2017/01/25 公開

そもそもPTAってなあに?

PTAの抱える問題は女性の働きにくさそのものだと思う。その4

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役員さんや先生ならこう答える

好かれてませんねPTA。圧倒的な原因は「参加を強制するから/されるから」。そしてその背景には「PTAも家事育児と同様、女の仕事」という呪縛がある。
そんなことを、これまで見てきたわけですが。

ちょっとここで一度、立ち返って考えてみましょうか。
PTAって、そもそもなんでしょうね?

最もポピュラーな説明はこちら。「PTAは、保護者と先生(学校)が協力して子どもたちのためのことをやりましょう、という団体です」
PTA会長さんや学校の先生に聞いたら、まずこんなふうに答えるでしょう。

もともとPTAは、アメリカで生まれたものです。戦後にGHQが「日本にもそういう組織をおつくりなさいよ」と指示を出し、これを受けて文部省が全国の学校につくらせたのが、日本のPTAの始まりです。

保護者と先生の協力、だいじですね。
ほうっておくと保護者と学校って、意外と対立しがちです。それってやっぱり子どもたちのためにはならないことが多いですから、両者が手を携える場があることは、いいことじゃないでしょうか。

というのが定番の説明なのですが、PTAの大半を占める一般会員(本部役員さんじゃない人)にとっては、ちょっと実感と違うかもしれません。

校長・教頭先生やPTA会長、周辺の役員さんたちにとっては、たしかにPTAは「保護者と先生が協力する場」だと思うんですけれど(よく会合をしているんですよ)、多くのPTAの一般会員は、実際のところ、先生とかかわる機会がそんなにないのです。

実感としては「交流の場」

一般会員にとってのPTAは、単純に「保護者同士の交流の場」といえるでしょう。

保護者同士、と書きましたけれど、これまでは「母親同士の交流の場」でした。

戦後の日本では長いこと、父親が外で仕事をしてお金を稼ぎ、母親は家で家事育児を担う、という性別役割分業の家庭が一般的だった。
家にいる母親たちは、けっこう孤独なんですよね。毎日大体、自宅で過ごしているので、家族以外の人と話す機会があまりない。

本当はもっと家の外に出たかった活発なお母さんたち、たくさんいたんじゃないですかね。でも母親が仕事をすることは、いまよりずっと難しくて、あきらめざるを得なかった。

PTAは、そんな母親たちがいろんな活動をして、パワーを発散できるコミュニティとして機能してきた面もあるのです。

が、時代は変わり、社会はすでに共働き前提に移りつつあります。
いまのところ“慣性の法則”みたいなもので、PTAはまだ母親ばかりでやっていますけれど、本当はもう母親も父親も関係ありません。
PTAは「保護者同士の交流の場」となっていいはずです。

交流の場、悪くないんですよ。実際けっこう楽しいとこもあります、わたしは。

わたしは専業母ではないですけれど、ライターという職業柄、一日家にいることも少なくありません。
そうすると、たまにPTA活動で学校にいって、ほかのお母さんたちとおしゃべりするのが息抜きになって楽しかったりもするので。

以前、ある行事で同じ担当をうけもったお母さんとは、わりと本気で仲良くなり、その後もたまにお茶とかしてますし。

夏祭りの出店の運営なんかも、楽しかった。くそ暑い炎天下、ダラダラと汗をかきつつ、右往左往して一緒にかき氷を売ったお母さん、お父さん仲間たちとは、自然と打ち解けましたし。

そういうの、決して悪いことではないですよね。

いろんな人と接する機会が増えるから、自然と有用な情報も入ってくる。べつに情報が入らなくても、顔見知りが増えるって、純粋に楽しいことです。

なんだけれど、いまのPTAは、そういう良い面は見えにくくなってしまっている。

ああしてこうすれば楽しくなるはず

原因はやっぱり、「強制するから/されるから」というのが最大だと思うわけです。

やりたいかどうか考える前に「やんなさい」って言われちゃうんですよ? そりゃ楽しめない、って思いませんか。やる気出ないよって。

一度やってみれば、「おや? そんなに悪くないね」って思う人も多いんですけれど、先に強制されちゃうから「いやなもの」という先入観ができて、楽しめなくなってしまうことも多々あり。

あとは、共働きがこれだけ増えたのに相変わらず母親ばかりでやっていて、お父さんが入りづらくなってることとか、前例踏襲が続いてきたせいで活動の目的が忘れられちゃって、いらない活動や効率の悪い部分があることとか。

そういうのを変えていったら、もっといい面も見えてくると思うんですけどね、PTA。

PTAに限らなくても全然いいんですけれど、なにかしら保護者同士が交流できる場は、あっていいんじゃないですかね。
お父さん、おばあちゃん、おじいちゃん、近所の人も、参加したい人は誰でも参加できる場だったら、もっといいんじゃないですかね。

と、思うんですけれど、ねぇ。

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大塚玲子
編集者、ライター。主なテーマは「PTA」と「いろんな形の家族」。各地で講演、テレビ・ラジオ出演多数。PTAでは学年総務部長。 シングル母。著書『PTAがやっぱりコワイ人のための本』『PTAをけっこうラクにたのしくする本』『オトナ婚です、わたしたち』。 http://ohjimsho.com/
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