2017/07/13 公開

フリーランスで働くことのメリットとデメリットを経験者に訊いてみた~ライター・編集者編~

「働く」を考える。

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書いた人:せぶや
2014年LIGにWebディレクターとして入社。2016年、消去法によってLIGブログの編集長へ就任した。謎に7年くらい自衛隊にいたことがあるが、今の仕事に自衛隊経験は何も生かされていないという。好きなものは筋肉とビール。
 

フリーランスに憧れますか?

フリーランスといえば、好きな時間や場所で働けたり、お金をたくさん稼げたりするイメージがあるでしょうか。私は、フリーのライターに仕事をお願いする立場の人間で、フリーランスの方たちと仕事をする機会は多くあります。そのなかで自由に働いているフリーランスの人たちを見ると、ときどき羨ましく感じることも。

しかし、一方でフリーランスから会社員に戻る人もいます。どうして自由で稼げるはずのフリーランスを辞め、会社員に戻るのでしょうか。今回、フリーランスは実際どうなのか、会社員とは違ったリスクがあるものなのか、現役のフリーランスや、フリーランスから会社員にもどった方へ事情を聞いてみると、主だった不安は大きく3つありました。

・お金に対する不安
・相談できる人のいない寂しさ
・社会的信用の低さ

具体的にどんな不安なのでしょうか。

安定しない収入への不安

いちばん不安に感じることの多かったのは、やはりお金に関することでした。フリーランスは、会社員と違って毎月決まった金額のお金は入ってきませんし、ボーナスもありません。会社員時代より収入が多くても、今月受けていた仕事が翌月あるとは限らず、安定しない収入に不安を抱える方が多いようです。

「いま仕事がたてこんでいて順調でも、夜寝るとき突然不安に襲われることがある」(フリーランス歴5年 / 編集者・ライター / 30代男性)

「来年も食べていけるのかとか、将来もらえる年金の額が少ないことが不安です」(フリーランス歴8年 / 編集者・ライター / 30代女性)

「基本的に将来のことを考えていない人間なので(危険!笑)、あまり不安に思ったことはないのですが、それでも収入や体力面での不安に押しつぶされそうになる瞬間があります」(フリーランス歴2年 / ライター / 20代女性)

また、お金が振り込まれるタイミングでの失敗も。

「大きな仕事で1ヶ月まるまる使ったけど、支払いが2ヶ月後だったのできつかった。ある月は40万円稼いだけど、次の月は0円になったりしたこともある」(フリーランス歴3年を経て会社員へ / 編集者・ライター / 30代女性)

支払いのタイミングを事前に確認しておかないと、思わぬところでお金が足りなくなることもあるようです。翌月末に支払う会社が多そうですが、なかには翌々月の末に支払う会社もあります。また、記事が公開されたタイミングを納品とする会社もあるので、仕事を受けるときに支払うタイミング、なにをもって納品とするのかは確認した方がよさそうですね。

もちろん、お金について不安に感じたことのないフリーランスもいます。

「お金について、いま不安はないですね。理由は二つあって、現状まあまあ定期案件があって稼げているのが一つと、あとは職にこだわりがないので、最悪何かしら食い扶持はありそうだなと思っているのがあります」(フリーランス歴2年 / 編集者・ライター / 20代男性)

案件を得るコツは、ビジネスサイドの人とつながること。「知り合いにライターいる」というのは、サラリーマンからすると資産になるはずなので、お金を持っている会社の人とつながっておけば、仕事の相談がぜったいにくるとのことです。また、「最悪なにか別の仕事すればなんとかなる」という考え方は、フリーランスで不安を感じないためのひとつのリスクヘッジと言えるかもしれません。

相談できる人のいない寂しさ

お金の不安に並んで多かったのは “寂しい” でした。

「追い詰められたときに「やべーよやべーよ」って励まし合える人や相談できる人が身近にいない」(フリーランス歴2年 / デザイナー・ライター / 20代女性)

「今日一日、誰とも話していないとか、仕事で悩みがあるときに相談できる人がいない。あと喫煙所のコミュニケーションとか憧れます」(フリーランス歴8年 / 編集者・ライター / 30代女性)

「超気軽に相談できる先輩がいないし、仕事中のおふざけタイムがなくて寂しい」(フリーランス歴1年 / ライター / 20代女性)

「モンスタークライアントに遭遇したときの孤独感。友人には相談できても同じプロジェクトメンバーの人に相談できないのが辛い」(フリーランス歴3年を経て会社員へ / 編集者・ライター / 30代女性)

基本一人で作業することが多く、今日は一言も声を発していないと気づいたときに寂しさを感じたり、仕事のトラブルで気軽に相談できたりする人がいないときに寂しさを感じるようです。確かに、会社には誰かしらいますし、物理的に距離が近いので気軽に相談はしやすいですよね。一方でこんな声もありました。

「今まで寂しいと感じたことはないですね。相談できるパートナーがいるからかも」(フリーランス歴○年 / ライター / 20代女性)

仕事の愚痴や、相談に乗ってくれるパートナーのおかげで寂しさを感じないという意見も。必ずしもすべてにあてはまるものではないと思いますが、気軽に相談できる相手がいるだけで、だいぶ救われるのかもしれません。

