石井リナ/ BLAST Inc. 女性は多様な生き方を選択できる【前編】

逆境ヒーロー!

2019/07/16
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成功の裏には、逆境が隠されている。そんな逆境をはねのけ活躍する“インディペンデントな人たち”の成功の秘訣に迫る『逆境ヒーロー!』。今回は女性向けのエンパワーメントメディア『BLAST』の運営や、ミレニアル世代・フェミニズムについての連載などで活躍中の石井リナさんが登場。女性が置かれている現状を変えていくために、身をもって体現していく石井さんの『BLAST』立ち上げに込められた想いに迫っていきます。

「女性たちに現状を知ってほしい」BLAST立ち上げの経緯

――現在は、女性向けエンパワーメントメディア『BLAST』の運営を行っている石井さんですが、まずはBLASTの主要なコンテンツ内容となる「フェミニズム」について関心を持ったきっかけを教えてください。

石井リナ(いしい・りな)
1990年生まれ。ウェブ広告のコンサルタントを経て、SNSコンサルタントやライターとして活躍。2018年に起業し、女性向けエンパワーメントメディア『BLAST』を設立。社会問題からセックスまでをとりあげ、InstagramやYouTubeで女性たちのさまざまな生き方を提案している。「アドタイ」「朝日新聞デジタル」「フォーブス ジャパン」などでもコラムを連載中。

石井リナ(以下石井):私は中学・高校と男女別学で、クラスには女性しかいない環境で過ごしてきました。女性であるというだけで理不尽な差別を受け憤りを感じたりと、潜在的にフェミニストとしての意識はずっと持っていたと思います。日本の性教育についても、100年くらいアップデートされていない現状に疑問を抱いていましたし、「明日は我が身」とずっと思って生きてきましたね。

自分はまだ性暴力などの被害にはあっていないけれど、もしかしたら明日は自分が被害者になるかもしれない。そう思うと、「早く自分たちの身を守る制度を整えたい」という気持ちは当たり前にありました。潜在的にも意識的にも、女性を応援したい気持ちはずっとあったと思います。

――自分が被害にあってはいなくても、「明日は我が身」と思ってずっと生きてきたと。

石井:そんななかでも特にフェミニズムという時代の流れを意識するようになったのは、欧米のSNSの存在がすごく大きいです。新卒でIT系の広告代理店に入社し、SNSマーケティングにずっと従事してきました。SNSマーケティングというと日本よりも欧米のほうが最先端なため、欧米のメディアや企業、さらにトップインフルエンサーと呼ばれている人たちのアカウントを500ほどフォローし、定期的にリサーチしていました。企業がどういう風にSNSでユーザーとコミュニケーションをとっているのか、どういったクリエイティブを発信しているのか、いろいろと調べていたんです。

例えばですけど、社会的意義のあるトークイベントをスターバックスが主催してその様子をInstagramで配信したり、インフルエンサーがウィメンズ・マーチ(※)について言及しないとバッシングされるなど、海外は社会と個人との距離がすごく近い印象を持ったんです。日本だとSNSで議論するような動きも全然なくて、そこに海外と日本のギャップを感じましたね。

SNSではハッシュタグを活用することで、個人の意思を表明することができます。海外では2017年に「フェミニズム」という言葉がハッシュタグ内でも使われるようになり、そのころから自分の意識も変わっていきましたね。

※2017年のトランプ大統領の就任をキッカケに、男女平等や女性の権利向上を訴えるほか、性的指向による差別や人種差別などにも声を上げてきた社会運動。

――フェミニズムに対する活動が注目されるようになり、日本でも少しずつ男女格差について疑問を持つ人が出てくるようになりましたよね。

石井:そうですね。それでも日本人は男女格差についての認識がとても足りないと思っています。例えば、男女の不平等さを表す数値のジェンダーギャップ指数によると日本は149カ国中110位。つまり下から数えたほうが早いんです。私はずっと日本で暮らしていたので、当たり前に日本は先進国で“男女平等の国”だと思っていました。でも世界的に見たらそうではなかったことに、すごくショックを覚えましたね。

――149カ国中、110位という事実を自覚していない人は多いかもしれないですね。

石井:日本の女の子たちは抑圧されていることに気づいてすらいないのが問題だと感じました。例えば最近では、上野千鶴子さんの東京大学での祝辞が話題になりましたよね。あの祝辞で男女格差の状況に驚かされた方も多いと思いますが、私自身も上野さんにお会いした際に「もっとフェミニズムの歴史を勉強しなさい。もっと男女格差の事実に気づきなさい」と言われました。

他にも、アフターピルのオンライン処方の決議が現在進められていますが、検討委員のほとんどが男性なんです。しかもオンライン処方の前提として「性犯罪に遭った女性に限る」という条件付きになるかもしれません。検討委員が男性ばかりなのもおかしいし、性犯罪被害者の方はもちろんですが、それ以外の女性が中絶を選択することも権利の一つだと思います。女性の体の問題について、なぜ男性が決めるのか。そういった当たり前に考えて不自然な事実が存在している。まずはその事実を知ってもらうことから始めようと思い、BLASTというメディアを立ち上げたんです。

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