【前編】「芸人も社長業も、差別化とリアクションが命」・入江慎也(芸人)

逆境ヒーロー!

2018/12/26
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ビジネスでは差別化とスピード感がものを言う

――自らの強みをわかっているからこそできることですね。

入江:芸能人でも、ライターでも、カメラマンでも、数いるなかから差別化していかないといけないわけですよね。フリーだったら誰でもいいなか、どうやって仕事を取ってくるか。例えば毎回お土産を持ってくる人がいれば、話題になりますよね。その人についてめっちゃ調べてきているなと思えば、頭に入れておいて次の紹介につなげたりする。名刺ひとつでも差別化が大事ですよね。そういうことって大切だなと思っています。あとは売れている人はみんなスピードが速いです。返信も速いし、人に興味を持っていると思います。自分の見られ方もわかっていますよね。あとは、やっぱりちゃんとリアクションを取れる人がいい。リアクションを取ってもらわないと、喋っていてもつまらないですから(笑)。

――勉強させていただきます(笑)。ビジネスパーソンでも真似できそうなことはありますか?

入江:ビジネスパーソンでもリアクションはやっぱり大事だと思いますし、あとは人より時間を使うことですね。差が埋まっていないのなら、なおさらです。みんなが休んでいる時にこそ動く。みんな休みたいものですから。

――入江さんはいつからそういった差別化を意識してきたんですか?

入江:吉本に入ってからですね。相方の矢部が先にテレビに出て、僕は名前を覚えてもらえなかった。覚えてもらうためにはどうすればいいのかなと思っていました。仕事で名前を覚えてもらうことが難しかったので、まずはプライベートからだなと。当時、先輩芸人の多くが麻雀をやっていたので一緒に打たせてもらったり、飲み会に女の子を呼んだりして。そういうことから始めて、徐々に名前を覚えてもらってテレビに呼んでもらえるようになりましたね。

会社経営は「社長をしている芸人」というキャラ作りのため

――今だとプライベートと仕事は分けたいという人も多いですが、そういうアプローチはまだまだ効果的だと思いますか?

入江:そうですね。ただ食事の場にいるのか、その場にいながら先を見ているのかの違いってあると思うんですよ。先輩とご飯に行くなら「このエピソードトークをしよう」と準備して行きます。喋れたら達成、笑ってくれたらチャンスです。サラリーマンだとしたら「覚えてもらおう」とか、「何かテクニックを盗もう」とか、目標を持っていくだけでも違うと思います。でも今の時代、上に行きたいって思う人がそもそも少ないなと思うんですよね。

――そこそこでいいという人も多そうですよね。入江さんは上昇志向が強いんですね

入江:やっぱり貧乏は嫌なんですよ。お金があれば選択肢が増えるのは確かですから。特に吉本は「後輩には奢る」というのが絶対なので芸人を続けるにも維持費が掛かるんですよ。

――いくら後輩が売れていようが関係なくですか?

入江:それは絶対ですね。だからお金がなければ後輩とご飯も行けないですし、お祝いもできないし、塞ぎ込んじゃうと思うんです。そうするとネタもできない。それが嫌で、会社を作ったんですよね。吉本に入ってお金を稼ごうと思ったのに、この世界はお金が掛かるからって会社を作っているという矛盾(笑)。自分でもよくわからない感じになっています。

――芸人さんって本当に肥やしがいるんですね。入江さんが目指す社長像はありますか?

入江:ないですね。テレビの仕事にすべて返ってきたらいいなと思います。会社を経営しているのは“社長をしている芸人”というキャラ作りのためでもあって、社員にもそう言っていますから。だから、僕がいなくても会社が回っていくように社員には頑張って欲しいなと思っています。今は僕がいないと回らないんです。打ち合わせをしていても、相手から僕にしか視線が向けられていないなとわかるんですよね。

――今社員さんは何人いらっしゃるんです

入江:僕を入れて4人です。みんな社会人経験がないからある意味博打です。だから最近は、僕がいなくても回るように、軸として人材サービスを始めました。芸人やアスリートのセカンドキャリア支援ですが、そういう人を欲しいという人はいっぱいいて、会社の受け皿もめっちゃあります。でも優秀な人が少ない。そういう人材を探すのがこれからの仕事ですね。芸人は芸人を辞めたらバイト先にそのまま就職することが多いんです。だから「いつでも僕の所に相談に来い」という会社になれたらいいと思っています。将来的に芸人やスポーツ界を引退してきた人の受け皿になれれば。

後編では…

自分を売り込むための極意から、社長として、芸人としての在り方についてさらに深く伺っていきます。

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