坂本美雨 最初に決めたルールは「自分のハッピーを最優先にすること」【後編】

失敗ヒーロー!

2019/09/19
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華々しい成功の裏には、失敗や挫折がある。その失敗エピソードから成功の秘訣をヒモ解く『失敗ヒーロー!』。前編に引き続き、ミュージシャン、ラジオパーソナリティとしても活躍する坂本美雨さんが登場。後編ではイラストエッセイストの犬山紙子さんらと立ち上げた「#こどものいのちはこどものもの」の活動や、坂本さんが考えるいいチームワークの作り方についてお話を伺います。

“怒り“と“不甲斐なさ”が児童虐待防止活動を続けるモチベーション

――坂本さんは2018年に起きた目黒女児虐待事件をきっかけに、犬山紙子さんらと「#こどものいのちはこどものもの」を立ち上げています。具体的にはどんな活動を行なっていますか?

坂本美雨(さかもと・みう)
1980年5月1日生まれ。東京都出身。9歳の時に両親が音楽活動の拠点をニューヨークに移したことをきっかけに家族で移り住み、10代をニューヨークの郊外で過ごす。1999年に映画「鉄道員」の主題歌、「鉄道員(TETSUDOIN)」をリリース。同年9月、フルアルバム「Dawn Pink」で本格的に音楽活動を開始。2015年第一子誕生。ソロ活動に加え、シンガーソングラーターのおおはた雄一氏とのユニット「おお雨(おおはた雄一+坂本美雨)」として多くの音楽フェス等に出演中。2018年より児童虐待防止活動「#こどものいのちはこどものもの」を開始。

坂本美雨(以下、坂本):最近だと、子どもを支援する団体や施設への資金を調達するため、『Readyfor』によるクラウドファンディング型寄付プロジェクト「こどもギフト」の第2弾を実施しました。この活動によって、1回目は5団体に、2回目は3団体に寄付することができたんです。他にも、児童支援施設などさまざまな現場を取材し、BuzzFeedといったネットメディアを通じて発信しています。

――活動を始めてから約1年が経ち、知名度は着実に上がっていますね。

坂本:私たちの活動は、大きな革命にはならないかもしれない。それでも、まずは子どもを取り巻く現状を多方面に知ってもらうことが大切です。行政と民間企業が行なっている児童虐待防止活動をみなさんに知ってもらう。逆に苦しんでいる子どもや保護者の現状、養護施設の現場を政府に伝えていくといったように、情報の橋渡しをしていきたい。私たちにはそれができると思っています。いろんな人に児童虐待の実情を知ってもらうことで、日本の社会を変えていけたらいいですね。

――目を背けたくなるような痛々しいニュースを耳にすることもあると思います。そんな時、坂本さんはどのようにモチベーションを維持していますか?

坂本:どんなに頑張っても虐待の件数が劇的に減っているわけではないので、「必要な人たちにちゃんと届いていないんだなあ」と、虚しさを感じることは正直ありますね。活動をするなかでモチベーションを保ち続けることが、本当に難しいです。私がこの活動に参加した理由は、目黒女児虐待事件の現場が近所だったから。近くのスーパーですれ違ったことがあるかもしれない。「そんな近くにいたのに気づけなかった、助けてあげることができなかった」という自分への怒りや不甲斐なさが、この活動を続けるモチベーションになっています。

子どもと離れることに罪悪感を持ってはいけない

――児童虐待のニュースが流れると、子育ての大変さから「人ごとではない」と感じるお母さんたちもいるかと思います。児童虐待を防ぐために、親自身ができることとは?

坂本:まず子どもと一緒にいることがツラいと感じたら、すぐに一旦子どもと離れてください。ストレスをリセットするには、この方法しかありません。家族や友人、ファミリーサポートなど、さまざまな人を頼って、少しでもいいので自分の時間、または友人との楽しい時間を持つことが大切です。子どもと離れることに罪悪感を持ってはいけません。

あとは、手助けを受け入れるマインドを持ってもらいたいです。子育ての悩みをひとりで抱え込んでしまうと、普通のことですら被害妄想でネガティブにとらえてしまうことが多いと思います。例えば電車に乗った時、ちらっと子どもを見られただけで「うるさいと思われたかも」って感じてしまうとか。実際はそんな風には思われていないですよね。本当に難しいことだとは思うんですけど、ネガティブなマインドを変えるようにしてほしい。手助けしたい人って意外と多いんですけど、受ける側のお母さんが心を閉ざしてしまうと小さなサポートですら成立しなくなってしまうので。

――なるほど。親以外の周囲の大人にもできることがあれば教えてください。

坂本:お節介するには一定の勇気が必要ですが、困っているお母さんがいたら声をかけていくしかない。私は電車で赤ちゃんがいたら微笑みかけるなど、お母さんの心がちょっとでもオープンになれそうなことをするようにしています。公共の場所で赤ちゃんを受け入れている雰囲気を出すだけでも、お母さんはホッとできますよね。

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