2016/10/20 公開

【後編】朝日新聞メディアラボ室長・堀江隆さんが「決断」の時に思い出す言葉とは?

思い出す言葉

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「新聞だから」「朝日だから」というくくりにとらわれず、自分たちの領域を積極的に広げている

自主性に任せることは、なかなか難しい

――改めて、現在携わっておられるお仕事についてお聞かせください。

堀江 一言でいえば、新しい事業の立ち上げ、その管理やサポートですね。新しい事業の成長にあわせた人員や予算をどう整えるのか、いつも悩みます。うまくいっていない事業について相談を受け、アドバイスすることもあります。

メディアラボには様々な事業やプロジェクトがあり、担当するチームも個別に動くことが多いんです。だから全体を俯瞰して「この事業と、あのプロジェクトが連携できないのか」と話し合うこともあります。また朝日新聞社として、メディアラボとして、どういう分野を攻めていくべきなのかという議論を深めていくことも、私の役割です。

――メディアラボのメンバーには、どういう方が多いのでしょうか。

堀江 チャレンジ精神にあふれ、外を向いているメンバーが多いですね。「新聞だから」「朝日だから」という縛りにとらわれず、自分たちの領域を積極的に広げているメンバーです。そういう姿勢が、結果として様々なネットワークを広げ、新商品・新サービスの開発にも繋がっていると思います。

新聞社はどこもそうかもしれないですが、基本的に縦割り組織です。他部門のことは、なかなか見えにくい。でも、メディアラボには多種多様なメンバーが集まっています。私は記者出身ですが、イベントに取り組む企画事業出身のメンバーもいれば、エンジニアのような技術畑、営業を担う広告・販売から来たメンバーもいます。異なるバックグラウンドのメンバー同士が話し合うことで、新しいアイデアが生まれる面はあります。

――多種多様なメンバーがそろうメディアラボにおいて、堀江さんはどのようなマネジメントをされているのでしょうか。

堀江 基本的には、各プロジェクトリーダーの自主性に委ねるようにしています。自由な雰囲気は、他の組織と違うところです。メンバーから直接相談を受けることも多いですね。大変ですが、やりがいのある仕事です。可能な限りアドバイスをしているつもりですが、自主性に委ねないと回らない部分が多いので最終的には各チームリーダーを信じて任せるようにしています。間合いの取り方は、なかなか難しいんですけどね。

――以前いらっしゃった経済部との違いを感じることはありますか。

堀江 私が2015年3月末まで部長をしていた経済部には70人のメンバーがいました。ただ、各部署を担当するキャップやデスクがおり、その縦のラインでがっちりグリップしているため、部長まで上がってくる案件は絞られていました。まあ、それだけこじれていたり、大変になったりした案件になるわけですが(苦笑)。

メディアラボのマネジメントは本当に難しいです。「もっと管理を強化しろ」と指摘されることもありますが、逆に「ラボ内での自由な議論が減った」と言われることもあります。売り上げが立ってきた事業には、他部門のような管理が必要になるかもしれませんが、管理を強めすぎても自由な発想の芽を摘んでしまうかもしれない。

新事業の「芽」を自由に探す仕事と、既に立ち上がった事業を育てる仕事。この二つの仕事で求められる考え方も姿勢も随分違いますよね。メディアラボ発足から3年を超えたわけですが、そのバランスは本当に悩ましいです。新しいメディアラボの姿をどう描き、これまで培った良さをどう伸ばすか。まさに「ニーバーの祈り」の「見極める英知」が試される時期を迎えたなと感じています。

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堀江隆(ほりえ・たかし)
朝日新聞メディアラボ室長。1987年朝日新聞社入社、横浜・甲府支局を経て東京経済部・政治部などで首相官邸、自民党、外務省、金融、財務省、自動車、流通などの担当記者。経済・政治両部でデスクを経験。2012年に東京編成局長補佐(朝刊編集長)、2013年東京経済部長。2015年から現職。
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マネたま編集部
「現場視点から考えると、マネジメントがもっとオモシロクなる」をコンセプトに、マネジメントに関する情報を発信していきます。