まさか、人前で怒ってませんよね? 心理学者が指南する「怒り方」のススメ | ページ 2 / 4 | マネたま

まさか、人前で怒ってませんよね? 心理学者が指南する「怒り方」のススメ

今日から役立つマネジメントメソッド 第三回

2017/04/10
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2.怒るのではなく、“心配”してみる

部下の指導をするときには、いつでも怒ってばかりではいけません。声を荒げて怒鳴ってみせたところで、部下は委縮するばかりで言うことを聞いてくれません。実は、もっといいやり方があるのです。それは、「心配してみせる」というテクニック。
 
アメリカの百貨店王といわれたジョン・ワナメーカーは、店員の態度が悪いことに気づいても決して叱らなかったといいます。
 
では、どうしたのかというと、「心配」してみせたのですね。
 
「大丈夫なのかい? 奥さんや子どもが病気だったりするのかい? そうでもなけりゃ、あなたがこんなに雑な仕事をするわけがないよ」

こんな感じで、自分が心配していることを伝えたのです。

もちろん、心配された店員たちは、すぐに気合を入れなおして勤勉に働いてくれました。このワナメーカーのやり方は、わざわざ相手を不愉快にさせるような怒り方をする必要はどこにもないことを、私たちに教えてくれます。怒る必要なんて、ないのです。心配してみせるだけで十分なのですね。
 
コロンビア大学のロイ・チュアは、銀行やIT企業、コンサルティング業などの分野で働く101名のマネジャーを対象にして、どのようなマネジャーほど優れたマネジャーなのかを調べてみました。
 
その結果、チュアは、優れたマネジャーには2つの要因があることを発見しました。ひとつは、経験が豊富であるとか、有能であるといった要因。そして、もうひとつは、気配り能力があるとか、やさしい性格であるといった要因です。この2つをどちらとも持ち合わせていなければ、優れたマネジャーになれません。
 
ただ単に「仕事ができる」というだけでは、部下はついてこないのです。やさしさというか、気配りというか、そういうことも求めているのです。そして、そういう上司を信頼するのです。
 
部下を怒鳴ったり、叱ったりするのは、そういう配慮ができない上司です。だから、そういう人には部下は従ってくれません。たとえ、どんなに経験が豊富であろうが、仕事の知識を持っていようが、部下は心のどこかで反発するでしょう。
 
部下に対して、“正しい怒り方”など本当はないのかもしれません。怒る必要などはどこにもなくて、ただ心配してみせるだけでいいのです。上司に気配りされた部下は、自分で勝手に反省してくれますし、自分で勝手に行動を改めてくれるようになるでしょう。
 
ダメな上司は、ただ怒るだけ。本当にいい上司は、怒るのではなく、心配してみせるのです。

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内藤誼人
心理学者。有限会社アンギルド代表。慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。ビジネス心理学の第一人者として、実践的な心理学の応用に力を注いでいる。自然を愛するナチュラリスト。どんな女性にもやさしいラディカル・フェミニスト
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