部屋を借りられない

会社に勤めていると、特に気にすることもなかった「部屋探し」。フリーになったときから、部屋を借りるときのハードルが上がるようです。

「会社勤めをしていないだけで社会的信用が得られないことが多くあります。例えば、家を借りるときなんかは知人の会社で働いていることにしてもらったり、家賃4か月分の預金残高を見せたりしないとダメで、最初のころは大変でした」(フリーランス歴2年 / ライター / 20代女性)

「審査が通りにくいことを前提に、保証会社をつけるのは当然として、収入証明や仕事の実績を求められました。私の場合は、直近1年間の取引先の名前を伝えたら大丈夫でしたね。取引先に大手企業がいると安心するようです」(フリーランス歴8年 / 編集者・ライター / 30代女性)

「部屋借りるときの信用のされなさは半端ないですね。私の場合、保証会社と父に保証人についてもらいました。あと収入証明とかはありませんでしたが、不動産の担当さんに「なるべく有名な雑誌で署名付きのやつ見せてください」と言われて、有名どころの雑誌を持って行ったりしました(笑)」(フリーランス歴◯年 / ライター / 20代女性)

フリーランスの方が収入に不安を感じるように、大家さんも同じように不安を抱えているようです。部屋を借りるには、保証会社と保証人がいること。安定した収入を証明できること、取引先に大手企業がいれば大家さんは安心するようですね。一方でこんな意見もありました。

「フリーになってからシェアハウスしか住んでいないので、業者を介さず家主と個人的に「住みたいです」「いいですよ」ってやり取りだけで住めているんですよね。なので他の方が言うような部屋探しの苦労はありませんでした」(フリーランス歴2年 / ライター / 20代女性)

少し特殊な例なのかもしれませんが、大家さんと直接交渉することで、すんなりいくことがあるようです。いずれにしろ、収入が安定しづらいと思われているフリーランスは、会社員以上にお金を蓄えた方がよさそうです。

他にもあるフリーランスの辛いところ

フリーランスの辛いところ、他にはこんな意見もありました。「確定申告がめんどうくさい」「仕事とプライベートの境目がない」「スケジュール管理が苦手だときつい」など。印象的だったのは、自身のスキルアップについてジレンマを感じている意見です。

「クライアントとの直接取引は、お金をたくさんもらえるけど、原稿に対するフィードバックが少ない。編プロを挟むとしっかりとしたフィードバックをもらえるが、原稿料が安くなります。毎月いくら稼ぐと決めているので、どこから仕事を受けるのかバランスを見る必要がありますね」(フリーランス歴1年 / ライター / 20代女性)

ライターにとって、スキルアップの方法のひとつが担当編集者からのフィードバックです。しかし、生活していくうえでお金も稼がなければいけないと考えると、なかなか割り切った決断がしづらそうです。一方、特にスキルアップについて不安はないといった意見もありましたので紹介します。

「自身の学習スキルによると思います。英語の学習も、独学でペラペラ喋れる人もいれば、教室に通う人もいれば、自ら外国人の友だちをつくって学ぶ人もいます。編集やライターも独学、編プロと仕事する(英会話教室に通う)、編プロの友だちと喋る(外国人の友だちをつくる)、みたいなイメージでいるので、不安はありません」(フリーランス歴2年 / 編集・ライター / 20代男性)

「意識的に勉強していますね。文章自体はいままで培ってきたもので勝負する考えですが、それよりはスタイルのトレンドとか、ネタだしのための知識を重要視しています」(フリーランス歴5年 / 編集・ライター / 30代男性)

スキルアップは、人それぞれの環境やスキルにも左右されそうですね。参考になりましたでしょうか。

それでもフリーランスがいい理由

フリーランスの辛いとこばかりピックアップしましたが、もちろんフリーランスの良さはあります。

「お金をわかりやすく稼げるようになった。やればやるだけ収入につがるのが嬉しいです。ちなみに、じつはいま温泉にいるんですが、フリーランスだからできたことだと思います」(フリーランス歴1年 / ライター / 20代女性)

「気分にムラがあるので、自分の体調やペースに合わせて仕事ができるのはありがたいですね」(フリーランス歴2年 / ライター / 20代女性)

「苦手な人との付き合いをかんたんにやめられるので楽です。人間関係のストレスがなく、依頼していただいた仕事のクオリティと納期を守るだけで評価してもらえるので、会社員の人よりも圧倒的に楽だと思います」(フリーランス歴2年 / ライター / 20代女性)

「フリーランスになって時間が増えました。会社員時代は無駄な会議に時間を取られすぎていました。フリーになってからは取材や執筆でしか仕事に関わらないので。増えた時間で、平日に妻と二人で買い物に行ったり、ビールを飲んだりしています」(フリーランス歴2年 / 編集・ライター / 20代男性)

まとめ

話を聞いていると、デメリットよりもメリットが大きいからフリーランスを続けている人が多かったのですが、心のどこかで会社に所属したくなる気持ちはあると回答していたのも印象的でした。

ちなみに、これだけ不安やデメリットをあげる声は多かったものの、将来への不安を感じているフリーランスは意外に少なかったのが印象的でした。「会社員でもフリーランスでも両方やれるから」「なにかしら食い扶持はあるから大丈夫」という理由のようです。

これからフリーランスになる選択を考えている方は、フリーランスの辛さをどう乗り越えていくか十分に考えてからでも遅くないのかもしれません。

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