2017/07/27 公開

【後編】「あぐらをかいた、30代という正念場」・デッツ松田

失敗ヒーロー!

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社交場で出会った縁が、仕事へとつながった

――エディターとして独立された時期と、ツバキハウスに通われていた時期。どちらも80年代中盤と時期が重なっていますが、ツバキハウスでの出会いが、お仕事に結びつくこともあったのでしょうか?
 
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デッツ松田
1961年生まれ。三重県出身。ファッション雑誌『OUTSTANDING M』編集長。同誌を発行するダウトエヴリシング代表を務める。過去、雑誌『Hot Dog Press』『POPEYE』『Begin』などで編集や執筆を担当。また、スペースシャワーTVの『BUM TV』やフジテレビの『カルト Q』など、テレビやFMラジオの構成作家としても活躍された経歴をもつ。

デッツ松田(以下、デッツ): どちらかというとツバキハウスやその他のクラブに通っていたのは、もっと前なんですけどね。80年代初期だから。でもそういった場所で出会った人たちが、縁をつないでくれた感じはありますね。いとうせいこうから『TVBros.』での連載を紹介してもらったり、彼がメインMCを務めていたTOKYO FMのラジオ番組(=『トーキョーブランニューウェーブ』)に出演させてもらったりしましたが、彼は僕も頻繁に出入りしていた、講談社の元社員。けれど出会いそのものは講談社のつながりではなく、藤原ヒロシの紹介でしたから。

ラジオの構成作家を始めたのも、いとうせいこうの番組がきっかけでしたし、フジテレビの『カルトQ』という番組にブレーンとして呼んでいただいたのも、顔見知りのヘアメイクさんの紹介だったと記憶しています。ここでフジテレビとのつながりができたことが、最近、ネット番組としてリバイバルされた『たほいや』(=広辞苑を使用したゲーム「たほいや」で勝ち負けを競う、フジテレビ系のテレビ番組。1993年4月から9月まで放送)に出演するきっかけでしたね。

オジサン軍団に飛び込む勇気が見識を広げる?

――ツバキハウスのような、いわゆる社交場での出会いをお仕事につなげていく。何かコツのようなものはあったのでしょうか?

デッツ: いや、「この出会いを仕事につなげよう」なんて意識は微塵もなく、本当に自然な流れでしたね。プライベートでお酒を飲んでいても、自ずと仕事の話にはなるし、そこで「誰かいい人いない?」という話題から、新たな仕事につながっていく感じです。いとうせいこうや藤原ヒロシ、高木完たちも然り、そこで仲良くなった人とは仕事場でも一緒になるし、プライベートでも一緒になるし、今も変わらず付き合いがあります。仕事とプライベートのボーダーラインが、いい意味で曖昧なのかもしれない。

――80年代中盤というと、デッツさんが20代の半ばという時期ですよね。逆に今になって、若い世代と一緒に遊ばれることは?

デッツ: 友だちの後輩と飲むことはあるけど、20代の若者となると、ちょっと機会がないかな。一緒に飲もうと思ったら飲めますし、大歓迎です。とはいえ、50代のオジサン軍団が飲んでいるところには、若い人たちも入りづらいですよね(笑)。

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デッツ: ただ仕事に限らず、何か自分の見識を広げたいのであれば、敢えて入り込んでみるくらいの大胆さは、あっていい気がします。今も昔も、お酒の場は無礼講。ちょっと勇気を出して入り込んでみれば、何かしらの新しい世界が見られるはずです。もちろん、最低限の礼儀は必要だし、あまりにグイグイ攻めてこられると、僕も困ってしまいそうだけど(笑)

意外とバカな奴が重宝される

――目上の人の会話に入り込む勇気と、失礼にならない程度のテンション。その間合いの取り方が、けっこう難しかったりしますよね(笑)。

デッツ: そこが難しいところだし、僕も苦手(苦笑)。その点、今や、世界で活躍しているNIGOは、とても上手だった印象がありますね。当時、僕や原宿の洋服屋さんたちが一緒になって、原宿の草野球チームを組んでいて、NIGOはチームの一員ではなかった。それでもどこで聞きつけたのか、試合のたびに姿を現して、撮影係を買って出ているような(笑)。飛び抜けておしゃべりだったり、率先して場を盛り上げたりするようなタイプではなかったけれど、気付けばそこにいる。彼は、そういう存在でしたね。

この間合いの良さとか、場に溶け込む上手さって、正直、持って生まれた資質のような気がします。だけどエディターとかライターとか、出版業界に話をしぼると、意外とバカな奴が重宝されたりしてね。「アイツ、また酒臭いまま現場に来てさぁ」なんて、お酒の席で話題に上る人間が可愛がられたり、仕事を持っていったりしますから(笑)。

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