「ブラック企業へようこそ!」セブンコードが採用ページで社内事情をさらけ出す理由

2016/05/12
Pocket

皆さんは「ブラック企業」と聞くと、どんなイメージを思い浮かべますか?

長時間労働を強いる、給与が安い、さらに人間関係も最悪……等。ネガティブなイメージを持ち、できることなら自分が働くことは避けたいと思う方が多いのではないでしょうか。しかし、そういったブラック企業は内情を隠して採用活動を行うため、新入社員は入社して初めてブラック企業だったと知ることも少なくありません。

それに逆行し、WEBプロモーション事業を行う「株式会社セブンコード」は、採用ページで自らを「ブラック企業」と公表し、売り文句にまでしています。

出典:http://7chord.com/portfolio/
出典:http://7chord.com/portfolio/

なぜ、あえて「ブラック企業」というブランディングを行い、採用活動をしているのでしょうか。社内のありのままをさらけ出す理由を、代表取締役の濱野秀昭氏に伺いました。

「ブラックじゃない」という企業がいるなかで、うちは逆にブラックだと断言したほうが面白いと思った。

セブンコード3
– 御社は「ブラック企業」というブランディングを行っていることが非常に印象的なのですが、始めたきっかけはどのようなものだったのでしょうか。

濱野:新卒採用をはじめて今年で6年目になるのですが、最初あまり上手くいかなかったことがきっかけですね。優秀な学生も選考に来てくれて、何人か内定を出すのですが、優秀な人こそ大企業など別に“第一希望の企業”があって、なかなかうちが第一志望になることが難しかったんです。

それを変えるためにはどうしたら良いのかと、大企業とうちの違いを考えました。すると、うちは一般的に「ホワイト」なイメージがある大企業と比べたら給料は低いし、残業時間は長いし、離職率も高いので明らかに「ブラック」なんですよ。なので、もう最初からブラック企業とぶっちゃけてしまうことにしました。

– なるほど。3年ほど前には、「ブラック企業」という言葉が流行語大賞でも注目されましたよね。

濱野:その頃、とある企業の社長が「うちの会社はブラックじゃない」と発言したことについて批判を受けていました。それを見て、うちは逆にブラックだと断言したほうが面白いなあと思いましたね。

その甲斐あって、今まで「ウェブの会社に入りたい」と言っていた人が「セブンコードに入りたい」と言ってくれたこともあって、もっと突っ込んで行こうと決めました。

– このブラック企業ブランディングに振り切ってからは、採用の質が変わりましたか。

濱野:全然違いますね。そこでふるいにかけられるというか、ブラック企業に入りたくない人はまず応募してこないです。新卒採用を始めて4年目には「大学を辞めたら100万円」という、大学を辞めて入社したら、100万円のボーナスを差し上げるという企画を始めました。

出典:http://7chord.com/blog/black/black-16/
出典:http://7chord.com/blog/black/black-16/

– かなりインパクトのある企画ですね!実際に大学を辞められて入社された方はいらっしゃったのでしょうか…?

濱野:さすがにいませんでしたね。

人事制度は根本からおかしい。今は労働者の力も強くなっている。

– 濱野社長が既存の人事制度について、疑問に思う点はありますか。

濱野:何もかも、根本からおかしいと思いますね。もともと狩りや農業をチームワークでなんとかしようとしたのが“仕事”の始まりです。そして産業革命によって、工場が生まれますよね。それまで各々でやっていた仕事が、設備のある工場中心になりました。

そうすると、個人はそのような組織に頼らざるを得なくなりますよね。そこで経営者の力が強いから、労働者の権利を守りましょうというのが労働基準法なんですよ。

– そのような歴史的な背景があるのですね。

濱野:この労働基準法によって企業は「労働者の最低限の権利を守りなさい」と呼びかけられていますが、今は労働者の力も大きくなっているように感じます。たった1人で大きな会社も潰せるし、辞めても他に行けるし。

辞めて転職できる自由がある時点で、今は労働者の方が強いんですよ。でも、法律は「弱い労働者を守れ」ということになっています。そもそもそこがおかしい、もっと会社を守ってくれよと。

- 確かに、「弱いものは絶対」という風潮がありますよね。

濱野:その通りです。世論が「弱いものは正しい」という考えを持っているのが古いというか。「弱いものを助けよう」という考えがおかしくて、「弱いものを強くしよう」という考えが正しいんですよね。それこそ優しさですし。

「弱いまま生きたらいい」という風潮が未だに根強いんです。生活保護だって言わば自立支援じゃないですか。そういう風潮がいけないんじゃないかなと思いますね。自立っていうところが欠けているんじゃないかと。

労働基準法、おかしいよーー!!!!!
労働基準法、おかしいよーー!!!!!

– 熱く労働基準について物申していただきましたが、御社が社員に最低限求めることって何ですか?

濱野:ベンチャーに来る以上、ガツガツしていて欲しいです。ベンチャーで働きたいのに、安定志向に入る人って本当に多いんですよ。長時間働いている先輩を見て、「僕は家で家族と食事ができる時間を大切にしたいから」と新卒で入って2年もしないうちに辞めた人もいたんですよ。

そんな、あっさりと意欲を捨てるような人に予算をかけられないと考えています。

– 自分がどんな暮らしをしたいのか、どんな働き方をしたいのかという軸が固まっていなかったのでしょうね。

濱野:そうですね。採用や育成については考えうる手を打ち続けてきたのですが、私を筆頭に会社が弱かった。新卒を育てる能力がなかったと思います。なので、セブンコードは新卒を教育することを辞めました。

– それは、どういうことでしょうか?

濱野:自分で育てる力がないなら、他人に育ててもらえばいいんだ!という発想から、セブンコードでは、他の企業で社会経験を積んで、自分の価値観や指針をしっかり持った人を採用したいと思いました。

そこで、他の鳥の巣に卵を産みつけ、育ててもらうカッコウを参考に、“他の企業の正社員15ヶ月以降~5年まで、いつでも入社OK”という「カッコウ採用」を始めました。よく“自分に合う会社を探したい”、“やりがいを探したい”なんて言いますけど、能力が無い人に合う会社なんてありませんから。

(次ページ:社員の給料明細を毎月公開!その意図とは……?

マネたまご マネたまをフォローすれば最新記事をお届けします!
運営会社 | Copyright © kaonavi, inc. All Rights Reserved.