「デイリーポータルZの読者が好きなんですよ。すごく。」林雄司

思い出す言葉

2017/04/03
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ネットのコミュニティを突き詰めるとリアルになる

Hayashi Yuji 1-5

――デイリーはよくイベントも開催していますよね。

 ネットのコミュニティを突き詰めていくとリアルになるんですよ。最近は模型やデザインなどのフェスタに参加するサークルがすごく増えているそうです。ネットで仲間を募って活動を始めたら、次はイベントに出るという流れなんですよね。デイリーもネットからリアルに行こうと思って、ニフティが運営する「東京カルチャーカルチャー 」とかで定期的にイベントを開催しています。

――2016年10月にはハロウィンパーティー、2017年2月には「Webメディアびっくりセール」を企画されました。

 「地味な仮装限定ハロウィンに300人が集まった 」では、読者と交流できて楽しかったですね。僕が読者に会いたいから、イベントを企画しているのかもしれない。

Webメディアびっくりセール 」は、メディアを作っている僕たちも読者もみんなで集まれたらいいなぁというホワッとした気持ちから。メディアを横断するようなイベントをずっとやりたいと思っていたんです。呼びかけたら約40のメディアが参加してくれて、来場者数も1400人以上という大盛況になりました。

2017年の3月には、アメリカで開催された「South by Southwest 」というイベントにも参加してきました。 呼ばれてないけど、「顔が大きくなる箱 」を持って(笑)。モニターの中では何をやっても驚かないけど、リアルでやったらおかしいじゃないですか。

――林さんは書籍も執筆していますよね。ネットとリアルの違いを感じますか。

 僕はネットが出発点なので、本も同じように読みやすくしようと思って書いています。編集者的ですけど、開いた時に必ず小見出しがある、字ばかりのページにならないようにする、といったこと。本を読み慣れていない人が読めるように心がけているんです。あとは、ネタを仕込みますね。『世界のエリートは大切にしないが、普通の人にはそこそこ役立つビジネス書 』の文庫版では、僕がピケティの真似をしています。よく見ると眉毛をテープで貼って上げているんですよ。それをネットでネタばらしをしておく。ある意味、ネットとリアルの連動企画ですよね(笑)。

――リアルならではの楽しみを提供しているんですね。

 『やぎの目ゴールデンベスト 』では、白のカバーに白のインクでまだら模様をつけてもらいました。書店で並んでいるのを見ると普通なのに、家に帰ると「あっ!」て気づいてもらえるお土産感を出したかったんです。リアルは五感で楽しめるのがいいですよね。お得感があって。

みうらじゅんさんが童貞をテーマに した『D・T 』を書いたとき、「カバーの裏を童貞っぽくした」と言っていたんです。触ってみると、なんかネットリしてるんですよ(笑)。手汗を表現したようなシットリ感。それがおもしろくて最高だなって。紙でしか使わらないことですよね。本を出すときには、そういう笑えるところを入れたいんです。手触りが変、値段が半端、プロフィールに誤字とか。コソッと入っているので探してみてほしいですね。

――Web業界では、「紙は必要ない」と言われることもありますが……。

 僕は本をすごく買うんです。書店でもAmazonでも買う。ノンフィクションとか、人の行動を理論的に説明したものが好きですね。ネットでは見られないからです。理想はこういう本をポップに解釈して企画にすること。今のところ、何一つ役立っていない(笑)。

でも、内容ではなくてキーワードが役に立つことはあります。「底なし沼」とか。最近は「タオル地のサル」が気になって、メモアプリにストックしました。後で読み返してもよく分からないキーワードもあるけど、インプットを増やしていくことが大切だと思っています。

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