2017/07/21 公開

「真に唯一無二を目指すには、独学という選択しかあり得なかった」・いっこく堂

弟子入り!マネたまくん

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今回弟子入りさせていただくのは……

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いっこく堂 
沖縄県出身。1982年、TV番組「笑ってる場合ですよ!」のグランドチャンピオンになったことをきっかけにものまねタレントとしてデビュー。『劇団民藝』に入団し、舞台俳優として活動。その後、独学で腹話術を習得。1992年から「いっこく堂」の名前で独立し、腹話術師として活躍。技術の高さと唯一無二のパフォーマンスから、国内外で高い評価を受け続ける。2017年で芸能生活35周年を迎える。

「唯一無二の芸」を目指す、絶対的なゴール設定

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単独ライブを前に特別にお時間をいただき、見る人を驚きの世界へと誘う、その腹話術の“原点”についてたっぷりお話を伺いました。

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僕の腹話術は、すべて独学です。なぜなら僕が目指したのは“腹話術師”ではなく、“誰もやったことのない芸を披露する腹話術師”だったからです。弟子入りをすれば、まずは師匠の模倣から始まります。いずれオリジナリティが出てくるにせよ、そこかしこに師匠譲りの技術が顔を出す。真に唯一無二を目指すには、独学という選択しかあり得なかった。

悩むこともありました。落ち込むこともありました。ただ、「新しい芸を生み出し、完璧に披露できれば、お客様に楽しんでもらえる」という思いは明確でした。そのゴール設定さえ明確であれば、いつかそこに辿り着けます。プロセスの一つひとつをゴールに設定してしまうと何度も失敗にぶち当たり、くじけてしまう。けれど「真に唯一無二の芸」というゴールを目指せば、途中にある失敗も鍛錬の一つ。乗り越える努力を続ければ、失敗にはなりません。

複数の人形を同時に操る腹話術、人形を使わず、声だけで演じる腹話術……。僕が編み出した腹話術はすべて、「真に唯一無二の芸」という原点に集約されます。だから僕自身も、弟子は取りません。取らないと決めています。僕に弟子入りをし、僕を模範にするような学び方では、唯一無二の芸を生み出すことはできないからです。

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そんな“独学者”いっこく堂さんが、唯一参考にしたのが今では絶版となっている『だれにもできる腹話術』という腹話術の基本書。「高い声を出しましょう」とススメる本書を熟読し、「だったら僕は高い声だけじゃなく、いろいろな声を出す腹話術師になろう!」と、独学への想いを深めたと言います。

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僕がいて、人形がいて、そこには複数の人格が存在しないといけません。そのため、同じく人形を使う人形劇と根本的に違う点が“人形の気持ちになって演じてはいけない”ということ」。そのお言葉通り、目の前にはいっこく堂さん一人しか存在しないのに、さまざまな人格が浮かび上がります。

弟子を取らないいっこく堂さんに、弟子入り!

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「弟子は取りません」と宣言するいっこく堂さんに、プチ弟子入り。今回は『マネたま』のキャラクターとして生まれた人形に命を吹き込んでいただきます! ちなみに名前は何の変哲もなく、「マネたまくん」です。

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このマネたまくん人形、実は出来立てホヤホヤ。何のキャラクター設定もなく、お邪魔したマネたまスタッフですが、いっこく堂さんの手に掛かると……

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「俺に命を吹き込む? くだらねぇことやらせるなよ。ギャラも出ないのに無理矢理、連れてこられただけなのによぉ!」

と、酒焼けしたようなダミ声に、いかにもひと癖ありそうな言葉を繰り出すふてぶてしいキャラクターが生まれました。

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一見、何も考えていなさそうな癒やし系に見えて、実はひと筋縄には行かない、ひねくれた性格が透けて見えます。この人形に人格を与える作業は、完全にインスピレーション。初体験の人に抱く“第一印象”とまったく同じです。

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そもそも僕は役者に憧れ、まずは人前に出る度胸を付けようと、ものまねタレントからキャリアをスタートさせました。人格を与える作業も、ものまね芸に似ています。僕の頭の中に蓄積された人物像から「この人形は、あの人に似た雰囲気を漂わせているな」と、人形に似た人物をものまねの要領で真似することで、人格を持たせる手法です。

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いっこく堂さんの芸を見ると、マネたまくんが癖のある皮肉屋にしか見えてこないから不思議……。スタッフも挑戦してみますが、腹話術の技術以前に、人格を分けることが、とにかく難しい。「習得するにはコツより何より、とにかく訓練。今では複数の人格を演じ分けるのはもちろん、お客さんのテンションを操ることも可能です」とのお言葉にひれ伏すばかり……。

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