2018/05/16 公開

マウンティングには「愛」で対処せよ! 職場で起こりがちなマウンティングについて犬山紙子さんに聞きました

「働く」を考える。

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「マウンティング」という言葉をご存知ですか? 本来は、動物が群れの中で順序確認のために行う行為のことですが、最近では「人間がオブラートに包んだ物言いで、自分のほうが上であると相手に示す行為」のこととして、認識されつつあります。下手をすると、人間関係を壊しかねない「マウンティング」。今回はこの「マウンティング」について詳しく知るべく、2014年に『女は笑顔で殴りあう:マウンティング女子の実態』(筑摩書房)を漫画家の瀧波ユカリさんと共著で出版された人気コラムニストでタレントの犬山紙子さんにお話を伺いました。

「マウンティング」とは?

――犬山さんは、『女は笑顔で殴りあう:マウンティング女子の実態』でマウンティング女子について語られています。どうしてこの本を書くことになったのでしょうか?

「マウンティング女子」という言葉は、もともと瀧波ユカリさんが当てはめた言葉なんです。私が『嫌われ女子50』(ベストセラーズ、2013年)という本を書くにあたって瀧波さんにお話を伺った際に、瀧波さんの口から「マウンティング」という言葉が出てきました。瀧波さんはそのとき、「マウンティング」を「オブラートに包みながらも言葉や態度で自分の優位性を誇示してしまうこと」だと説明されていました。その解説を聞いていたら、「これって日常の中でよく経験することだな」とすごく腑に落ちたんです。そのことをTwitterに書いたら、フォロワーのみなさんから「わかるわかる」という反応があったので、「マウンティング」についての本を出そうという運びになりました。

――みんながモヤモヤとしていた行為に、名前がついたと。

それまでははっきりと名前がついていなかったこともあって、誰もがなんとなくマウンティングしちゃってたんですよね。私もなんとなくマウンティングをしてしまった後に、モヤっとしてたんです。「今日の自分、なんか嫌な奴だったな」って。

――ご著書によると、マウンティング女子は大きくわけて、7つのタイプ(親友型・カウンセラー型・プロデューサー型・事情通型・自虐型・無神経型・司会型)があるとのこと。4年前に出版されてから、マウンティングを取り巻く環境に何か変化はありましたか?

私個人の話で言えば、この本を出してから、全然マウンティングされなくなりました。それだけ「マウンティング」という言葉が広まったということだと思います。別の方が書いた本の中にも、この言葉を見かけるようになりましたしね。

――ご自身は当時、頼まれてもいないのに人をプロデュースしようとする、「プロデューサー型のマウンティスト」だと本の中でおっしゃっていました。やはり、本を書かれてからは気をつけるように?

この本を書いたことで、「マウンティングしちゃダメだ」という考えが染み付いたので、マウンティングをしたいと思わなくなりましたね。本の中に私と瀧波さんが2人で、マウンティスト同士が起こしがちな言い合いをシミュレーションしているページがあります。そこも含めてこの本でマウンティングへの毒を出せるだけ出せたような感じです(笑)。

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それに、マウンティストって、計算してマウンティングしている人と自然とマウンティングしている人の2種類にわけられると思うんですよ。私は計算せずに無意識でマウンティングしていたんですけど、計算型の人は「マウンティング」という言葉が生まれたからといって、やめるわけじゃないと思います。だから、計算型のマウンティストには、要注意ですね。

――SNS上でのマウンティングについてはどう思われますか?

本人は自慢する気がない投稿でも、写っているものや取り上げられている話題について悩んでいる人からすると、「マウンティングされた」と勘違いされてしまうことがあるんです。たとえば、芸能人が子育てブログにアップした投稿に対して、そんなに怒るような内容じゃないのに怒っている人っていますよね。あれはまさに、そうしたことに近い現象が起きているのかな、と思います。

職場でのマウンティングはいじめにも発展する!?

――女性同士のマウンティングは恋愛や結婚、容姿やファッションに関して行われることが多そうですが、男性のマウンティングにはどんな特徴があるのでしょうか?

男性同士のほうが、女性同士よりもちょっとストレートにマウンティングしているな、という気がします。個人的に思うのは、女性は男性よりオブラートに包んで表現するので、女性同士のマウンティングのほうが気づきにくいんですよね(笑)。

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――職場で起こるマウンティングについてはどうですか?

職場では、男女問わずマウンティングが繰り広げられていると思います。
「私のほうがあなたより成果を出してますよ」ということをオブラートに包んでアピールすることが、その典型です。同期や少しだけ年上の先輩、もしくは少し下の後輩くらいの近い立場同士で行われることが多いですね。
たとえば先輩が、後輩や同僚に「残業お疲れさま! 偉いね、頑張り屋さんだね。私は効率命だから残業する根性なくて」と言ったとします。それはつまり、「あなたと違って効率良く仕事しているから、私は残業しないの」って解釈することもできますよね。

――言われてみれば、「そんなことよくあるかも」という気がします(笑)。

あとは職場の外でも、「へぇー、下積み頑張ってるねー。俺は今、上司に気に入られて出世しそうでヒヤヒヤだよ、もっと下積みしたかったなー」とか、「え? 会社で企画立ててるんだ! すごいね〜! 私もこの前あの大企業にプレゼンしてさぁ……」みたいに、高校や大学の頃の同級生同士でマウンティングし合う、ということもよくありますね。

――確かに……。なんだか耳が痛い……いたたまれない気持ちになってきました(笑)。ところで、マウンティングが立場の近い人同士で行われることが多いのは、どうしてなんでしょう?

マウンティングしてしまう相手って、基本的に自分が気になっている人で、自分のコンプレックスを刺激するような人なんですよ。だからそもそも気にならない人には、マウンティングしないわけです。
となると、おのずとマウンティングする相手は「私よりも少し上かも」とひそかに思っている人や、「なんでこの人、こんなに評価されてるの?」と疑問を持っている人になってきます。だからもし職場でマウンティングされたら、「こいつ私のこと気になってるんだな」くらいに思って無視しておくのが良いと思います。徒党を組んでマウンティングしてくる人がいたら、それはいずれいじめに発展するので対処すべきですけど。

――確かにマウンティングって、エスカレートするといじめに変わる危険性を孕(はら)んでいますよね。

もしもマウンティングがいきすぎていじめに近い目にあったとしたら、我慢する必要はないと思います。何も立ち向かうことだけが解決策ではありません。だから、近くに「マウンティングモンスター」がいて実害を受けそうになったら、すぐに信頼できる上司に相談すべきだと思うんです。あるいは、事情を話せそうな人たちに相談する。理解者をつくっておくことは、自分自身の身を守るためにも大切なことです。

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