2017/04/10 公開

まさか、人前で怒ってませんよね? 心理学者が指南する「怒り方」のススメ

今日から役立つマネジメントメソッド 第三回

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4.アドバイスをするときには、“有料”にしてみる

部下を叱るときには、無料ではなく、有料にしてみるのもいいアイデアです。
 
「ええっ!?お金をとるの?」
  
と思われるかもしれませんが、実は、そうしたほうがいいケースもあるということです。いつでも必ずお金をとれ、というわけではないのですが、有料にしたほうがいいときもあるのではないでしょうか。
 
商品でもそうですが、無料のサンプルというのは、ちっともありがたいと感じられません。お金を払う必要がないと、私たちは「ありがたみ」を感じられないのです。
 
アドバイスも同じで、無料のアドバイスというものは、何とも安っぽいというか、本気で受け入れようという気持ちになれないのです。その点、有料のアドバイスであれば、そのアドバイスに従ってみよう、という気持ちになります。
 
医者や弁護士、コンサルタントにアドバイスを求めたら、相談料を要求されます。しかし、有料だからこそ、彼らのアドバイスには「ありがたみ」を感じられるはずです。無料だと、そういうわけにはいきません。

部下にアドバイスをするときには、「アドバイスをしてもいいけど、俺はちゃんと“お金”をとるよ。なにしろ、とっておきの仕事のノウハウを教えるんだから」とでも言ってみるのはどうでしょうか。
 
無料のアドバイスより、こちらのほうが部下も真剣に聞いてくれるのではないかと思われます。
 
ちなみに、この心理テクニックは、「コスト・アドバイス法」と呼ばれています。米国カーネギー・メロン大学のフランセスカ・ギーノによると、まったく同じアドバイスでも、お金をとったときのほうが、無料でするときよりも2倍近くも受け入れてくれるようになるそうです。
 
部下に教えるのにお金をとるというと、みなさんは違和感を覚えるかもしれませんが、歴史的に見ると、そんなにおかしなことでもないのです。わざわざ仕事を教えてあげるのですから、逆に、部下からお金をとってもおかしくはありません。
 
昔は、弟子になりたい人は、自分で米と味噌を1年分くらい持ってきて、「これで働かせてください」と頼むのが普通でした。絶対に無料でなど、大切な仕事のやり方を教えたりはしませんでした。
 
ただ、部下からお金をとろうとするのは現実的にいろいろと問題があるでしょう。ですので、あからさまにお金を要求するのではなく、「缶ジュースを1本奢ってくれるのなら、俺が気づいたことを教えてやるよ」と言ってみるのはどうでしょうか。缶ジュース1本の報酬では、さすがに安すぎるとは思いますが、それでも無料のアドバイスよりは、はるかに効果的であるはずです。
 
仕事を教えたり、アドバイスすることは、本来、有料なのです。それを無料でやってあげているわけですから、部下にはもっと感謝してもらってもいいくらいなのです。
 

<了>

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内藤誼人
心理学者。有限会社アンギルド代表。慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。ビジネス心理学の第一人者として、実践的な心理学の応用に力を注いでいる。自然を愛するナチュラリスト。どんな女性にもやさしいラディカル・フェミニスト
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