2015/09/03 公開

人事の問題に切り込む!「面白法人カヤック」の前のめり人事制度とは

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課題の多い人事の仕事。とはいえ、「皆こういうものだ」と諦めて既存の方法にしばられている企業も多いのではないでしょうか。

一方で今回ピックアップするのは、従来の人事が抱える課題に対してアグレッシブに切り込む「面白法人カヤック」。「面白さ」を合言葉に、効果的な制度を日々生み出しています。社員全員が採用・評価・給与査定にたずさわる「ぜんいん人事部計画」は、会社の採用コストを25パーセントも下げることに成功しました。

以下では、そのユニーク社内制度を、世間一般の社員が人事に抱く不満への解決策として紹介しています。

働く場は自分が決める!!「クリエイターアサインシステム」

不満その1、人事が決める人員配置は平等だったためしがない。経営陣の顔色をうかがって、現場の声をきちんと反映させてないと思うこともありますね。(30代前半 男性)

クリエイターアサインシステム
出典:http://www.kayac.com/vision/strategy

カヤックでは、プロジェクト毎にその事業に興味のある社員を募ります。これは、「クリエイターアサインシステム」と呼ばれる制度。社員は、自分自身でチームを作り、好きなメンバーと仕事をすることも可能です。

個々の自主性でメンバーが決まるので、不満の声が上がることもありません。

SNSや「一社だけ合同説明会」でカヤックの「面白さ」を拡散!

不満その2、はっきり言って最近の採用活動は通り一遍な気がしてなりません。合同説明会に会社説明会・・・もっと創造性がある採用をしてほしいですね。(20代後半 男性)

パス
画像出典:http://www.kayac.com/recruit/career

カヤックは自社の「面白さ」をSNSや自社説明会で拡散することで、価値観の似た人材を集めています。

ユニークな採用活動の例としては、書類選考を免除する「ファストパス」、あるいはいきなり最終面接に招待する「ラストパス」という特権を社員全員が持つというもの。「皆んなで一緒に働きたい仲間を探そう」というコンセプトをもとに作られた仕組みです。メンバーは自分が引き入れたいと思った人材にこのパスを渡すことで、採用までのステップを短くすることができます。

また、200人の全メンバーが参加する「一社だけ合同説明会」やひとりが登壇して自由に話す「ひとり説明会」を通じて、社員の面白さを発信し、面白い人材を求心しています。こうしたキャンペーンがSNS上で話題になることによって、応募者が2倍に増え、自前で採用できる人数が増加しました。

給料を決めるのは運×上司×仲間!!

不満その3、人事考課って何なんですかね。「なぜ、あの人が昇給するの?」と思うこともあります。(40代前半 男性)

サイコロ給
出典:http://www.kayac.com/team/dice

そもそも人が人を査定するという時点で、公平性は失われるもの。その時の上司の感情でふり幅も生まれるでしょう。それを逆手にとって生まれたのが、「サイコロ給」。月給×サイコロの目%が給与にプラスされる斬新な制度です。例えば、基本給30万円の人が6を出したら、給料に18,000円がプラスされます。一年間連続で6を出せば、一年間で21万6000円もアップすることに。サイコロ一つで海外旅行も賄えるかもしれないというわくわくが社員を活気づけているようです。

また、カヤックでは基本となる月給が社員同士の評価で決まります。「各自が社長になったつもりで社員を報酬順に並べなさい」というアンケートが昇給額を左右するそう。もちろん半年に一度は、上司が報酬をきめる機会もあり、様々な主体が社員を評価するようになっています。

特定の人が決定権を持つのとは違い、たくさんの主観を集めることによってその組織にマッチした公平性を創出できるため、圧倒的に不満も軽減されるでしょう。

「いしころぼうし研修」と「旅するかばん持ち」で実地あるのみ!

