「リーダーはいらない、全員がリーダーになれ」ピエール中野の“もしピエ”第二回「日本3.0」

もしピエ 第二回

2017/05/18
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リーダーは要らない、全員がリーダーになれ

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中野 本書全体を通底するテーマは、「真のリーダーがいない、このままではまずい」ということだと思います。一方で、リーダーにならない生き方もある、ということも書かれていてそこは好感が持てましたね。「リーダーにふさわしい人ほど、自ら手を挙げない」というくだりも。

――「リーダーに立候補する人はナルシシズムが強い人、悪い意味で鈍感な人、自己顕示欲が強い人になりがち」という記述もあります。

中野 いま、ある大きなプロジェクトが動いていて、表立ってリーダーにはならないようにしているんです。お膳立てを整えて、誰かに負担が集中しない仕組みを提案しています。

――中野さんがリーダーシップを取りに行く立て付けではないんですね。

中野 やっぱり、誰かが前に出ると「自己顕示欲でやっている」と言われてしまうんです。「あいつがやってるのか、じゃあいいや」という人が、少なからずいたり。そうなったら、すごくもったいないんですよね。僕個人の活動ならいくらでも大丈夫ですが、大きなプロジェクトになると難しい。

――今のタイミングだと、リーダーになることはなにがしか障壁があるんですね。

中野 僕の所属する凛として時雨は、リーダーがいないんです。普通に考えたら年齢も上、バンド経験も豊富な自分がリーダーになる可能性もなくはなかったんです。けど、僕がなったら絶対にうまく行っていなかったですね。ことバンドに関していえば、「リーダーである自分が引っ張らなきゃ」という感情は邪魔だったと思います。

バンドを良くしていくために、クリエイターであるTK(Vo.&G)がやりたいことを最大限実現するためにみんなで頑張る、345(Vo.&B)がやりたいことがあるならこうする、僕がやりたいなら……みたいな感じでバランスをとっています。リーダーを決めていたら、そのバランスは崩れると思うんです。よっぽど向いている人がいる場合を除けば、リーダーがいないほうがグループとしてのパワーバランスは保ちやすいと思います。

いわゆるスタジオミュージシャン、バックバンドが集まって誰かとセッションしていく作業は、基本的にバンマスといってリーダーを決めるんですね。昔はバンマスが仕切ってすべてを把握していたんですが、いまの時代のバンマスは立ち位置が変わってきているようです。進行や仕切りはやるけど、アレンジに関しては「みんなどう思う?」と意見を伺いながらやっていくような。バンドじゃない現場でも、そうなっているんですよね。

もちろんFNS歌謡祭などで演奏している武部聡志さんのような第一線のバンマスは、ものすごいリーダーシップをとっていると思います。武部さんを見ていると「ああ、バンマスってこうだよな」と思ったり。かっこいいです。でも、僕ら世代になると、「リーダーだから引っ張る」という感じにはなってないですね。それよりも、みんなで協力し合おうという感じです。

Perfumeもそうですね。あ~ちゃんがリーダーに見えるけど、実際はそうではない。逆にいえば、全員がリーダーでなければならないという言い方もできますよね。誰か1人に押し付けるのではなく。

――「リーダーはいらない」というと責任を薄めるようですけど、実際は全く逆だと。

中野 逆ですね。全員リーダーじゃないといけない、ということだと思います。僕ら世代は、この個所に関してはそう捉えるほうがみんな納得しやすいんじゃないかなと思います。

まとめ

中野 本書を読んで、2020年東京オリンピック以降、こんなに日本が変わる予兆があるのかと改めて驚きましたね。

『団塊の世代の卒業式』というパートでは、人口推移を見てもこれからどんどん日本の人口は減っていくと。これに限らず、データや資料を豊富に用意して、自然災害の起こる可能性まで含めて紹介している。

かつ、さらに知識を掘り下げたい場合はガイドとなる本のリストも用意してくれている。抜け目がまったくない、すごく丁寧に作っている本ですね。向き合うのはかなり大変でしたが(苦笑)。気になった部分に折り目を入れていったらすごい数になりました。(マネたまの主要な読者層である)30代だけでなく、どんな人にもおすすめできる書籍です。

<了>

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