石井リナ/ BLAST Inc. 女性は多様な生き方を選択できる【前編】

逆境ヒーロー!

2019/07/16
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政治やセックスの話題がタブーなのは不自然

――BLASTでは具体的にどのようなコンテンツを配信していますか?

石井:BLASTがとりあげる範囲は「社会問題からセックス」までです。私たちはもっといろんな生き方や選択肢があってもいいのではないかとさまざまな視点を提案しているんです。例えば、IGTV番組で「恋愛」「結婚」「家族」という対人関係もカスタマイズしてもいいのではないか、という提案をしています。

――セックスや政治というと、ある意味でデリケートな話題ではありますよね。

石井:セックスやポリアモリー(複数恋愛)の話をデリケートにする必要はないと思います。ごく普通の女の子がセックストイを紹介する番組も作ったりしました。セックストイについての話をするのはAV女優さんや女医さんなど限られた人だけになってしまいがちですが、それも不思議なことだと思いましたね。タブーとかデリケートな話と捉えずに、あえて世間的にはタブーと言われがちな内容について発信するようにしています。

――それらの話題がタブーやデリケートであること自体に違和感があると。

石井:そうですね。例えば、セックスに対して積極的な女性のことを日本ではビッチ、ヤリマンと呼んだりしたりしますよね。しかし欧米ではそういう人を“セックスポジティビスト”と呼ぶこともあるそうです。捉え方が全然違いますよね。

――BLASTを立ち上げたことで、周りからの反響はいかがでしたか?

石井:女性エンパワーメントに特化したメディアがそれまであまりなかったので、反響は大きかったですね。一対一の関係だけではなく複数恋愛という形もあるだろうし、結婚はせずに子供を産むという選択肢もあっていい。そういったさまざまな人間関係の形をとりあげることで、女性たちから「共感した」とフィードバックをいただくようになりました。「自分は変だと思っていたから安心した」「価値観が広がった」というような声もありましたね。

現実を目の当たりにして傷ついても、“知ること”で社会は変わる

――さまざまな生き方を発信することが読者へのケアにもつながったのですね。BLASTを通じて社会をどのように変えていきたいと考えていますか?

石井:そもそも差別を受けていることに気づいていない人たちが多いと思うので、まずはフェミニズムについて知ってほしいです。でも実際に男女格差や差別について知ることで、傷つくこともあると思います。「あれは差別だったんだ」と自覚することによって、つらい思いをするかもしれません。でも長期的な目で見ると、「知ること=救うこと」だと私は信じています。

最近は女性同士の格差もありますね。例えばシングルマザーで生活保護を受けている女性と、結婚していて自身も年収1,000万円で子育ても仕事もこなしている女性がいたとして、その場合はお互いの境遇に共感することって難しいですよね。昔は男女雇用機会均等法など戦う相手がいたからこそ団結していた女性たちが、今は時代の流れも変わって女性同士の格差が広がってきているそうです。若い世代は差別を受けている自覚もなく、女性同士の連帯ができない現状があります。これはとても根深い問題だと思いますし、そういった意味でも、まずはフェミニズムについて理解することが大切だと感じています。

後編では…

日本における男女格差や女性が置かれている境遇について知ってもらいたい。そんな想いでBLASTを立ち上げた石井さんですが、起業してから1年が経った今も課題は多いといいます。後半では石井さんが感じる逆境、社会問題に対しどのようにアプローチしていくのか、そして石井さんが貫く“生き方”についてお伺いします。

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