不満その4、意味の感じられない研修が多くて辟易します。そもそも事業と関係のないところでの研修って意義あるんですかね。(20代前半 女性)

いしころぼうし
出典:http://www.kayac.com/company/institution

社会人として多くを学べる場とは、いわゆる一般的な研修ではなく実地。カヤックが作る二つの次世代育成プログラムは、先輩の仕事を間近で感じることのできる環境を生み出しています。

一つは「いしころぼうし研修」。「いしころぼうし」とはドラえもんの秘密道具で、かぶるといしころ同然に扱われるようになるというものです。社員はこの「いしころぼうし」をかぶって、社内のいたるところを歩きまわり、学びを得ることができます。

また、「旅するカバンもち」では社長から教えを受けることも可能。社長の出張に同行して、プレゼンをしたり、会話を通して社長の考えを吸収するすばらしい機会となっています。ちなみに社長は社員と同じようにエコノミー席に座り、もちろんかばんは自分で持ちます。

アップさせるべきは「社員のロイヤルティ」

不満その5、会社への満足度・・・あまり考えたことはありませんね。毎日会社に来て、働くので精いっぱいです。(20代後半 女性)

社員ロイヤルティ
出典:http://www.kayac.com/recruit

カヤックが重きを置くのは「社員の満足度」ではなく、「社員のロイヤルティ」。半年に一度、「同じ仕事をしている人にカヤックを勧めたいと思いますか」という質問をして、会社への「愛着度」を測っています。これは満足することで現状にとどまってほしくないから。

よって人事制度をつくる場合は、「皆に勧めたくなるような会社」というポイントを意識しています。具体例としては、「フリープロデューサー制度873号室」「ウルトラマン型勤務制度」。カヤックのリソースを利用して新規事業を立ち上げたい人や、ウルトラマンのごとく短時間勝負で働きたい人のために、多様なステージを用意しています。

「エピソードブログ」や「ぜんいん社長合宿」で面白い!を浸透!

不満その6、一般的な福利厚生にとどまってないで、もっと価値観を共有できる環境づくりの努力をしてほしい。部下と価値観をすり合わせる手間もかかります。(40代後半 男性)

文化
出典:http://www.kayac.com/company/institution

カヤックが「面白く」という文化を浸透させるべく作りだしたのは、社内からアクセスするネットワーク「みんなのポータルサイト」略してMINPO。伝達事項や新入社員の紹介、ナレッジの共有のプラットフォームとなっています。

ここでは、仕事上の失敗談や成功談、エピソードが集積された「エピソードブログ」が設置されているそう。新しい社員は、まずこれを読んでカヤックの雰囲気をつかんでいくのです。

また、社員の生の交流の場として生きているのは年に2回の「ぜんいん社長合宿」。社員全員が社長になったつもりで会社のことを考え、アイデアをブレストする濃密な合宿です。チームごとに競い、優勝者にはサイコロ給2倍という特典もあり。カヤックらしい粋な計らいも忘れません。

こうした一つ一つの交流の場がカヤックの「面白さ」という文化を再確認するためのツールとなっています。

ビジョンをもつこと、実験を繰り返すこと!できない企業に成長はなし!

カヤック まとめ
出典:http://www.kayac.com/vision/who

世の中の社員の方は人事の仕事に多くの不満をもっているよう。耳が痛いという方もいらっしゃるのではないでしょうか?一方で、カヤックの人事制度はその課題に応え、人事のあり方を根本から変えようという制度づくりに尽力しています。

もちろん今まで打ち出してきた施策の中には、失敗に終わったり、自然消滅したものもあるといいます。しかし「会社の運営自体がコンテンツだ」と豪語して、とにかく「面白いこと」をやってみるという姿勢は多くの成功をあげてきました。

「面白さ」を追求するビジョンを明確にし、人事制度という場で発揮させたカヤック。ルールに縛られて足踏みしている企業とは一味ちがいます。

画像出典 カヤックHPより

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マネたま編集部
「現場視点から考えると、マネジメントがもっとオモシロクなる」をコンセプトに、マネジメントに関する情報を発信していきます。