2015/11/25 公開

退職者面談で人事の力量がでる。退職者のグチから組織を改善するためのヒントを探し出せ!

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「私は会社の歯車の一つになりたくない。もっと新しいことがやりたい」とは優秀な社員の去り際のセリフとしては、最もベターなもの。デキる人間は頭が切れるだけに日々の業務や環境に疑問を感じやすく、離職率が高いというのもまた事実です。

戦力である社員の辞職は組織にとって大きな痛手でしょう。そうした局面で、組織の傷を最小限に抑えるために、どのような対応をすれば良いのか悩む人は多いはずです。

そこで今回は、社員が辞職の意を示した場合の対処法を、人事部長の経験を持つKさん、そしてベンチャー企業の取締役を勤めるIさんにお話を伺いました。引き留めるか、手放すか、反対の意見を主張するお二人のノウハウが参考になれば幸いです。

引き留めるのは労力の無駄!?むしろ退職者面談で組織の問題を洗い出せ

面談

-世の中では、「優秀な人間ほど辞めやすい」というジンクスが出回っているようですね。Kさんは人事部長の経験があると伺っていますが、仮に会社のエースのような存在の社員が辞めると言ってきた場合にどうしますか。

K:考え方によるでしょうが、私は基本的に引き留めません。その人間が辞めると言っている時点で、彼の仕事に対するモチベーションは落ちている。それを再び引き上げることは至難の業でしょう。そこに労力を注ぐよりは、根本的な原因を探って、二の舞を防ぐことに注力した方がより現実的だと思っています。

-なるほど。しかし、辞職の理由にまつわる話は、時に言い出しにくい内容であったりすると思います。どうやって根本的な原因を探るのですか。

K:私は「退職者面談」というものを実施するようにしていました。所定のやり取りを済ませた後、あたかも雑談のように「ところでさ、実のところどうだったの?」と切り出して、話を聞く時間を設けていましたね。

お互い利害関係が切れているから、相手も何を言っても良いと思っている。本音を聞き出すには良い方法です。そうして積み重ねた情報をもとに、辞職の根本的な原因を探るようにしていました。

仮にその場で社員が辞職を考え直してくれたら万々歳。そうならなかったとしても組織の改善ポイントを見つけられれば、人事の評価にもつながります。退職者面談にこそ、人事の力量が出るのではないでしょうか。

-今まで色々な辞職のケースを経験されてきたと思います。総じて、社員が転職したいと思う理由をあらかじめ察知するようなことはできるのですか。

K:大抵はできますね。業務はキツ過ぎたとか、上司が酷かったとか・・・。大抵は、給料、業務内容、そして職場の人間関係が引き金となって転職を考える人が多いです。

社員のニーズを引き出して、時にはマインドコントロールも必要?

マインドコントロール

-ベンチャー企業で代表取締役を務めるIさんは、辞職を願い出た社員を引き留めるという姿勢だとお伺いしています。

I:はい。優秀な人間はやはり会社にとって財産ですから、私は当然辞めさせないよう努力をします。まずは、彼・彼女が辞職を考えた理由や、希望をじっくりと聞く機会を設け、その上で解決策がないかどうか模索しますね。実際に環境や時間の使い方を変えてあげるだけで、状況が大きく好転するというケースも経験しています。

例えば、以前「やりたい仕事ができないから」という理由で退職願いを出した社員がいました。彼には、部署異動をするという対応をしたところ、以前よりもパフォーマンス性を発揮するようになりましたね。

あるいは、軸が定まっていない状態で転職したいと言う人に対しては、「仕事を変えてもうまくいかないよ」というネガティブなマインドコントロールをすることで考え直させることもありました。

-それでも解決できない場合、解決策が上手くはまらない場合は往々にしてありますよね。

I:そうですね。成功率としては、半々くらいです。どうしても辞職という形をとらなければならない時は、応援して送り出すようにしていましたね。これは優秀な社員に限らず言えることです。

辞職は周囲との関係性を浮き彫りに!?円満に納めなければ共倒れ

円満

-社員が退職する際に、もめ事がおこるようなことは無いのですか

I:ありますよ。退職というのは一番人間性が出る場面だとつくづく感じています。はき捨てるように出ていく人もいれば、最後まで「お世話になりました」と言って辞めていく人もいる。その人の本質が浮き彫りになる局面に何回も遭遇しました。

Iさんとは反対に社員を引き留めないと主張するKさんですが、辞職という局面では社員の「人となり」が現れてくるということで、意見は一致しています。

K:人間性だけでなく、退職者がそれまでに周囲と築いてきた関係性も一気に表面化しますよ。退職すると決まった次の日から、嫌がらせを受ける人もいれば、周りから応援されるような人もいる。

最悪の場合、人間関係のもつれから、「退職後6か月以内に競合企業に移ってはいけない」という規則を破って、裁判沙汰になったようなメンバーもいました。

社員の辞職は、円満に終わらせることができなければ、その社員にとっても、企業にとっても大きな痛手となります。その時には、日頃からお互いを応援する、頼るなどの信頼関係を築いていることが重要だと改めて思い知らされますね。

-その社員を引き留めるにしろ、手放すにしろ、円満に関係を終わらせるということが双方にとって大切である。そうなると、日ごろから社員同士の理解を深めることが大切だということですね。貴重なお話をありがとうございました!

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