2017/02/16 公開

「志望動機は? では作り物の言葉しか出ない」村上有基(モンスター・ラボ)

気になる会社の気になる人事 その2

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モンスター・ラボでは、前提の違う人たちと一つのものを作っていくのが当たり前になっているんです。排他性を持った人はうちの会社では難しいかもしれません

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村上有基
モンスター・ラボ コーポレート本部 HRマネージャー。大学院卒業後、衆議院議員秘書として、議員会館及び地元事務所にて勤務。その後2013年10月、モンスター・ラボに入社。2015年6月、Wantedly Award2015にてモンスター・ラボがWantedly大賞を受賞。採用責任者として大賞受賞に貢献する。2016年11月、Wantedly Award 2016にて、アンバサダー大賞を受賞。北海道出身。学習院大学法学部、立教大学大学院法務研究科卒。

転職希望者が“遊びに来る”?

――求職者側の意識も、企業側の考えも大きく変化し、採用活動自体が多様化しています。モンスター・ラボさんはこうした変化をいち早く捉え、ソーシャルリクルーティングに注力、2015年にはWantedly大賞を受賞しました。受賞理由とはどんなものなのでしょう。 

村上 有基(以下、村上) Wantedlyを経由して遊びに来た方や実際の採用数が多かったことです。現在、日本だけで約150名、海外拠点も入れると600名前後の社員がいますが、はじめの3年間で120名以上をWantedlyで採用しました。海外で働く現地の人は基本現地採用ですが、日本から海外に行く日本人はほとんどWantedlyでの採用です。現在活躍しているベトナムの拠点で働く日本人メンバーや、シンガポール・バングラデシュのマネージャーなどもWantedly経由です。

――遊びに来る? 

村上 はい。「いますぐ転職したい人に面接する」という採用ではないんですよ。まずは、弊社に遊びに来てもらうことから始まります。人事担当者として、なるべく多くの人に会いたいと思っています。

採用面接ではなくても、モンスター・ラボに来てもらって、いろいろな社員に会ってもらって、どんな会社なのかを知ってもらう。Wantedly上で接触があったということは、モンスター・ラボに興味を持ってくれた、見つけてくれたということですよね。だから、もっと知ってもらいたいし、できればファンになってもらいたいと思っています。

――面接とかではなくて雑談をするんですか? 

村上 いきなり志望動機は何ですか? と聞いてもネットの情報だけで、まだ会社のことをよくわからない時点で答えるのは難しいと思います。モンスター・ラボのどこに興味を持ったのか、なぜボタンを押したのか、Wantedlyを見てもらって、どんな会社か、何をやっている会社かわかりました? とか、いろいろ聞きますし、こちらも会社のことを知ってもらう努力をします。

だから『会いたい』と思ってくれる人にはできる限り会いたいし、話をしてみたいんです。もちろんこちらのリソースが限られているので、全員に会います! とは言い切れないところが悩みどころですが。

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――そのほかの既存媒体を活用した採用活動も行っているんですよね?  

村上 そうですね。必要な人材に対して求人を出してというのも行なっています。

――Wantedlyなどを用いたソーシャルリクルーティングと、そうした旧来からある採用活動の違いはどんなところにあるのでしょう?  

村上 これまで主流だった採用活動の方が『いますぐ転職したい』という転職顕在層が多いと思います。必要な人材やポストがあってそこにマッチする人材がいる場合は、すぐに働いてもらえます。ソーシャルリクルーティングだと、先ほどもお話ししたように遊びに来るところから始まるので、転職の意志の度合いは人によるんです。いますぐに転職を考えていない人も相当数いるし、こちらもそこを重視してお会いしているわけではないので。

ただ、現職である程度活躍の場が与えられていて、社内評価も高い人材が即転職を考えるか? というと、そうではないケースが多いと思います。もちろん、ピンポイントで需要と供給がマッチすることはありますが、優秀な人材と “ゆるいつながり”を構築できるのがソーシャルリクルーティングのメリットだと思います。

私が面談した人で、他社に採用されていまでも交流がある人材もたくさんいますし、転職、入社につながらなくても何かしらのつながりを持てることがお互いに有益なこともあります。『遊びに来る』という感覚なので、何かしらのご縁につながればいいのかなと思っています。

――そうした採用活動は、人材の発掘や採用だけでなく、会社を知ってもらうという広報活動にもつながりますよね。 

村上 そうなんです。うちの会社は業務内容を見ても何をやっている会社かわかりづらいとよく言われます。人事としては一言で説明したいところなのですが、事業内容は企業の成長とともに変化していく側面もある。だから事業内容より、企業理念や社風、カルチャーなど“変わらない根っこの部分”を知ってもらうことが大切だと思っています。

――Wantedlyはうってつけのメディアというわけですね。 

村上 Wantedly自身が『はたらくを面白くするビジネスSNS』と言っています。求人サービスサイトではないんです。現役社員の顔が見えるコンテンツとか、企業の思いとかコンセプトが伝わるコンテンツが読めるのは良いですよね。採用を担当するようになってからも、そこで何かを感じてくれる人にアプローチできるのがWantedlyの魅力だと思っています。

自分の技能や経験で検索してそれに合う仕事を探すというのもよいですが、企業理念や目指すものなど、職能以外の軸だったり考え方で自分の仕事を選ぶと言う考え方があってもいいと思います。

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マネたま編集部
「現場視点から考えると、マネジメントがもっとオモシロクなる」をコンセプトに、マネジメントに関する情報を発信していきます。