2017/03/02 公開

【前編】「“みうらじゅん”という誤解」・みうらじゅん

失敗ヒーロー! 第二回(前編)

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「レッツゴー不自然」で“寅さん”になった

――法事にアロハシャツは、叱られても致し方なしですよね(笑)。 

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みうら それがね、ある親戚のおばちゃんが、「じゅんちゃんが来てくれただけでいいじゃない」と言ってくれたんですよ。そのとき僕、寅さんになれたと思いましたね(笑)。「寅さんが来てくれただけでいいじゃない」って、さくらやおいちゃんが言っているシーンあるでしょ。これまでレッツゴー不自然で、努力してやって来たことが実った瞬間でした。いかに不自然でいるかって、サラリーマンの人は考えないと思うけど、僕も寅さんと同じ渡世人で、いかにタンカを切って売るかが商売ですから。

――「不自然」というあり方こそ、ご自身で築き上げてきたセルフイメージということですよね。 

みうら 『「ない仕事」の作り方』という本はね、僕自身が、みうらじゅんというタレントをマネジメントしている感覚なんです。このキャラクターが通用するようになるまでは30年以上かかりましたから。肩書きひとつにも苦労してね。

ある新聞に取材してもらったときも「肩書きはイラストレーターなどです」と答えたら、「『など』なんて職業はないので、載せられません」なんて言われちゃってね。でも僕、ネタが面白く見せられるなら、イラストでもマンガでも、エッセイでもイベントでも表現方法は何でもいいわけで、これって肩書きがない。実は“マイブーム”っていう言葉は、僕の肩書きで考えたものだったんですよ。「自分のブームを広める」っていう職業名。広辞苑にまで載っちゃっているけど、そもそも公の言葉じゃなくてね、大いなる誤解ですよ。

「誤解」とは「伸びしろ」である

――これは失礼しました! 私も日ごろ、そうした意味で使っていますもん。 

みうら うん、でも“マイブーム”という言葉が広まった理由は、その「誤解」である「伸びしろ」だなと思いました。“ゆるキャラ”が広まったのもきっとそうですよ。僕の中には「ゆるキャラの条件」があったんですけど、今はそれが真逆のことになってる。でも、だからこそ、広く届く言葉になったんですよ。

その誤解っていうのは、実は常識人なのに不自然に見せている自分にもつながるんですよね。本当は、馬鹿なネタだけで暮らしているわけじゃなくてね、何十本も連載を抱えているわけです。ま、馬鹿が多いですけど(笑)。もし、僕のことを「いいな」と思ってくれる人がいたとしたら、馬鹿なネタだけで食っている人間だと、誤解してくれているからなんじゃないですかね。

――憧れを抱かせるくらい、誤解させちゃう? 

みうら 「馬鹿ネタだけで、大金持ちになったらしいよ」ってくらいの誤解が欲しいですけどね(笑)。だけど実際に好きなことだけやって、ぎりぎりで生きているような人間だったら、この取材だって来てくれないでしょ(笑)?


後編では・・・

失敗ヒーロー!」第2弾後編は、ご自身の著書である『「ない仕事」の作り方』で大きな鍵となる「自分なくし」など、今のみうらじゅん氏の人生観に影響を与えたエピソードに迫ります!


【前編】「“みうらじゅん”という誤解」・みうらじゅん
【後編】「“なくし”た先に見つけた自分」・みうらじゅん


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