小島慶子/タレント・エッセイスト ハラスメントを止めるために、“本当の敵は誰なのか”を考える【後編】

2019/05/23
Pocket

敵対関係ではなく、対話がすべてを変えていく

――誰もが被害者でもあり、加害者でもある。それがわかれば、敵対するのではなく対話が可能になると。

小島:そうです。何事もどうしたら対話できるか、どんな工夫が必要かを考える習慣をつけるといいですよね。労働組合が廊下に貼り出す組合速報でも、劇画調の殴り書きで「ボーナス上げろ!」と喧嘩腰で書くのではなくて、普通の丸っこいゴシック体で「ボーナスアップを粘り強く求めよう!」にするだけで、読んでくれる社員が増えるんです(笑)。最終的な目的は仲間を増やして声を大きくすることなので、ただ怒りを表現してもダメなんですよね。

――怒りを感じた時は、どのようにその感情と向き合うべきでしょうか?

小島:腹の立つ相手には、実はどこか共感しているんです。共感ってポジティブなものだけではありません。相手の行動や考えがわかってしまうから、怒りを感じるわけです。誰かに腹が立ったり嫌悪感を覚えたりしたら、「なぜ私はこの人が嫌いなんだろう?」と一度考えてみてください。自分のイライラは本当にこの人のせいなのか、それとも別のものに原因があるのか、一旦考えてみる。すると本当の敵は違うなんてことがよくあります。まずは考えることが大切ですね。

――考えもなしに批判する場面がメディアでも目立ちますよね。

小島:そうですね。でもね、よく考えると敵だと思っていた人が意外と共通の課題を抱えた仲間で、怒るべき相手を間違えていたことに気づいたりするんです。そうそう、大事なのは、怒るのは悪いことではないと知ること。怒っている自分、傷ついている自分、真面目なことを考える自分を冷笑しないことです。自分は今つらいんだな、真剣なんだなと、まずはそのまま認めて受け入れて、苦しい理由を考えてみる。それが次のアクションにつながるんですよ。だから、怒るってかなりクリエイティブなことでもあるんですよ。

マネたまご マネたまをフォローすれば最新記事をお届けします!
運営会社 | Copyright © kaonavi, inc. All Rights Reserved.