2016/06/24 公開

給料が不満で退職したい人に、精神論は通用しない。引き止めにあたる人には給料額に決定権を持たせるべき

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筆者:KEN
社畜街道まっしぐらの30代意識低い系サラリーマン
ブログ:「私の戦闘力は53万マイクロです」http://530000micro.hatenablog.com/

「終身雇用」などという言葉がすっかり過去の遺物となった昨今、より良い環境を求めて転職をした、あるいは転職をしようとしている人も多いのではないでしょうか?

転職の際はいろいろと面倒事がつきもの。現在の会社を退職しようとするときの会社側からの引きとめ交渉もそのひとつですね。管理職や人事担当の立場の人にとっても、退職希望者の引きとめは頭の痛い問題ではないでしょうか?

今回は、僕の退職時の経験を踏まえて、人事担当者には退職希望者を引き止めることは出来ない、というお話を書いてみます。

「やりがい」では食べてはいけない。転職理由は「給料が低い」から。

僕は前の会社の仕事内容にも人間関係にも、特に不満は感じていませんでした。むしろ、とても気に入っていました。意識が高く聞こえてしまうので苦手な言葉ですが、いわゆる「やりがい」を感じていたのです。ただひとつ不満だったのは、同業他社と比べて明らかに給料が低かったこと。

この世知辛い世の中、「やりがい」だの「人間関係」だのではご飯は食べていけません。当時の僕は第一子が生まれるタイミングだったため、今後の生活に不安を感じていました。いまの薄給で本当にこの先やっていけるだろうか・・・と。妊娠中の妻が体調を崩して仕事を辞めたこともあり、更に不安は加速しました。

そんな折、昔お世話になっていた人から転職話を持ちかけられました。「KEN君が今いる会社より年収○○万円多く出すから、うちの会社に来ない?」と。

渡りに船で僕はその話に飛びつきました。

何度も何度も、説得に来る上司と人事担当

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アベノミクスの成果なのか(因果関係は素人の僕には分かりませんが)、数年前から有効求人倍率も高まり、人手不足の業界が増えてきました。僕が関わっているIT業界も例外ではありません。僕が良い条件で引き抜き話を持ちかけられたのも、先方の会社でソフトウェア技術者の頭数が足りていなかったからです。

転職先の会社で人材不足ということは、同じ業界である元の会社でも当然人材不足ということです。即戦力となる中途採用に力を入れつつ、人材流出にも過敏になっていました。そんなタイミングで僕が退職を言い出したものですから、当然のごとく引きとめにあいました。

当時の上司や人事担当者、終いには新入社員の頃にお世話になった昔の上司まで登場し、何度も何度も説得をされました。

「KEN君には今後もとても期待しているし、居心地の良い職場にするように我々も頑張るので、是非とも残ってくれ!」

給料が不満で辞めたいのに、精神論で説得されても……

「とても期待している」の部分は社交辞令としても、全く期待していない社員を引き止めることはしないだろうし、「居心地の良い職場」のくだりも、人間関係や仕事内容に不満があるわけではないので、この部分で説得されても心は動きませんでした。

「給料に不満があるので転職したい」というこちらの考えを覆すためには、給料額を上げる以外に有効な説得手段はありません。しかし、引きとめようとした上司や人事担当者の人には給料を決定する権限がなかったのです。これでは、まともな説得など出来るはずもなく、結局は具体性に欠ける抽象的な言葉で説得をされました。

人材流出防止を厳命するなら、担当に相応の権限を持たせよ!

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僕の他にも、主に給料面の不満が原因で会社を辞める人が大勢いました。その度に、上司や人事担当者は役員クラスの人たちから怒られていたようです。とてもお世話になっていた人たちだけに、心苦しい思いでした。

そもそも給料額に関して決定権を持っていない人が、給料が不満で辞めていく人たちを説得するなんて、土台無理のある話なのです。給料以外の理由……例えば休日日数や福利厚生に不満がある場合でも同様です。相応の権限を持たせられていないと、説得は至難の業です。

人材流出を食い止められなかったからといって叱責するのであれば、引きとめにあたる人たちに相応の権限を持たせるべきでしょう。もしくは、権限を持っている人たちが直接引きとめにあたるのが筋です。

「責任はあるが、権限は無し」などという状態を放置していては、今度「流出」するのはその中間管理職や人事担当の人かもしれませんよ?経営陣は、ゆめゆめそのことをお忘れなきように……

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