2016/08/16 公開

「体調管理も仕事のうち」と言うのなら、会社はその「仕事」をする環境を用意せよ!

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筆者:KEN
社畜街道まっしぐらの30代意識低い系サラリーマン
ブログ:「私の戦闘力は53万マイクロです」

「社会人たるもの、体調管理も仕事のうちである」
こういう意識の高そうな言葉、会社で上司などから言われたことがある人も多いんじゃないでしょうか?

オフ時間の使い方にも気を配って、体調を崩したりしないように、ということなんでしょうけど、個人的には「なんで勤務時間外のことまであれこれ口出されなくちゃいけないんだ、大きなお世話だ!」と反感を覚えます。

ただ、賃金をもらう代わりに労働力を提供するサラリーマンという働き方である以上、「体調を崩したりして労働力の質・量を下げて欲しくない」という会社側の言い分もわからなくはありません。

しかし、「体調管理も仕事のうち」と労働者に要求する以上、会社側も労働者が体調管理できるよう万全の環境を整える義務があるのではないでしょうか?何せ「仕事」ですもんね。「仕事」の環境を用意するのは会社の仕事です。

長時間労働、ストレスまみれの職場環境を放置しておきながら、「体調管理せよ」は虫が良すぎる

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そもそも「体調管理」という魔法の言葉を連呼していればそれで健康を維持できるほど、人間の体は単純にはできていないはずです。心身ともに万全な状態を維持しなければなりません。むろん、労働者はロボットではなく人間なので、どれだけ万全な備えをしようと体調を崩すときは崩します。それは仕方のないことで、労働者の責任ではありません。

肉体的にも精神的にもストレスフリーな状態を維持しても体調を崩すことはあるのですから、もし従業員に過度に負担をかけている会社であれば何をか言わんや。

深夜におよぶ長時間残業(あってはならないことですが、サービス残業の場合はモチベーション低下も激しくさらにストレスが溜まります)、傲慢な上司の下につくなどの劣悪な人間関係、などなど、こんな環境を従業員に押し付けている会社には「体調管理をせよ」なんて、言って欲しくないですね。

「健全な精神は健全な肉体に宿る」と言いますが、「健全な従業員は健全な会社に属する」と言い換えてもいいでしょう。

「まだ病気じゃないんだろ?なら働けるだろ!」と言われたことは一生忘れない

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数年前に地獄のプロジェクトに巻き込まれていた時期がありました。月間100時間を越える残業は当たり前、酷いときには200時間近い残業。家には寝るために帰るだけ、というより、家に帰れればマシという有様。

こんな状況が半年以上続いたある日、身体に違和感を感じました。朝からずっと身体が重い。頭の中はモヤがかかったようにぼんやりとし、まったく頭が働かない。普段なら1~2時間も考えれば解決するであろうプログラムのバグを、丸1日考えても何もわからない。

「これはマズイぞ」と感じました。こんな状態で働いていたら絶対に身体を壊す、と。

当時の上司にそのことを伝え、せめて今日くらいは定時で上がってゆっくり休みたいと訴えました。その上司の返答はこうでした。

「何言ってんだ、みんな一生懸命残って働いてるのに。このままじゃ病気になりそうって言ったって、今はまだ病気じゃないんだろ?なら働けるじゃないか!

何言ってんだはこっちのセリフです。この人はいったい何を言っているのか。なぜ身体を壊すまで働き続けなければいけないのか。僕には自分の健康を維持する権利と義務があるはず。そもそもこんな長時間残業を続けていては、仕事の能率は下がるばかり。双方にとってデメリットしかありません。

この上司の言うことに従っていてはろくなことにならないと思い、定時帰りを強行しました。

家に帰って一晩ぐっすり休んで出社。上司からはブツブツ嫌味を言われましたが、前日に1日かかっても直せなかったバグを1時間足らずで直すことによって黙らせました。「それ見たことか!」と思いましたね。仕事上で満足のいくアウトプットを出すためには、充分な休息が必要不可欠なのです。

長時間残業すれば良いというものではない!ゆとりのある働き方によって、従業員と会社がWin-Winになれる

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従業員は、もちろん身体なんて壊したくない。健康でいたい。
会社側だって、もし従業員が身体壊してリタイアなんてしたら、戦力ダウン。代わりの人材を育てたり探したりするのにもお金と時間がかかる。

ならば、従業員側と会社側の利害関係が一致しているのですから、なおのこと会社は従業員の体調管理に責任を持たなければいけません。無理な働き方を強いて潰していては共倒れです。

1人の従業員に多く働かせるくらいなら、その分人を雇うのも手です。過重労働は効率を下げるだけで大局的にみるとプラスにはなりません。

日本でも最近仮眠休憩をとるシエスタ制度の導入を検討する企業が増えているそうです。これも面白い試みです。

馬車馬のようにシャカリキになって働くことが美徳とされたのはもう過去の時代。これからはいかに効率的に働くかが重要。そのためには、遠回りなようでもある程度のゆとりが必要です。

働く「環境」を用意するのは会社

事務仕事をするにはデスクや椅子、パソコンなどがなければできません。それらを会社が用意せずに「事務仕事しろ」なんて無茶振りですよね?体調管理も同じこと。従業員が体調を管理するために必要な環境を会社が用意して初めて、「体調管理も仕事のうち」と言える資格があるのです。

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