【後編】「仕事は“手段”でも“目的”でもどちらでもいい。大切なのは自分を締め付けずに生きること」ジョン・カビラ

失敗ヒーロー!

2018/11/28
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マネジメントとは、相手の身になって考え、組織を俯瞰できること

――カビラさんはマネジメントというキーワードを聞いて、何を思い浮かべますか?

ジョン・カビラ:「当事者」に立ち返るということですね。こういうことを言われたら自分ならどう思うかと想像すること。それはチームメイトが相手でも同じです。そして、無理なものは無理と言える「俯瞰力」。俯瞰して見る力がない、無理と言えないカルチャーを連綿と続けてしまうと組織として大変な事態になってしまう可能性がある。そういう事態に陥らないよう、人として当たり前のことができているかと振り返ること。自分が言われたくないことは相手にも言わない。こんな幼稚園から言われることでも、人はつい忘れてしまうものなんですから。

――今悩んでいる人に対して、カビラさんだったらどのような言葉を掛けますか?

ジョン・カビラ:基本は“You’re OK”、“I’m OK”の精神だと思うんです。「君は君のままでいいし、僕も僕のままでいいんだよ、まずそこから始めよう」ということ。でも本当は、そのままではいけないわけですが(笑)。

物事をよくしようと思っていたほうが、人は幸せになれると思うんです。「ここが問題だ!」と声高に叫ぶより、「ここをこうすればいいんじゃない?」と提案してみた方がいい。例え今いる状況や環境に不満があったとしても、その理由を考えながら、まずはよいところを探して、状況を変えていく努力をしてみる。それは、オフィスに花や和めるアイテムを持って行くという簡単なことでもいいんです。それでも、もし探し出せないのなら、環境を変えるしかない。ものすごく苦労して頑張り抜いて心に怪我を負うよりは、環境を変えた方がいいと思います。

今思うと、CBS・ソニーには本当にいろいろなドアや可能性があったと思うのですが、当時はノックもしていなかったし、そのドアを探そうともしていませんでした。組織としての可能性やドアを見逃したかもしれないな、と思います。反省点のひとつですね。

――30歳そこそこで可能性に気づいたり、ノックしたりというのも大変ですよね。

ジョン・カビラ:20〜30代は大変ですよね。仕事を覚え、スキルを磨きながら、将来像を描いていく。「就社」だと厳しいものがあると思います。でも会社にはいくつものドアがあるかもしれないし、フラットな組織なら自己申告制度だってあるかもしれません。もしそれがあるならば、活用しない手はないですよね。だから、飛び出す前に「今の島(セクション)にしか自分の居場所はないと思っていませんか?」と自分自身に問いかけてみて欲しい。

仕事は手段でも目的でも、“It’s OK”。

――おっしゃる通りだと思います。

ジョン・カビラ:あとは、仕事が糧を得るための「手段」なのか、自己実現のための「目的」なのか。理想は両方ですよね。しかし、残念ながら手段と目的を両立できている人は少ない。でも、仕事は手段でも、“It’s OK”。9時に会社に行って18時までいる、仕事で得た糧で人生のバランスを取るというのでもいい。「仕事を通して自己実現するのが当たり前、人間の成功」という価値観もありますけど、そうでない俺も“It’s OK”。もちろん、仕事を通して自分の価値を証明したいという目的の君も、“It’s OK”。いろんな生き方があっていいじゃん、と思うんです。「知らず知らずのうちに世間的な重しや常識みたいなものに、振り回されてない?」と思うんですね。その重しを外して、もっと幅広い視野やオプションを持って人生を考えられた方が楽しく生きられるのではないでしょうか。それに手段と目的が入れ替わったっていいんです。人生、今は長いですから。

――本当にそうですね。カビラさんにとって仕事は手段と目的のどちらに当たりますか?

ジョン・カビラ:僕はありがたいことに、両方です。どこかで割り切らなければならない仕事もあるし、同じ仕事のなかでもシーンが分かれるわけです。「金曜の番組だけは目的だ! 徹底的に磨き上げる!」というモードで入ることもあれば、「ここは抜いてもいいんじゃない?」という部分もある。「こうあらねばらなぬ」と思って仕事することは苦しいですよね。手段と目的を自由にやわらかく出たり入ったりできた方が、後で自分を締め付けなくて済むと思います。

取材協力:J-WAVE(81.3FM)

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