クロサカタツヤの「インターネットの歩き方2017」

思い出す言葉

2017/02/02
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2016年は「インターネットがやっと普及した年」

――旧聞に属しますが、情報通信分野を専門に手がけられるクロサカさんにとって2016年はどんな年でしたか? 

クロサカ 一言でいえば「日本にやっとインターネットが普及した年」でしょうか。インターネットはブロードバンドが普及した2006年頃に定着したと言われることもありますが、実際は地域や世代によっては全く使われていませんでした。しかし、スマートフォンの登場により、日常的に社会活動を行なう人々にあまねくWEBなりアプリなりが行き渡った。コレが、昨年起きたことではないかと思います。
 
これは、ブロードバンド時代とは明らかに異なる変化です。そして、そうだからこそ今のSNSにおけるような混乱が起きている。ブロードバンド時代に勃興したようなアルファブロガーと呼ばれる人たちは、今では影が薄くなっています。その代わり、そうではない人たちが台頭してきています。

――確かに、現実と紐付かないネット人格オンリーの人たちの存在感は下がったように思います。 

クロサカ 良し悪しはあるんですけどね。以前は「何を言うか」で評価してもらえました。でもいまは、タレントのような社会全体での有名人といった「誰が言うか」や、ただひたすら燃やし燃やされる炎上芸人のような「どう言うか」ばかりに注目が集まるようになってしまった。

――そうしたネガティブな部分が生まれた原因はどういったものでしょうか。 

クロサカ 現象面ではいろいろありますが、それら全部ひっくるめて「ネットが普及したから」に原因を求められると思います。普及しきれば、フリクション(摩擦)もいさかいも起きますよね。そして、そこで起きている問題について、多くの人たちが右往左往している。
 
それに対して、「こうすれば問題解決するのではないか」と言えるような、社会やユーザーあるいは政府をリードするような人が、現状日本の中になかなか見当たらない。みんなGoogleやFacebookやTwitterを使っていますが、これらの企業の中心のどこに日本人がいるのか。これらのプラットフォームがなくなれば、日本人は非常に困るはずです。もっと僕らはユーザーとして彼らに関与していいはずです。

――確かに、それらのプラットフォームはすべて海外発です。 

クロサカ 少し前に、産業技術総合研究所の江渡浩一郎さんが「日本には本当の意味でのネット企業と呼べる企業はほとんどない」と仰っていて、ハッとしました。ネットがやっと普及したわけだからある種当たり前かもしれませんが、確かに「自分の商売にネットを使っている企業」ばかりで、社会におけるネットと本当に向かい合っている企業は、せいぜいヤフージャパンぐらいではないでしょうか。

ネットを道具として、もともとの商売を展開する人たちはいます。ですが、ネット自体(の可能性)を追い求めていく人たちはほとんどいない。ゆえに、ヤフージャパンに対する負荷がすごく重くなり、彼らは身動きが取りにくくなっている。それも、日本社会にとって不幸ではないかなと思います。

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