2016/12/08 公開

【前編】「評価されるべき人をどうにかしたかった」トキワ荘プロジェクト・福間夕香

「働く女性」の未来像

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「夢を叶えよう」とやってくる人を迎えるのだから、「3年間を有意義に過ごせるかどうか」は重要な判断基準にしています

評価されるべき人をどうにかしたい。

――まずは福間さんが参加されている「トキワ荘プロジェクト」について、概要を教えてください。

福間夕香(以下、福間) トキワ荘プロジェクトは、プロ漫画家を目指す人のためのシェアハウスです。漫画家の卵たちが共同生活を送ることで、お互いに刺激を与え合いながら成長していくという、いわゆる「コンセプト型シェアハウス」になります。2006年に始まったプロジェクトで、今年で10周年を迎えました。

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福間夕香(ふくまゆか)
1985年千葉県生まれ。女子美術大学卒業後、カナダへ留学。帰国後、アート・デザイン関連の仕事を経て2013年3月よりNEWVERYスタッフ。トキワ荘プロジェクト入居者サポート、メンター付きトキワ荘の立ち上げを担当し、漫画家デビュー者数を約2倍に引き上げる。現在、NPO法人NEWVERYクリエイティブ事業部の副ディレクター、トキワ荘プロジェクトのコーディネーターを担当。

――プロジェクトに福間さんが参加されるまでの経緯はどのようなものだったのでしょうか。

福間 実は私、「漫画が好きだからこの仕事をしている」ということでは全然ないんですよ。

――えっ! そうなんですか?

福間 元々はギャラリーで受付をしていました。一流の作家の方々の作品に日々接することができて、すごく勉強になりましたが、ずっと受付を続けていくことに「今後のキャリア」のイメージがわかなくて。その後、東日本大震災の影響でギャラリーの開館時間が短くなって時間が空いてしまったこともあって別のギャラリーでインターンを始めたんです。

――どのようなお仕事をされていたのでしょうか。

福間 インターン先では告知DMを作ったり、ウェブを更新したり、展示する作家さんと直接お話をしたりしていましたね。二つのギャラリーで並行して働いていたわけですが、一方は「企画ギャラリー」、もう一方は「貸しギャラリー」だったんですね。

展示期間に対して作家さんがお金を払って展覧会を行う「貸しギャラリー」では、個人で呼べるお客さんの数には限りもあって、お客さんがたくさん来るわけではありませんでした。良い作品をつくっているのに、きっかけがなくてなかなか有名になれない、というアーティストをたくさん目の当たりにしました。

――評価されるべきなのに、評価されない。

福間 はい。彼らと一流の作家はいったい何が違うんだろうと。彼らがあちら側の世界に行くにはどうしたら良いんだろうと。そこを手伝えるような仕事はないんだろうかと思っていたところ、トキワ荘プロジェクトで採用募集をしていることを知り応募しました。

――夢に向かっている人が好きなんですね。

福間 そう。「漫画が好き」というよりも、「クリエイターを目指す人たちが、どうやったらプロになるのか」。そちらのほうに興味があったんですね。たとえば、一流のプロを追う「プロフェッショナル 仕事の流儀」というNHKのドキュメンタリー番組が大好きなんですけれど、ああいう風にその道を極めた人たちは、どうやってそこまでたどり着くのかを知るのが面白い。

「この道を極めたい」と突き進んだ人も、「元々そこを目指していたわけではないけれど、たどり着いたらその道のプロでした」という人も好きですね。

もしも自分1人でプロになれるのなら、それはそれでいいのかもしれません。しかし、誰かの手助けや、何かの影響やきっかけがあるからこそ、プロになれる人のほうがずっと多いと思うので、そういうきっかけになるようなことに自分が関われたらいいなという気持ちを持っていました。結果的にそんな想いがトキワ荘プロジェクトの仕事とすごくマッチしていたと思います。

――漫画はトキワ荘プロジェクトに加わる入り口ではなかったと。

福間 はい。漫画は好きですけど、本当に娯楽として楽しむレベルです。最初から「漫画が好きで携わりたい」というわけではなかったんです。だから正直、漫画のことにはそんなに詳しくないんですよ(笑)。

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