2016/10/24 公開

専業主婦もワーママもそろそろ重荷を下ろそうよ。

PTAの抱える問題は女性の働きにくさそのものだと思う。その1

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同じ土俵の上で、圧力をかけあう母親たち

PTAの活動時間が平日の昼間になりやすいのは、学校の先生方の都合が大きいのですが、「必ずやってね圧力」の発生源は、それとはちょっと違います。強制加入や学校の都合などの要因もありますが、それだけではないのです。

女性のみなさんは、うすうすお気づきかもしれません。

「必ずやってね圧力」は、多くの場合“母親たちの間で、自然発生的に湧き起こっている”のです。

その証拠に、この「必ずやってね圧力」は、母親に対してのみ働きます。父親に対しては、一般的に、このようなプレッシャーは生じません。

よくイメージされるのは、専業の母親がワーママに対して「PTA活動に必ず参加して」と圧力をかけているケースだと思いますが、じつはそれだけではありません。

専業の母親同士でも働く母親同士でも同様の圧力は働きますし、働く母親が専業の母親に対して「PTAをやらないのはズルイ」と圧力をかけているケースだってあるのです。

つまりどういうことかというと、母親たちは、みんな同じ土俵の上で圧力をかけあっているのです。

PTAに苦しんでいるのは、実は働く母親たちだけではありません。専業の母親たちも、ワーママも、結局は同じ構造のなかで、同じものを強いられているのです。

そもそも社会がもっと仕事をしながら子育てをしやすい環境だったら、今専業主婦をしているお母さんたちだって「仕事を続ける」という選択をできたかもしれません。

最近はようやく、産休・育休の取得が当たり前になってきましたが、ほんの10年ほど前は、まだまだ違っていました。産休・育休を取れるのは一部の“いい会社”にお勤めの人たちだけで、大半の会社では、女性は出産後に仕事をやめるのが一般的でした。

それに、もし産休・育休を取れたところで、復帰したあとに女性が大変になるのは、火を見るより明らかでした(この点はいまもあまり変わらないのですが)。

子どもが発熱して保育園から呼び出され、周囲に頭を下げながら慌てて退社していく同僚や先輩の姿を見て、「やっぱ、わたしには無理」と思った人も多いでしょう。

だから、彼女たちは会社を辞め、専業主婦となっていったのです。

「母親」というものは、仕事をしていようがしていまいが、家事育児をメインでこなすもの。PTA活動も、母親がやるのが当たり前。

そんなふうに、母親だけが仕事と家事育児の「両立」を求められる世の中だから、専業主婦は専業主婦になったのであり、同じ理由でワーママたちは、いま苦労しているのです。

みんなで「母親の義務」という重荷を少しずつ捨てていこうよ

だから、女同士で「母親の義務」を押し付けあうのを、ここらでそろそろやめてみませんか?

家事でも、育児でも、女たちに用意された、各種「○○せねばならない」カードを手放し、背中に負った「母親の義務」という荷物を、どんどん地面におろしてしまいましょう。

PTAも同様です。「母親がやらなければならない」という思い込みを捨てて、母親同士で圧力をかけあうのを、おしまいにしてしまいしましょう。

それではPTAがまわらなくなってしまう……と心配する人がいますが、それでまわらなくなるなら、PTAのほうがおかしいのでは? まずは、やりたい人が、できる範囲でまわせる程度にまで、PTA活動をダウンサイズするのが最初ではないかと思うのです。

日本の母親たちは、諸外国の母親たちと比べ、「やるべきこと」が多く、求められるレベルやスキルも大変高いことがしばしば指摘されています。料理やお弁当作り、掃除や洗濯等々、他国の人から見ると「なんで、そんなに母親が手をかけるの?」と思われることが多いのだとか。

だから、そういったものを、みんなで少しずつ捨てて、重荷をおろしていきませんか?

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大塚玲子
編集者、ライター。主なテーマは「PTA」と「いろんな形の家族」。各地で講演、テレビ・ラジオ出演多数。PTAでは学年総務部長。 シングル母。著書『PTAがやっぱりコワイ人のための本』『PTAをけっこうラクにたのしくする本』『オトナ婚です、わたしたち』。 http://ohjimsho.com/
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