2016/10/28 公開

【後編】ナイジェリア・サッカー五輪代表を支援した男は”決戦の地・リオ”で何を食べたのか?

これが、勝負メシ。

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ブランディングとは、「自分たちが好かれたい人から、ちゃんと好かれる価値を出し続けること」

創業1年目で、カンボジアのチーム買収を決めたワケ


――株式会社フォワードさんのメイン事業は、ブランドコンサルティング事業と伺っています。「カンボジアのサッカーチームを買収する」となったとき、社内から反対の声は起こらなかったのですか?
 
加藤 それはなかったですね。当時、まだ社員が4名の頃の話ということもありましたが。
 
――そんな初期の頃に、チーム買収の話が来たんですか!
 
加藤 そうなんです(苦笑)。当時、役員の伊佐という人間に「赤字が年間で3,500万円ぐらい発生する。それが3年続くかもしれない」と相談しました。もちろん収益化させる自信はありましたが、当時はまだその道筋は見えていませんでした。にもかかわらず、彼は「海外のプロクラブを創業1年目で所有できる。こんなチャンスを得られるなんて、奇跡ですよ。俺が稼いできますよ」と言ってくれたんです。
 
――さらっとおっしゃいますが、とんでもないことですよね。年間3,500万円の持ち出しを、創業当時に許容するなんて! 並大抵の信頼感ではできないと思います。
 
加藤 もちろん、サッカー事業単体で資金を突っ込むだけでは会社が破綻してしまうので、そこはバランス感覚が必要なんですけど。
 
カンボジアンタイガーFCも1年間回して、だいぶ経営が安定してきました。いまは、大手コンサルティング会社から加入した篠田悠輔という人間がいます。まだ20代ですがすごく出来る人なので、彼に現地責任者を任せられていることも大きいですね。
 
いま、チームの拠点をアンコールワットのあるシェムリアップへ移転することを考えています。アンコールワットの近くには、古いスタジアムがあるんです。最終的には行政に「われわれがその改修費を全部出しますから、指定管理をさせてください」という形に持っていきたいと思っています。アンコールワットには年間200万人の観光客が来ます。そういった観光客向けにサッカーは年間10試合しかできませんが、レジャープールなどそういったエンタメ施設も備えたスタジアムにすることで収益が見込めると思っています。
 
――それにしてもベンチャー企業が1年目で、それもカンボジアにチームを持つというのは並大抵の決断ではないと思います。やはりその背景には、弊社のビジョン「メッシ超え、バルサ超え」があるのでしょうか。
 
加藤 そうですね。私事ですが、16年前に父が55歳で亡くなりました。弊社のスポーツ事業のビジョン「2035年メッシ超え、バルサ超え」の期限設定は、私自身が親父と同じ年齢で死ぬかもしれないということで設定しています。実際は2037年なのですが、コンサルティングのくせで10%のバッファを見ています(笑)。昨年の時点で、あと20年です。この考えがなければ、まずチームを買収していなかったと思います。
 
ただ、期限を決めるということがすごく大事です。人生は短いですし、この20年という期限は一応私の中で「実現できる可能性はある」という根拠のもと設定したものです。これが10年だったらまずムリですから。人間、やりたい度合いと実現できる度合いによってモチベーションは変わります。

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加藤明拓(かとう・あきひろ)
株式会社フォワード代表取締役社長。千葉県八千代高校出身、同高にてインターハイ優勝を経験。明治大学卒業後、株式会社リンクアンドモチベーション入社。組織人事領域のコンサルティング業務、スポーツコンサルティング事業部立ち上げ、ブランドコンサルティング事業部長を経て2014年に同社設立。
2015年にカンボジアのプロサッカークラブを買収・オーナーに就任、2016年にナイジェリアのプロサッカークラブに出資し、共同オーナーに就任。
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