北野唯我/『転職の思考法』作者 自分で名乗り上げなければ、チャンスは100%巡ってこない

逆境ヒーロー!

2019/11/13
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成功の裏には、逆境が隠されている。そんな逆境をはねのけ活躍する“インディペンデントな人たち”の成功の秘訣に迫る、『逆境ヒーロー!』。今回は、『転職の思考法』『天才を殺す凡人』の作者、北野唯我さんが登場。自身の過去をお伺いした前編に引き続き、後編では部下の育成のコツや「出世する人が必ずやっていること」についてのお話も飛び出しました。

ビジネスの世界では、勝手にチャンスは回ってこない

――人の上に立ち部下を動かす立場として、北野さんが気をつけていることはありますか?

北野唯我(きたの ゆいが)
1987年生まれ、兵庫県出身。神戸大学卒業後、博報堂に入社。退社後、アメリカに留学。ボストンコンサルティンググループを経て、28歳の時に株式会社ワンキャリア最高戦略責任者に。『転職の思考法』(ダイヤモンド社)が15万部超え、30万PVを獲得した人気ブログをベースに作成された『天才を殺す凡人』(日本経済新聞出版社)も9.5万部を突破。2019年中に2冊の新刊を刊行予定。

北野唯我(以下、北野):「馬を水辺に連れて行けても、水を飲ませることはできない」とはよく言いますよね。人に対してイラつく時は、ほとんどの場合、コントロールできないものをコントロールしようとしているか、期待値を上げすぎているかだと思うんです。適切な期待値を設定することがまず重要ですね。

あとは、ビジネスの世界では「チャンスの順番は勝手に回ってこない」と、新卒の子たちに最初に伝えるようにしています。大学生までのルールと、ビジネスパーソンのルールは明確に違う。野球に例えるなら、大学生までは、一番から九番までチャンスは順番に回ってきます。もし八番くらいの下位打線だとしても回ってくる。それはあなたがお金を払って教育を受ける立場だからです。でもビジネスの世界は違う。自分で名乗りを上げない限り、100%チャンスは回ってこないんですよ。

――自ら手を挙げないといけないと。

北野:「若い時に、努力しているわりには、大きな仕事を任せられることがなかった」と言う、あるIT系の先輩がいます。同期は子会社の社長など任されていくなか、どうして自分は成果を出しているのにチャンスがこないんだろうと悩んでいたそうです。ある時、その同期に聞いたら、「だって上司にしょっちゅう社長になりたいって伝えていたから」と。チャンスをもらっていた人は、全員そうだったらしいんです。これは、大学までとの明らかなルールの違いですよね。そのことを最初に伝えるのは重要だなと思っています。

――誰かが見ててくれるはず、ではダメなんですね。

北野:「言わなくてもわかってくれる」という前提に立ってしまうと、結局わかってもらえず、会社に不満を持つ場合がある。気持ちはわかる。でも、結局、それって誰も幸せにならないんですよ。そこは、意識的に変えたほうがいいかなと。

部下を理解するコツは、休日の行動を知ること

――著書の中で、部下の育成には、その人が数ヶ月後にぶつかるであろう「つまずき」をあらかじめ排除してあげることも大切だとおっしゃっています。苦手なことも含め、部下のことを良く理解していないと難しいですよね。

北野:「自分と他人は全く違うし、同じ方法でやってもうまくいかない」という前提を理解する必要がありますね。僕は採用面接をする時、職歴は全く聞かないんです。聞くのは「土日に何をしているか、何にお金を使っているか」。これを聞くとその人の行動原理が推測できます。つまり指示する監督者がいない時に、どういう行動をとるか探っていく。多くのリーダーは、監督者がいる平日の行動しか見ていないんですよね。その人にのびのび働いてもらい高いパフォーマンスを出してもらうためには、その人が休日にこそ何をしているかを知るのが重要です。

――オフのその人を知る、ですか。

北野:僕が採用したアルバイトの子たちが、誰ひとり一年以内に辞めなかったという成功体験があります。その時も「その人が何を大事にしているか」を重要視していました。例えば、父親が介護状態で、たまに病院に付き添う必要がある社員がいたとする。その人が置かれた状況を理解してさえいれば、「すみません、明日休みたいのですが」と急に言われたとしても「全然いいですよ」と即答できます。事情を知らなければ「突然明日休むなんて!」と、許可をためらってしまうかもしれません。「いいですよ」を0.1秒で言えるかが、すごく大事なんですよね。

――確かに、自分のことを良くわかってくれていると思ってもらえれば、仕事にも精を出してくれるかもしれません。他に上司からはどういった配慮ができますか?

北野:居場所と役割を与えることは重要ですね。「確実にこれをやれば成果が出る」「あなたは評価されています」という居場所が会社にあれば、安心して仕事ができると思うんです。それにプラスして、会社の目指したいビジョンのなかで「あなたの役割はこれです」と明確に示すこと。居場所と役割。この2つがすごく重要です。

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