「『自分がやる』は害悪だと思うんです」スナップマート株式会社・江藤美帆

2016/11/29
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「オウンドメディア」の編集長という“エキサイティング”な経験

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―――これまでインターネットの世界で働かれていて、「これが最もエキサイティングだった」という仕事ってありますか?

江藤 1つを選ぶのは難しいですね(笑)。ネットに関係する仕事は「新しいこと」がほとんどなので、その都度都度で面白いと思います。直近だとやはり「kakeru」というメディアを立ち上げたことが、自分にとっての試金石になりました。予算がない、しかも書き手には経験がない。どうすればいいんだろうと、今まで生きてきた中で1番、頭を使った仕事かもしれません。

―――「頭を使った」のは、特にどういったところだったのでしょうか。

江藤 これまで私が関わってきた商業メディアとは異なる、企業のオウンドメディアだったというところに起因しているんですけども、気を使うポイントがだいぶ違いました。
「kakeru」は社内の新規事業というか、若手を育成するための実験的なプロジェクトとして始まったんですが、こういう新しい試みって、どこの会社でも突然打ち切りになったりするリスクがものすごく大きいんです。だからまずは、普段接点のない会社の上層部に認知してもらえるように、何か一発目立つパフォーマンスをしておこうと。

―――ないものばかりだった状況で、いち早く結果を出すことが求められていたのですね。

江藤 はい。釣り記事でPV稼ぎとかは意味がないと思っているのですが、まずはメディアの認知をあげて、簡単に予算が打ち切られないようにしたかったんです。

それで、メディアを立ち上げて10日くらいでまず会社の女の子たちの会話を記事にした「インスタジェニックって?」みたいな記事がバズって。運良くNewsPicksとかスマートニュースに取り上げられたことで、会社の役員クラスの方々にも認知していただいて。こんな感じでいくつか10万PV以上のヒットコンテンツが出てきてからは、予算もちゃんと確保できましたし、その後の仕事がかなりやりやすくなったと思います。

人を変えるには「成功体験」を積ませるのが一番

―――その他、感じられた課題はありますか。

江藤 「kakeru」では、全員が執筆に関しても編集に関しても未経験でした。当たり前なんですけど、誰も編集やライターをやりたいと思って会社に入ってきたわけではなかったので、まず皆に文章を書いてもらうというところに大きなハードルがありました。
私はもともとメディア業界にいたので、「書きたいと思っていない人に書いてもらう」という苦労を初めてしたのですが、これが思った以上に大変で。いわば馬を水飲み場までは連れていけるけど、水を飲ませることができないという……。

―――結局それは飲ませられないままだったのでしょうか。

江藤 いえ、最初こそそうだったんですが、数ヶ月でびっくりするほど変わりましたね。やっぱり書いたものに対して反響があると嬉しいんですよ、みんな。そうしたら「また書いてみよう」という気になるんだと思います。そういう意味でも数字を最初に取りにいったのは正解だったんじゃないかと。

最初にバズる、いろいろなところで話題になる、そういう経験をすると、「自分の発信するものが世の中にインパクトを与えられるんだ」「会社員でもそういうことができるんだ」という面白みに気づいてくれて。途中からは何も言わなくてもみんな自分から企画を作って、取材に行くようになってくれました。

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