haru./HIGH(er)magazine編集長 コミュニケーションの秘訣は自分の“正しさ”を押し付けないこと【後編】

逆境ヒーロー!

2019/08/15
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成功の裏には、逆境が隠されている。そんな逆境をはねのけ活躍する“インディペンデントな人たち”の成功の秘訣に迫る『逆境ヒーロー!』。今回はインディペンデントマガジン『HIGH(er)magazine』の編集長を務め、アーティスト活動の場を広げるharu.さんが登場。雑誌立ち上げに隠されたharu.さんのプライベートな一面に迫った前編に続き、後編では2019年6月に設立した株式会社HUGに込めた想いやharu.さん流のコミュニケーションの秘訣についてお伺いします。

「自分のやりたいことを選択していい」と伝えたい

――前編でお話しいただいた「作品作りはライフワークの一つ」というお話がとても印象的でした。制作をしていくなかで、苦労を感じることはありませんでしたか?

haru.(はる)
1995年生まれ。東京藝術大学在学中に、インディペンデントマガジン『HIGH(er)magazine』を創刊。編集長として「同世代の人と一緒に考える場を作る」をコンセプトに、企画・編集・制作を行う。企業ブランドとのタイアップ企画のプロデュースなど活動の幅を広げ、2019年6月に自身が取締役を務める株式会社HUGを設立し、コンテンツプロデュースやアーティストマネジメントの事業を展開中。

haru.:最初のころはまだ手探りで、周りから理解されないことが多かったです。大学の先生に「あなたのやろうとしていることが全然わからない」と言われることもありましたけど、私の場合、そういったアドバイスは基本少ししか真に受けていないです(笑)。「今私がやりたいのはこれだから」という自分の気持ちを優先してきました。

大学院を受験した時、「ジェンダーの勉強をして自分のアートに取り入れていきたい」と話しても、全然ポジティブな反応はありませんでした。その時の面接官が全員男性だったことが、いかにアート界でもまだ男女平等が実現していないかが現れているのですが、誰も自覚的ではないのだと思います。今でも私のやりたいことが何なのか分からない人はたくさんいると思うし、理解されにくいことが多いかもしれません。

――上の世代とのジェネレーションギャップも関係しているのでしょうか?

haru.:ジェネレーションギャップを感じることもありますね。でも、そのギャップを埋めていくことよりも、柔軟な若い世代に「周りから分からないと言われても、自分のやりたいことを選択していいんだよ」と伝えていきたいです。それが、自分のやりたいことだと思います。

HIGH(er)magazineでは小中高の学校では教えてくれないこと、例えば性のことやセックスのことも取り上げています。自分たちが負った傷をなかったことにするのではなく、あえてその傷を言葉にすることで、子どもたちが自分にとって正しい選択ができるようにしたいです。大人ができることって同じ過ちが繰り返されないように、自分の体験から学んだことを下の子たちに伝えることだと思っています。若い世代だけでなく、年配の方でもおもしろいと言ってくれる方もいるので、そういう方たちの心に響けば嬉しいです。

違和感に向き合うことも権利の一つ

――haru.さんはすごく自分自身に正直でいることを大切にされている印象です。普段の生活のなかでも意識はされていますか?

haru.:自分に正直でいないと、私の持っている潜在的な能力が発揮できないんです。私は感覚的な部分が多く直感を信じているので、違和感を感じた時は一度立ち止まるようにしています。すぐに逃げ出すのではなく、違和感と向き合うことでより生きやすい環境に好転する可能性もある。それもその人の権利の一つだと思っています。私の場合は、雑誌を作ることで自分を解放し自由になれるんです。

――自分に正直でいることが難しいと感じる方に、何かアドバイスがありましたら教えてください。

haru.:「周囲と馴染むことができなくても、世の中で生きていける」ことは伝えたいですね。私は保育園が一番なじめなくて、お遊戯会とかお昼寝とか、みんなが同じ時間に同じ行動をとることに違和感を感じていました。「なんでお昼寝しなきゃいけないの?」と毎日先生に聞いていたと思います(笑)。

お遊戯会で私が何もしていなかった時、親は特にそのことに対して私を責めるようなことはしませんでした。「きっと何もしたくなかったんだろうな」というような感じで、見守ってくれてたんだと思います。雑誌作りに関しても、文句も言わない分、私を褒めるようなこともしない(笑)。でも、そのおかげで自分のやりたいことを自分のためにがんばろうと思えました。好きなことをやらせてもらえたのは、とても恵まれていたと感じています。

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