代を過ごしていたのでしょう?

サッシャ 先日、『ローグワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のレッドカーペットイベントで司会を務めさせていただきましたが、僕の少年時代は、それこそ『スター・ウォーズ』ブームの真っ直中。僕も夢中になっていたし、当時、ドイツで流行していたBMXにも熱中していましたね。それにテレビといえば、米軍放送。僕が住んでいた時代のドイツって、敗戦の影響からチャンネルは国営放送の2つだけ。アニメも週2回程度だったのに対し、米軍放送では『マッハGoGoGo』や『宇宙戦艦ヤマト』の英語版まで放送していて、国営よりずっとエンターテインメントに富んでいたんです。

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サッシャ
1976年ドイツ・フランクフルト生まれ。獨協大学外国語学部在学中にVibe(現:MTV Japan)のニュースアンカーとしてキャリアをスタート。 2001年からJ-WAVE及びFM FUJIでラジオDJとして数多くの音楽番組を担当。 現在はラジオ番組だけではなく、スポーツ実況やイベントの司会、ナレーションなど幅広く活躍している。

――ということは、英語を身につけるベースとなったのも米軍放送だったと?

サッシャ ドイツ人の父と日本人の母が英語で会話をしていたので、英語に耳が慣れていたのと、夢中で観ていた米軍放送、その両方ですね。ドイツで暮らしている以上、ドイツ語は当たり前に身についたし、ドイツの学校に通いながら、週末には日本人学校補習校にも行っていました。そこで週に1回、日本教育としての国語と算数を学ぶ。だから日本語が話せるのはもちろん、やっぱり子どもって、母親から言葉を学ぶから、最初に覚えた言葉は日本語だったんじゃないかな。 

ファーストチョイスは「ドイツの大学へ進学」

――エンターテインメント、スポーツ、さらに日本語、ドイツ語、英語のトライリンガルと、いまのお仕事に通じる一端が見えてきますが、ラジオDJを目指したきっかけは、どのようなものでしたか?

サッシャ キャリアのスタートとなったのが1999年、大学在学中に始まったVibe(現:MTV Japan)のニュース番組です。この番組のニュースアンカーとしてデビューしましたが、誰もが進路を考える大学時代、第一志望として目指していたのは、まったく別の方向。ラジオDJという仕事は、いわばセカンドチョイスだったんです。 

――なんと! では、第一志望として目指していたのは……?

サッシャ ドイツの大学に進学するつもりでいました。小学4年生から生活の場が日本に移り、漠然と抱いていたのが、「ドイツと日本の架け橋になるような仕事がしたい」ということ。そのためにもドイツの大学で経営学を学ぼうと考えていましたが、その当時って、日本の小中高12年間に対し、ドイツの義務教育は13年間。日本の高校を卒業しただけでは、ドイツの大学に入学するだけの資格が得られなかった。そこで専門的な会話にもついていけるようドイツ語を学び直し、ドイツの大学へ入学資格を得るためにも、獨協大学のドイツ語学科に入学したんです。

突然の方向転換!ドイツ留学は「急がなくていい」

――そこまで考えていながら、どうしてドイツの大学に進まなかったのでしょう?

サッシャ いや、行く気満々でいましたよ(笑)。 ただ、みんなが就職活動を始める大学3年生になり、あらためて自分のしたいことに思いを巡らせたときに、「声に関する仕事がしたい」「ラジオを聞くのが好きだから、DJに挑戦してみたい」と。そこで当時、ずっと聞いていたJ-WAVEのホームページを見たところ、すぐにメールアドレスが見つかったんです。ならばとメールを送ってみたものの、返ってきたのは「現在、DJの募集は行っておりません。オーディションを行う際には番組内でアナウンスいたします」という、何とも素っ気ないお返事(笑)。 ほかにも思いつくラジオ局に片っ端からメールを送ってみましたが、どこからも同じような返答ばかりで。

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――ドイツの大学進学という進路があっただけに、そこでラジオDJへの挑戦は帳消しになりそうなものですが……。

サッシャ ドイツでは30代で大学に通う人が少なくないので、そこは大丈夫でした。徴兵制度があるため、戻ってきてから大学に進学する人もいれば、そもそもじっくり時間をかけて大学を卒業するというお国柄。僕自身、そんなに急ぐ必要はないと思っていた矢先、なんとなく観ていたMTVから「VJ(ビデオジョッキー)募集!」というアナウンスが聞こえてきて。そこで「これがラジオ局からのメールにあったオーディションか!」と、すかさず応募したんです。 

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