2017/09/22 公開

PTAは女が女にやらせていて、男はそこにいない

PTAから考える、多様な生き方と働き方。

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著者:大塚玲子
 

よく「PTAはお母さんばかり、お父さんは会長だけ」とかいう男女の非対称性の話をすると、お父さんたち、なんとなく居心地悪そう~になるんですけれど。

 でもこれじつは、お父さんよりも、お母さんの問題が大きいと思うのですよ。

みたいな話をしようとして、以前かるく炎上しかけたことがあるので、今回は慎重にいきたいと思います。

というのはですね。現状のPTAがお母さんばかりなのって、お母さんがそうしてるから、そうなってるんですよね。

べつに、お父さんたちが「PTAはお母さんたちにやらせようや」と意図してるからこうなってる、というわけではない。

 だってほら、いまのPTA、ほとんどお母さんしかいないじゃないですか。
 それってつまり、お母さんが、お母さんにやらせてるんです。

PTA活動で集まるお母さんたちは、ほかのお母さんが集まりに来なかったり、お仕事をこなさなかったりすると、チームから足を洗おうとする仲間を袋叩きにするヤングエイジのように、そのお母さんを糾弾します。

 「〇〇さんはまだ一度もPTA役員をやっていないので、これをやってください。
 仕事のせいでPTAに来られないなんて、言い訳にならないですからね」

仕事は言い訳にならない。

PTAにかかわる母親たちの間では、ごく当たり前に聞く言葉です。専業主婦やパートのお母さんだけではないですよ、フルタイムでお勤めのお母さんですら、これを言うことがありますから。

でもね、だったらなんで、お父さんには同じことを言わないのか? 一家の主な稼ぎ柱だから?

 しかしだ。シングルマザーも言われるんですよ。

大黒柱として生活費を稼がなければいけないのは、みなさんのおうちのお父さんと同じなんだけれど。むしろ女性は男性に比べて、賃金が低い仕事や非正規雇用が多いので、お父さんよりももっと、仕事を休むダメージが大きいんだけれど。

 だから本当は、仕事なんか、全然関係ないんですよね。

女に生まれたら、仕事をしていようがしていまいが家事育児をするものだし、PTAもやるもの。そう信じ込んでいるのです、女が。

お父さんたちがPTAをやりたがらないせいだけで、お母さんばかりがやっているわけではないと思うんですよ。

もちろんお父さんのなかにも「そういうの、やりたくない」って人は少なからずいるんでしょうが、聞くと「やってみたい」って人も、そこそこいますもの。

 しかし、そういうお父さんたちもPTAをやっていない、というかやれていない。
 なぜだ。

*

あるお母さんは、「PTAに夫を参加させない理由」を、こう語っていました。

 「あんなくだらない集まりに出たら、うちの夫は絶対に我慢できないと思うから、無理」
 その場にいた別のお母さんも、「わかるー」とうなずいていました。

筆者は、その「くだらない集まり」という文言を、ある記事のタイトルに引用しました。かるく炎があがったのは、そのときです。

「PTAを“くだらない集まり”呼ばわりするとは! なんて失礼な!」というね。
いやそうです、そうなんですけどね(汗)。でも、そこじゃないんだ、わたしが取り上げたかったのは。

PTAが実際にくだらないのかどうかは、すいませんけど、いったん脇におかせてください。PTAごとの個体差も大きいし、個々の体験にもよりますから。

ただ、それを「くだらない」と思ったその人が、それを理由に「夫には参加させられないけれど、妻である自分は参加に値する」と言っていること。
そここそが、おそろしいじゃないですか。

 しかも、その意見に賛同するお母さんがまた、けっこういるんですよ。
 くだらない仕事は、男ではなく女にこそふさわしいと思っている女性が、意外と多い。

こういうのは、PTAの問題だけ考えていても、どうにもならないところ。
どうしたもんですかね。

*

さっき、「女性の方が男性に比べて賃金が低いことが多い」と書きましたけれど、それもじつは、同じ鶏と卵だと思うのです。

女は“くだらない仕事”に値すると思っているから、賃金が低い仕事を選びやすいし、女は賃金が低い仕事をしているから、“くだらない仕事”に値すると思ってしまう。

 念のためですが、その仕事は、実際にはくだらなくなんかないかもしれません。

けれど一般的に、賃金が安い仕事は“くだらない仕事”と思われがちなので、そういう話になってしまう、ということなんですけれど。

 堂々巡りじゃないですか、お母さ~ん!

 とすると、どっから手を入れればいいのでしょうか。

 もっと稼ぐ女が増えれば、自然とこういう発想がなくなるのか?
 こういう発想がなくなれば、女ももっと稼ぐようになるのか?

たぶん、両方かもしれません。

まだ時間がかかりそうだけど、こういうところは変えていかないと。
ついでにいうと、賃金の低い仕事=“くだらない仕事”という発想も、やめていかないと。

レッツ変わっていこう、お母さんたち。

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大塚玲子
編集者、ライター。主なテーマは「PTA」と「いろんな形の家族」。各地で講演、テレビ・ラジオ出演多数。PTAでは学年総務部長。 シングル母。著書『PTAがやっぱりコワイ人のための本』『PTAをけっこうラクにたのしくする本』『オトナ婚です、わたしたち』。 http://ohjimsho.com/
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